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zoom RSS 1869 私鉄名車列伝 144.南海電気鉄道50000系

<<   作成日時 : 2018/07/05 22:00   >>

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 1994(H6)年9月4日、大阪府南部の泉南沖に、関西国際空港が開港しました。海上に人工島を建設してその上に造られた、日本初の海上空港で、伊丹空港に発着していた国際線全便と、国内線の一部の便が就航、国内線⇔国際線相互の乗換が便利な空港としてPRされていました。
 対岸の泉佐野市とは連絡橋で結ばれ、鉄道も建設されました。鉄道アクセスはJR西日本と南海が担う事となり、両社とも新線を建設の上、空港アクセス用の特急車両を新造しました。今回の名車列伝は、南海が新造した空港アクセス特急「ラピート」50000系です。デビュー当時、そのスタイルは多くの人々の度肝を抜き、魅了しました。

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 南海電気鉄道50000系は、難波〜関西空港間を結ぶ空港アクセス特急車。愛称の「ラピート」(rapid)は、ドイツ語で「速い」の意味。1995(H7)年、南海初のブルーリボン賞を受賞した。

 設計に当たっては、@難波〜空港間を30分以内で結ぶ A南海のイメージリーダーとする B空港アクセスにふさわしい機能とデザイン があげられ、車体デザインに関しては、外部からプランナーとデザイナーが起用された。「レトロフューチャー」をコンセプトとして、力強さが印象的な前頭部を持つ車体は普通鋼製で、車体幅2,850o、先頭車の車体長21,570oは、いずれも南海では最大となり、裾絞りの形状をなしている。側窓は航空機を連想させる楕円形が並び、前頭部と共に強烈な印象を与えた。ドアはプラグ式を採用、開口部1,000oを確保している。「ラピートブルー」と称される、マイカ分を含有した深みのある青一色のカラーリングも印象的である。

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 6連のうち難波方2両(5・6号車)はスーパーシート、その他4両(1〜4号車)をレギュラーシートとした2クラス制を採用。
 スーパーシートは2−1配置の3列シート、シートピッチは1,200o、サービスコーナーが1ヶ所あり、運行開始当初はパーサーが乗務し、飲料の提供を行っていた。


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 レギュラーシートは2−2配置の4列シート、シートピッチは1,030o。足下を広く取り、荷物類を置ける様に配慮されている。
 天井部も楕円を模していて、屋根には電球色の蛍光灯、航空機タイプの、ふたがあるストウェッジスタイルの荷物棚には間接照明がある。出入口と客室の間には、3段式の荷物スペースが確保されている。客室は全車両禁煙となったが、当初はデッキ部を喫煙スペースとしていた(現在は完全に禁煙)。客室仕切り扉の上部には、LEDで日英2ヶ国語による案内表示装置が設けられた。
 なお、4号車の一角には、CAT荷物室が設けられている。運行開始当初は、難波駅にある航空会社のカウンターで搭乗手続きを済ませた乗客の荷物を搭載、空港到着後に荷物捌き所に移送するサービスを行っていた。しかし利用が少なかった上、同時多発テロ発生の影響もあってサービスは中止、荷物室も現在は使用を停止している。


 システム的には、南海の特急車両では初めてのVVVF制御を採用、3M3Tで、180㎾の三相かご型誘導電動機を、GTO素子のVVVF制御装置が1C4Mで制御する。空港連絡橋上で南海初の120q/h行っており、当初のラピートα(難波〜関西空港間完全ノンストップ)は難波〜空港間を29分で結んでいた。運行区間が限定されるため、抑速ブレーキは備えられていない。台車はボルスタレス式で、運行開始後にヨーダンパを設置した。

 6連×6本、合計36両全車両東急車輌によって製造、空港開港前に全編成が揃った。当初はラピートαと、主要駅停車のラピートβを交互に運転する形態だった。その後、朝方の空港行を除いてβに統一された時期があったが、2014(H26)年改正より、夜間の空港発がαに戻されている(現在は天下茶屋〜泉佐野間がノンストップ)。2015(H27)年より行先種別表示のフルカラーLED化、VVVF制御装置のIGBT素子への換装、車内案内表示を、4ヶ国語対応の液晶ディスプレイに交換などのリニューアルが行われている。

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 近年は人気アニメや航空会社とコラボしたラッピングが多く、近年では2015(H27)〜2016(H28)年にかけ、映画「スターウォーズ」のラッピングが、第5編成に施されていた。


【編成】
←難波方     関西空港方→
 Tc1 50501 - *M1 50001* - M2 50101 - T1 50601 - *M2 50201* - Tc2 50701
* パンタグラフ

「難波〜関西空港間29分運転」が目標の一つだった「ラピート」だが、現行のダイヤでは、αの最速が34分、日中のβは36分運転になっています。
 今の所、車内のアコモデーションに関しては大きく手をつけていないが、間もなくデビューから四半世紀を迎える事となり(小田急EXE(→EXEα)より古いし)、大幅なリニューアルもあるかも知れません。50000系そのものはそれでいいとして、関西空港は一時減少傾向だった利用が昨今は再び増加傾向にあり、それは結構だが、当初想定されていたのとは利用者層が若干異なってきているようでもあります。特にLCCが国内線や近距離国際線で多数就航し、それが利用増に繋がっているようです。なので、鉄道アクセスに関しても、(JRもだが)、ダイヤ体系を見直すべき時期が来ているかも知れません。今の所はまだないようだが、成田空港のような、都心と空港を低運賃で走る空港バスの開設も今後充分予想されるので、対抗の意味でも、もっと低コストで乗れる列車(南海で言えば空港急行になるが)の量・質両面での充実が図られるべきでしょう。本線もあるからダイヤ構成も難しくなりそうだが。近いうちに、関西空港の時刻の検証もやります。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1994年10月臨時増刊号 新車年鑑1994年版」「同1995年12月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」「同2008年8月臨時増刊号 【特集】南海電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ダイヤ情報2014年10月号」(交通新聞社)
「私鉄車両年鑑2017」「同2018」(イカロス出版)
「南海電車」(高橋 修/JTBキャンブックス)
「南海電気鉄道 完全データDVDBOOK」「南海電気鉄道 130周年DVDBOOK」(メディアックス) 等
を参考にさせて頂きました。

 楕円系の窓もラピートの特徴だが、「鉄道ピクトリアル1995年12月臨時増刊号」の、「50000系“ラピート”構想から完成まで」を読むと、初めに楕円窓ありきという訳ではなく、最初は連続窓を想定していたが、車体形状見直しでデザインのバランスが取れなくなり、楕円窓になった、という事です。
 次回は西鉄の通勤車7000形を予定しています。

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 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 ANAのB787が、エンジンの点検の追加が必要になったため、明日からの一週間で合計113便を欠航すると発表しました。欠航になるのは比較的便数が多い幹線が中心になるが、とはいえビジネスユースが多い伊丹路線とかだと、旅客に与える影響は深刻ではないか。そろそろ夏休み輸送が視野に入ってきているし、早いうちに事態が収束すると良いが。
 NCAは、今日から1機のみだが、運航を再開しました。
 東武東上線は送電トラブルで、6時間30分に渡って止まったとか。朝ラッシュの真っ只中で混乱も大きかったよう。東武も大小様々トラブルが多い気がするが、どうだろう?

《今日のニュースから》
 4日 大飯原発訴訟 名古屋高裁 1審判決取り消し
 5日 ギャンブル依存症対策法案 参議院内閣委員会で可決

 また大雨…。岩国の錦川で氾濫危険水位に達したと言うから錦川鉄道、大丈夫か?と心配したが、その後水位が下がり、夜になって徐行ながら運転を再開したというので、まずは一安心。九州北部豪雨からまだ1年経っていないのに、今年もまた「記録的豪雨」の文言が、連日ニュースを騒がせるようになりました。とにかく人的な被害が出ない事、鉄道を中心とした交通で長期間の不通を招く事態が起きない事、この2点だけはなんとかお願いしたい。

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