№327 私鉄の車両シリーズ75 三木鉄道ミキ180形

「私鉄の車両シリーズ」、今回は№98で取り上げた三木鉄道のレールバス・ミキ180形です。
 重複する部分が多くなりますが改めて記しますと、三木鉄道は1985年4月1日、第1次特定地方交通線に指定されていた国鉄三木線を引き継いで開業した、全長6.6㎞の小規模な第3セクター鉄道です。
 三木線は加古川線の支線であり、国鉄時代は加古川への直通運転も行われていました。
 転換に当たり、経費削減のため小型の2軸レールバスが導入されました。
 それがミキ180形です。

画像

 ミキ180形は、富士重工がローカル鉄道、特に第3セクター鉄道向けに開発した「LE-CarⅡ」の初期の車両です。
 LE-CarⅡは試作的な要素が強かった「LE-Car」の改良型として開発されました。
 ボディを初めとしてバスの部品を多用している事は変わっていませんが、バスに合わせてボディの形状が変わったほか、冷房を標準で搭載するなどの変更点が見られます。
 第1陣が樽見鉄道に納入された後、名鉄に続いて、同時に第3セクターとして発足した北条鉄道と同様、LE-CarⅡが導入される事になりました。

 ミキ180では、側窓は当時の一般路線バス同様の2段窓となり、前面も路線バスのスタイルを踏襲しています。
 外部のカラーデザインは公募で決定しました。
 形式名の「180」はエンジンの馬力からとられています。
 運転台は左側に寄せた半室構造となり、乗務員用の扉が設けられています。

画像

 車内は全てロングシートになり、窓部のカーテンはロール式になっています。
 ドア部付近には整理券発行機の他、厄神方にはJR線乗り継ぎ用の乗継券発行機が設置されています。
 2両が導入されましたが、開業から14年の間はこの2両だけで営業が続けられ、三木鉄道は営業車両保有数で(第1種鉄道事業者において)日本最小の鉄道会社であり続けました。

 転換当初から経営は苦しく、状況を打開するため1999年に三木駅の構内を改良してラッシュ時の運転間隔を短縮。
 同時に大型のミキ300-103号を導入して、この時点で102号は廃車となりました。
 エンジンやトルクコンバーターなどの交換を行っていた101号は1999年のミキ300-104号導入時点で予備車両となりました。
 さらに2002年にミキ300-105号が導入された事で、101号も同年12月を持って引退しました。
 他社への売却も行われませんでした。
 なお、三木鉄道はミキ300形3両で営業が続けられましたが業績が好転せず、2006年の選挙で当選した三木市長が三木鉄道廃止を公約に掲げていた事から、2008年3月を持って廃線となりました。
 ミキ300形は3両とも他社に譲渡されています。

 今回の記事は
「ローカル私鉄車輌20年 西日本編」「私鉄気動車30年」(いずれも寺田裕一/JTBキャンブックス)
「日本レールバス大全」(斉藤幹雄・岡本憲之/芸文社) 等
を参考にさせて頂きました。

 
バックナンバー<第3クール>
50.神戸新交通1000形(№237 2010年6月2日)
51.京成電鉄3500形(№240 2010年6月5日)
52.東武鉄道1800系(№243 2010年6月8日)
53.西武鉄道401系(№244 2010年6月9日)
54.京王電鉄9000系(№246 2010年6月11日)
55.小田急電鉄3100系(№248 2010年6月13日)
56.東京急行電鉄3000系(№254 2010年6月19日)
57.京浜急行電鉄2000形(№255 2010年6月20日)
58.相模鉄道10000系(№257 2010年6月22日)
59.東京地下鉄6000系(№258 2010年6月23日)
60.新京成電鉄800形(№261 2010年6月26日)
61.富山地方鉄道デ7000形(№262 2010年6月27日)
62.小湊鐵道キハ200形(№267 2010年7月3日)
63.埼玉新交通1000系(№269 2010年7月5日)
64.名古屋鉄道モ700・750形(№271 2010年7月7日)
65.近畿日本鉄道3220系(№287 2010年8月1日)
66.京阪電気鉄道8000系(№289 2010年8月3日)
67.阪急電鉄8000系(№297 2010年8月11日)
68.阪神電気鉄道2000系(№299 2010年8月13日)
69.南海電気鉄道30000系(№300 2010年8月14日)
70.西日本鉄道6000系(№306 2010年8月24日)
71.名古屋市交通局3000系(№312 2010年8月30日)
72.大阪港トランスポートシステムOTS系(№318 2010年9月6日)
73.長崎電気軌道2000形(№320 2010年9月8日)
74.紀州鉄道キハ600形(№322 2010年9月10日)
 次回からは再び関東地方に戻り、8回連続で大手私鉄の車両を取り上げます。
 次回は京成3400形です。
 初代「スカイライナー」AE形の走行機器を再用した通勤車です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
政府・日銀 6年半振りに為替市場介入