№320 私鉄の車両シリーズ73 長崎電気軌道2000形

 関東地方は猛暑が一段落したと思ったら、記録的な大雨になってしまいました。
 台風9号は福井県に上陸した後、午後に熱帯低気圧になったようですが、新幹線や東名高速にも影響が出たようです。
 日比谷線の駅では雨水が大量に漏れた所もあったそうです。
 特にローカル鉄道が打撃を受けていなければ良いが。
 何しろ今現在も、大雨の影響で不通になったままの路線が少なくないのだし…。

 さて「私鉄の車両シリーズ」、今日は長崎電気軌道2000形です。
 2000形は、1980年にデビューした「軽快電車」。
 1981年の鉄道友の会ローレル賞を受賞。

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 1970年代の日本の路面電車は縮小が相次ぎ、残存の路線でも廃止になった他の地方の路線の中古車両の購入によって新陳代謝を図っていたため、車両の老朽化と技術の停滞を招いていました。
 この状況を打ち破るため、日本鉄道技術協会が「軽快電車開発委員会」を立ち上げ、各メーカーや長崎電軌も含む事業者も関わり、省エネルギー・低騒音・低振動・運転操作の簡便化を図った新世紀志向の車両の開発が行われることになります。
 2年をかけて1980年、3連接車の広島電鉄3500形と、この2000形が開発されました。

 システム的には電機子チョッパ制御・回生ブレーキが導入され、駆動方式は直角カルダンになっています。
 モーターは120kwの大出力直流モーターを1機装備。
 台車は防音車輪を取り入れた空気バネ式で、むき出しの車輪が目立ちます。
 車体も正面に大型1枚窓を配置、側窓も大型化され、中扉は4枚折戸と名称同様の軽快なスタイルになりました。
 カラーもクリーム+赤の新塗装となり、以降の標準色となっています。
(但し広告色になる事が多い)

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 車内では前向きの1人掛けクロスシートとロングシートを千鳥状に配置しています。
 もちろん当初より冷房を搭載。
 当初は直流の直接駆動式でした。

 2両が川崎重工で製作され、8月9日(原爆記念日)より営業運転を開始し、好評を博しました。
 ただし試作的な部分が多かったためか制作費が高価だった事もあり、残念ながら後が続かず、旧型車両の車体を同タイプに乗せ替えた1200形・1300形の製作によって近代化を図る事になります。
(長崎電軌における次の完全新製車両は2003年デビューの超低床車3000形)
 2001号車は2008年に改造を行っています。
 座席は全てロングシートとなり、冷房もインバータ制御のタイプに交換されました。
 2002号車は改造が行われないまま、2010年3月一杯を持って運用を離脱しています。
 技術的に多少早すぎた部分もあったのでしょうが、それでも日本の路面電車・LRTの近代化の礎として、記憶されるべき形式だろうと思います。

 今回の記事は
「鉄道工学ハンドブック」(久保田博・グランプリ出版)
「鉄道ピクトリアル2000年7月臨時増刊号 【特集】路面電車~LRT」(鉄道図書刊行会)
「日本の路面電車Ⅰ 現役路線編」(原口隆行・JTBキャンブックス)
「ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編」(寺田裕一・JTBキャンブックス) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回は昨年まで運行されていた、紀州鉄道のキハ600形(603・604号)です。

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