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zoom RSS 1654 バスジャパン・ハンドブックシリーズS94 箱根登山バス 東海バス

<<   作成日時 : 2017/02/26 22:00   >>

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「バスジャパン・ハンドブックシリーズS94 箱根登山バス 東海バス」が先月刊行されました。やや遅くなってしまいましたが、ここで取り上げます。

 小田急グループの一員の箱根登山バスと東海バス、連名で取り上げられているが、東海バスに関しては、1993(H5)年のハンドブックシリーズ16で早々に取り上げられていました(地域分社前で「東海自動車」)。その後10年前、2006(H18)年のR58でも取り上げられ、ここから箱根登山バスも一体で扱われる事となりました。
 表紙は、R58では登山バスの旧カラー(ブルー系)の+東海バスだったが、今回は東海バスカラー+箱根登山バスの新カラー(オレンジ+ベージュ)の新エアロスターです。両社を対等に扱う姿勢が見えます。

◆ 箱根登山バス・東海バスの車両たち
 東海バスに「ラブライブ!サンシャイン!!」(LLS)のラッピング車がありますねえ(オレンジ830号車)。「カラーで出せよ!」とかいうファン、BJの読者にはいるものでしょうか?
(この車両はR58時点では最新鋭に近く、旧沼津登山東海バスのカラーの例として、カラーページに掲げられている)
 箱根登山バスと東海バスに分けてデータを分析、適宜シリーズ16、R58との比較も記してみます。

箱根登山バス
 湘南箱根登山自動車が箱根登山観光バスに変わったが、事業所の変化はなし。
 相模ナンバー車は全滅、全車両3桁湘南ナンバー(湘南200)になりました。

1. 乗合車135台は、10年前と全く変わりません。
 貸切車は2社合わせて7台減少しました。貸切車の大半は湯本地区の温泉旅館の送迎やスクールバスで、一般的な「観光バス」は写真やテキストから判断して、登山バス1台・登山観光14台、合計15台と考えられます。
 特定バスは大幅に増えました。企業や病院の送迎用です。この他、定期観光車1台が追加されました。

2. 用途別の割合は、乗合75.42%、貸切17.88%、定観0.56%、特定6.15%。
 営業所別割合では、乗合車は小田原〔営〕68.89%、湯河原〔営〕14.81%、関本〔営〕8.89%、宮城野〔営〕7.41%と、はっきり小田原一極集中。湯河原〔営〕は小田原への路線がなく、関本〔営〕も南足柄市中心となり、地域の小規模路線がメインになっています。宮城野〔営〕はほとんどが「スカイライト」。
 貸切車は、湯本〔営〕は温泉旅館の送迎専門です。さすがは箱根。

3. 平均車齢は、乗合車が6.46年とかなり若い。10年前は5.43年だったからこれでも1年延びているが。10年前は2004(H16)年に一挙29台の導入があって一気に若返り、この数字になっていました。現在でも18台が残り、乗合車全体の13.33%と、今でも乗合車の中では最大勢力です。それ以降も新車導入に積極的、2010(H22)年が17台導入で乗合車全体の12.59%と2004(H16)年に次ぎます。
 営業所別では、「箱根施設めぐりバス」のスタートで開設した宮城野〔営〕が5.62年と一番若いが、他3営業所も7年以下、大きな差はありません。
 最古参は2003(H15)年式。
 貸切車は5.31年だが、「観光バス」に限ると、5.2年程度になるかと思われます。2014(H26)年にガーラ・セレガ合計4台導入があり、(旅館送迎も含めて)18.75%を占めています。
(2008(H20)年が21.88%と一番高いが、旅館送迎に加えてスクールバスもある)

4. メーカー別では、乗合車に限ると三菱ふそうが50.37%と半分以上、あとはいすゞと日野でほぼ半分ずつ(若干いすゞが多い)。
 メーカーではっきり傾向が違っていて、いすゞ・日野は大型車が全滅し、全て中・小型車。逆に三菱ふそうは中型は16台のみで、他は大型です。新エアロスターは発表から3年になるが、意外にもBJでは初登場になりました。
 貸切車では、「観光バス」は登山観光ではガーラとセレガが拮抗、登山バスにはエアロエースがいます。湯本〔営〕の旅館送迎はずっとローザが導入されていたが、最近の2台はリエッセUになりました。

5. 乗合車のノンステップ率は34.07%、10年前が9.63%だったから、大きく伸びました。ただし全車両中・小型車。関本〔営〕が75.0%、12台中9台がノンステップでした。逆に宮城野〔営〕は1台もなし。
 その他、低公害車は、定期観光用のセレガ・ハイブリッドのみ。
 中古導入は、企業から移籍した特定車1台のみ。かつては神奈中バスを中心に移籍車も目立ったものが、様変わりしたものです。

「箱根施設めぐり」の車両のうち、レトロ調車両以外のレインボーUベースの車両は、「スカイライトU」が正しいのではないでしょうか。817で、「箱根施設めぐり」は最低でも「スカイライトU」レベルに統一して欲しいと書いたのだが、その後増車が続いて、そのレベルに近づいているようです。
 今号刊行後、標準尺の新エアロスター・ワンステップが導入されているそうです。


東海バス

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 中伊豆東海バスが新東海バスを吸収、自らが新東海バスと名乗りました。貸切車は乗合分社に分散して配置される形になっています。沼津登山東海バスが東海バスオレンジシャトルと改称しました。
 シリーズ16時点では稲取〔営〕と、修善寺〔営〕配下の土肥〔支〕があったが、R58時点では廃止になっていました。
 東海バスには元々3〜4桁の社号があるが、車体に書き込まれたりはせず、あまり一般的ではなかった。しかしR58刊行直後の2006(H18)年10月に伊豆ナンバーが制定されると、希望ナンバーにより社番を表記した伊豆ナンバー(伊豆230)に全面的に交換(ボンネットバスは除く)、伊豆ナンバー対象外の沼津〔営〕も、同時期以降の登録は同様に社番表記の沼津ナンバー(沼津230)で登録。ただしそれ以前から沼津〔営〕配置の車両は交換は行なわず、登録番号と社番が異なっています(LLSラッピング車もそう)。
 この流れを反映して、ハンドブックでの社番の扱いが変わってきました。シリーズ18では、解説テキストは登録番号を使用し、画像は登録番号を併記、R58ではデータのみ社番を表記して、解説テキスト・画像は登録番号のみ。しかし今号S94では、(沼津200ナンバー車も含めて)全面的に社番で表記・解説しています。

1. 乗合車合計237台は、R58時点の185台(186台が正当と思われる)と比較して一見大幅増。だがR58では21条路線車を貸切車に含めており、型式から見て70台程度が21条路線車と見られるので、実態としてはやや減少していると思われます。シリーズ16では273台なので、微減傾向が続いているようです。
 貸切車55台は、R58の「観光バス」が80台程度、さらにシリーズ16は94台だから、こちらも減少傾向にあります。この他、シリーズ16ではあって、R58では一旦消滅していた高速車が9台(シリーズ16は伊東〜名古屋線「伊豆スパー」用だった)、定観車が3台あります。R58時点での定期観光車は、貸切車を使用していたのでしょうか。シリーズ16では17台だったそうだから、かなり減りました。

2. 用途別の割合は、乗合78.22%、貸切17.82%、高速2.97%、定観0.99%。
 営業所別の割合では、乗合車は沼津〔営〕が26.58%で、東海バスグループの1/4以上を占めています。沼津・三島市と、グループでは最大の都市圏を控えているからでしょう。最少は修善寺〔営〕の10.97%で意外に少なく思えるが、修善寺にはグループ他社も乗り入れてくる事、伊豆箱根バス路線もあるからでしょうか。伊豆東海バスが、熱海・伊東両営業所合計で37.13%になります。
 貸切車は逆に修善寺〔営〕が37.04%と最も高くなっています。沼津〔営〕31.48%、下田〔営〕14.81%が比較的高率。
 高速車は沼津〔営〕と修善寺〔営〕に、定観車は熱海〔営〕と下田〔営〕に配置されています。

3. 平均車齢は、乗合車は11.97年(ボンネットバスを除くと11.80年)。R58では10.58年(乗合登録のみ)だったから、若干延びました。沼津〔営〕が13.46年と最高齢、伊東〔営〕が10.72年と最も若いが、営業所によって大きな差はありません。1999(H11)〜2004(H16)年式が124台あって、乗合車全体の半数以上を占めています。最古参は、ボンネットバスを除くと1995(H7)年式。
 貸切車は10.20年とやや高めかも知れない。20世紀の車両が4台残っています(1台は契約貸切車)。年式別では2006(H18)年が9台と最も多い。最古参は1998(H10)年式。松崎〔営〕が15.00年と最高齢(2台だけだが)、熱海が7.40年と最も若い(5台だけだが)。20台ある修善寺〔営〕が10.30年、17台の沼津〔営〕が11.24年。
 高速車は7.33年だが、2001(H13)・2002(H14)年式が4台、2013(H25)〜2016(H28)年式が5台とはっきり二極分化されています(前者は小田急箱根高速バスからの譲渡車)。定観車は16.33年。

4. メーカー別では、乗合車に限ると、こちらはいすゞが48.95%と半分に近く、日野が27.43%、三菱ふそうは23.63%と一番少ない。
 ノンステップ率は24.89%と、全体の1/4近くになりました。こちらは大型車も4台あります(ただし全て移籍のエルガ)。沼津〔営〕が38.10%と比較的高率。一方下田〔営〕には今の所配置がありません。
 貸切車は逆に、三菱ふそうが55.5%と最も高くなっています。
 低公害車は今の所なし。

5. 他者からの譲渡車両は88台。箱根登山バスが圧倒的に多く、乗合車は73台で乗合車全体の30.8%を占めます(他に定観車2台)。シリーズ16では1台もなかったが、R58では合計70台、箱根登山→東海バスのルートが完全にできあがったようです。それは平均の車齢の差からも伺えると思います。
 譲渡元は5者だが、4社が小田急グループで、グループ外からは横浜市営バスのエルガ・ノンステップの1台のみ。R58時点では一大勢力だった元都営バス(50台あった)は全滅しました。

 いすゞの中で「メルファ」と記された車両が2台あるが(東急ハーヴェストクラブの契約輸送)、いすゞ販売分は「ガーラミオ」が正しい(車体にも記されている)。
 またボンネットバスは登録番号を改番していないが、となれば「沼津」ではなく「静岡22き1403」が正当ではないでしょうか。
 なお、天城線でサイクルラックバスが運行を開始しているが、11月からなので、9月1日現在の今号では反映されていません(取り扱いは湯ヶ島〜踊り子温泉会館間のみ)。
 それとLLSの他、伊東では「あまんちゅ!」ラッピング車が運行されているそうだが、こちらは記載なし。1502号車らしい。伊東駅を中心にシャボテン公園や川奈港などを往復。こちらもダイヤが固定されていて、公式Webで公表されています。


◆ 箱根登山バスのあゆみ
 箱根登山バス、東海バス、共に首都圏から2時間以内で行ける有名観光地に地盤があると、戦後の観光ブームというのもあって、どうしても他の大資本(特に西武)との競争は避けられなくなるもののようです。早くに東海道本線の近代化が行なわれ、都心から訪問しやすくなっていた事も、背景としてあるかも知れない。

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 箱根登山バス(箱根登山鉄道)は、817の時点でまもなく100周年を迎えようとしていて、記念事業も様々行なわれているのも見ました。柳沢慎吾のアナウンスとか。
(箱根登山鉄道の前身の小田原電気鉄道が1913(T2)年に貸切バス事業を始めてから100周年)
 箱根登山の歴史となると、「箱根山戦争」に行き着く事になるようです。東京から1時間強で行ける観光地となると、大手資本が見逃すはずはない、という事でしょう。今は伊豆箱根バスとの協調関係もあるが、昔の「戦争」は、どのような「戦い」が繰り広げられたものでしょうかねえ。
 バスは、単純に鉄道会社から切り離されたのではなく、乗合は地域分社の沼津箱根登山自動車、貸切は湘南箱根登山自動車を母体としている。乗合は、他地域のバスを全面的に受け入れたとたん、沼津から撤退した事になります。
 気になったのは、「小田急箱根ホールディングス」の文言が全くなかった事。2004(H16)年に箱根登山電車・バス、ロープウェイ、ケーブルカー、遊覧船(海賊船)などを傘下に収めた持ち株会社として発足していて、小田急グループ全体の経営戦略(特に観光の面)から見ても、結構重要な経営形態再編成だと思うのだが。
 
◆ 東海自動車のあゆみ
 こちらは、この15日に100周年を迎えました。昨年から1年間かけて、記念事業も色々行なわれていたようです。
 熱海〜伊東間は大正時代開業の歴史ある路線だったのに、今は網代と宇佐美の間が廃止になって、路線が途切れてしまいました。
 最近は起こっていないが伊豆半島も大きな地震が多い所で、戦前から悩まされていたよう。伊豆急行も伊豆大島近海地震の時には長期運休の事態が起きていて、私も伊豆稲取折返し〔踊り子〕とか見た記憶があります。
 シリーズ16から口にされている「駐・留車制度」とは何であろうか。ローカル線などで営業が終わった際、営業所に回送で戻したりせず、終点などの空き地に車両を留め置くという事、なのかと思うが。だとしたら、関東近辺だと他に富士急山梨バスあたりがやっているのを見た事があります。

◆ 箱根登山バスの路線エリア
 基本的にはJR御殿場線より南の神奈川県内。秦野への路線がなくなり、熱海・沼津の路線が東海バスに移管された後となるR58と比較して、大きな変化はありません。小田原市東部、鴨宮駅の北側辺りで路線が増えています。また、箱根スカイライン(芦ノ湖の西側)に路線が出来ているのも注目されます。
 路線整理の結果、静岡県内のまとまったエリアはなくなっていました。それでも御殿場駅に加えて最近はプレミアム・アウトレットへの路線があり(時之栖への路線も2年前に出来ているが、ここには記されていない)、湯河原からの2路線が越境して熱海市に入っています。

◆ 東海バスの路線エリア
 箱根への路線が昔からあったが、JR東海道本線より南の伊豆半島がメイン。シリーズ16とR58の間でかなり路線が整理され、伊豆半島の東側は東海バスだけで乗り継いで行く事はできなくなっていました。伊豆箱根鉄道駿豆線沿線もローカル線はほとんどなくなり、函南駅への乗り入れもなくなっています。
 一方で登山バスからの引き継ぎの結果、熱海や三島・沼津では路線が増え、神奈川県の湯河原にも入っています。また、沼津から戸田への、真城(さなぎ)峠経由の路線が新設されています。この路線、1日1本だけだが(毎日運転)、ダイヤを検索すると、同時刻に2台走っているようなのです。どういう形態・需要なのでしょうか。伊豆半島の付け根付近で、事実上南北が分断されていて、これをS94でもほぼ受け継いでいます。
(実はここには記載がないが、韮山・原木〜奈古谷温泉口の循環路線があります。ただし学校登校日のみの運行で、実態はスクールバス)

◆ 終点の構図 田牛
 16は柿木大野、R58は池代、どちらも東海バスでした。
 では今回は登山バスかと思ったら、みたび東海バスの田牛(下田市)になりました。現状の箱根登山バスは、支線のひなびた終点が少なく、行ける場所がないのかも知れません。私が先日金時山に登った時、南足柄市の地蔵堂(関本からの路線あり)からスタートしたのだが、金太郎伝説が伝承されている土地で、ここ良いんじゃない?と思ったものでした。
(ハイシーズンの土休日は足柄万葉公園へのバスが運行されているので、純粋な終点ではないのだが)
 田牛は「とうじ」と読む、難読のバス停です。東海バス路線はご多分に漏れず、支線だと土休日運休の路線が少なくなく、平日でも学校が休みの日は走らない路線も少なくなくなりました。その意味では、土休日に便が新設された田牛は、奇跡的なケースでありましょう。

◆ 山越えの旧街道を訪ねる
 16では「伊豆を彩る ユニークバスたち」と題して、日本バス友の会の大沢厚彦氏による、当時東海バスで運行されていた「伊豆の踊り子号」「トロピカーナ号」「リンガーベル号」の乗り歩きでした。
 R58では「山の湯・海の湯はしご湯紀行」のタイトルで、クラッセブックス編集長富田康裕氏による、御殿場→箱根→三島→修善寺→堂ヶ島の乗り継ぎになりました。途中下車で温泉にいくつか立ち寄る旅になっています。
 今回の谷口礼子さんの紀行は、箱根湯本を起点として(本当は小田原からにしたかったそうだが)、箱根から伊豆に連なる旧街道を河津まで乗り継ぐ旅になっています。箱根自体は私も何度か行っているが、正直旧街道経由の便は、乗った事がありません。いつも国道1号経由なので。反省。
 箱根から伊豆への移動は、R58同様三島経由となり、修善寺までは松崎行特急バスでした。先に記した通り、東海バスは20年位前に路線の整理を行なって、伊豆半島の付け根の部分を境に南北を結ぶ路線がほとんどなくなったので、東海バスにこだわる限り、選択の余地がほとんどなくなっています。しかもR58では運行されていた三島駅16時発はなくなり(最終は14時15分発の快速)、今回は三島を宿泊地としています。
 今回は温泉は1回だけ、途中歩きという区間がいくつかあり、特に水生地下〜寒天橋間は1時間以上かかったよう。バスは土休日のみ運行の便もあり、特に八丁池の路線は冬場は全面運休の季節路線。前回の福島交通とは違って、さすがに観光地を走る路線だと思います。

 箱根登山バス、東海バス、どちらも小田急グループの中で、特に首都圏からの観光客を受け入れる重責を担う事業者として位置づけられていると思います。無論、日常の通勤通学などの輸送も大事だが。
 箱根登山バスは、箱根登山鉄道が小田急ロマンスカーの乗り入れがあるので、引き続きこのアドバンテージを活かして行く事になるでしょう。喫緊の課題はインバウンド受け入れで、既にグループ全体でも取り組みを強化している事は十分伺えるが、もう一段レベルアップが必要でしょう。解っている事とは思うが。
 また、伊豆箱根バスとの協力関係も、もう少し強化して欲しい。特にフリーパス類。同じ地域を走るバスなのに乗れるバスと乗れないバスがあるのは、外国人もそうだが日本人だって「どうして?」と思うかも知れない。無駄な競争で消耗する時代ではないのだから、他にもダイヤ面とかでも工夫が欲しい。可能な路線では、共同運行化も(既に湯河原温泉や真鶴で出来ているのだから)。
 東海バスは逆に、伊豆半島内のバスが伊豆箱根鉄道沿線以外はほぼ独占の一方、小田急資本の鉄道がないので、JRや他資本の鉄道事業者の施策次第になるのは仕方がないか。かつてはロマンスカー〔あさぎり〕の沼津延長で、バス接続で西伊豆へ、という試みもあったが、新宿〜沼津間が既に2時間程度掛かっていて、〔踊り子〕で東京からだともう伊東の先まで行ってしまう時間なので、遠回りのイメージが与えられてしまった事が、観光ルートとして定着しなかった理由かも知れない。今後は「伊豆クレイユ」や、「ロイヤルエクスプレス」との連携もあるが、一般路線バスに乗り継いで遠くへ、という需要は、列車の性格上あまり多くはなさそう。観光輸送は伊東も下田も修善寺も、やはり〔踊り子〕接続をメインに据える事になるのではないだろうか。〔踊り子〕自体どういう方向に行くのか、これはJR東日本など鉄道事業者次第になるのだが。
 それと高速バスは三島・修善寺路線共に好調のようだが、これ以上の路線の展開はやはり難しいか。対東京では、熱海・伊東はまず鉄道に勝てないし、河津・下田も修善寺まで延々一般道を走らなければならないので、観光では太刀打ちできまい。ただ鉄道は、伊豆半島発のビジネスユースはダイヤ上考慮されていないので、下田を朝早く出て、夜遅く帰ってくるダイヤで利用が見込めるのなら、考えられなくもない。
 あとはICカードの導入はまだないのか。入れるならPASMOだろう。TOICAの相互利用が始まった事、伊豆急行にSuicaが導入された事で、条件は整いつつあるように思うが、ローカル線が多いから、コスト的に難しい面はあるかも知れない。
 車両面では今後どの方向に向かうのか。主力の中型車が三菱ふそう・JBUSとも全面的にノンステップになり、大型もワンステップは三菱ふそうのみ。どちらも山がちの路線が多いからワンステップの方が良いのかも知れないが、いやが上にもノンステップ化は進むでしょう。東海バスはシリーズ16で取り上げられた「ユニークなバス」が姿を消しているが、今後このようなバスが現れるかは、やや微妙かも。
 ともあれ箱根登山バス、東海バス、どちらも他資本やJRとの強力な協力・協調関係を築いた上で、観光でも、通勤通学やローカル輸送でも、さらに発展していって欲しいと願います。

 最後に、ここまで読んできて、もう一社、小田急箱根高速バスを加えても良いのではないかと思いました。2001(H13)年に小田急電鉄のバス部門が分離して出来た会社で、ロマンスカーとは別の、小田急資本による首都圏から箱根へのチャンネルとして機能しているし、一時は小田急箱根ホールディングスの一員でもありました(現在は再び小田急電鉄100%子会社)。また東海バスの高速バス事業再参入時にも協力関係にあって、今でも三島エクスプレスで共同運行を行なっています。となれば、今号の両社とは密接な関係にあるわけで、同時に取り上げるのも、意味がある事ではなかったかと感じます。

 次回刊は、来月にも広島電鉄が刊行されるようです。BJでは完全に初登場になります。路面電車の会社のイメージが強いが、中国地方では最大級のバス事業者でもあるし、5年前には呉市営バスを引き継いでエリアを拡大しました。大いに期待します。グループ1社とはボン・バスだろう。
 さらにその次は神奈中バスと予告されています。新年早々分社が再編されるなど、R57から11年経って、様々様変わりしているようです。こちらも地元中の地元なので期待です。でも「グループ2社」とあるが、3社ではないのか?
(神奈川中央交通東・神奈川中央交通西+神奈中観光で)

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
25日 熊本市動植物園 10ヶ月ぶり一部再開
26日 圏央道 つくば中央IC〜境古河IC間開業

 熊本市動植物園は、当面は土休日のみ開園の模様。
 圏央道の開通は、特に北関東〜成田空港間の高速バスに何か影響を与えるでしょうか。

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