№318 私鉄の車両シリーズ72 大阪港トランスポートシステムOTS系

「私鉄の車両シリーズ」、今回は1998年12月18日に大阪市南港の埋立地「咲州(さきしま)」地域へのアクセスとして開業した、大阪港トランスポートシステム(OTS)のOTS系です。

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 OTSの「テクノポート」線は、当初は大阪港~咲州(コスモスクエア)~中埠頭の全線を新交通システムで建設し、ニュートラムと相互直通運転する予定でした。
 しかし需要の見直しにより大阪港~コスモススクエアについては普通鉄道とし、市営地下鉄中央線と相互直通する形態に変更されました。
 この際に普通鉄道区間用として製作されたのがOTS系です。
 1998年に6連2本が日立製作所で製作され、同区間に導入されました。

 中央線と相互直通運転を行い、運転や日々の検車・補修も大阪市交通局に全面的に委託する事としたため、中央線で使用されていた新20系(24系)と同等の仕様としています。
 大阪市営新20系は1984年から製作されていた在来タイプの20系のマイナーチェンジタイプで、VVVF制御を踏襲しながら軽量ステンレス車体とし、正面は左右非対称で、尾灯を左右の淵に埋め込まれるという斬新ないでたちとなりました。
 第3軌条式の各線区に配置されましたが、それぞれの線区の事情に合った仕様を保有しています。
 24系は相互直通先の近鉄東大阪線(けいはんな線)に急勾配区間を抱えるため、抑速制動を備えています。

 OTS系は24系と共通設計ですが、独自の仕様として先頭部のフロント部分は濃淡2色のブルーとなり、フロントから側面にかけても同色の帯が巻かれています。

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 車内の仕様も座席の色をブルーとしています。
 各車両に車椅子スペース、中間車には優先席も設けられました。
 市営地下鉄の森之宮検車場に配置され、交通局24系と完全に共通で運用されてきました。

 2008年のオリンピックの招致に失敗した事もあってか「咲州」地区の開発は進まず、OTSは経営不振に陥りました。
 2005年7月になって営業を大阪市交通局に譲渡、同社は線路を保有して大阪市に貸し出す第3種事業者となり、大阪港~コスモスクエアは地下鉄中央線の一部となりました。
(新交通システムの中ふ頭~コスモスクエアは同様の形態でニュートラムの一部)
 これに合わせて車両は全て大阪市に譲渡され、OTS系は番号を変えないまま24系に編入されました。
 さらにその直後には近鉄東大阪線学研都市地域延伸に際し、谷町線の在来20系(30番台)が中央線に転用され工事が行われ、入れ替わりに24系6本が谷町線に移動しました。
 この中にOTS系2本が含まれており、この時点で改番が行われて22系50番台の一員となりました。
 現在では市営地下鉄谷町線で22662F・22663Fとして運用されています。

【編成】
←コスモスクエア     大阪港
 Tec1 650 - MB1' 150 - T' 850 - Mb2 350 - Ma2 250 - Tec2 250

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1998年10月臨時増刊号 新車年鑑」(鉄道図書刊行会) 
「鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号 【特集】大阪市交通局」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回は長崎電気軌道の2000形です。
 当時の日本の路面電車では画期的な電車で、「軽快電車」の名がついていたものです。

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