№415 私鉄の車両シリーズ86 札幌市交通局8500・8510・8520形

 東京モノレールが、変電所の火災の影響で2時間に渡って全線で不通となり、ダイヤの混乱は今日一杯続くという事です。
 国際線ターミナル開業もあり、羽田空港へのアクセス機能が強化されつつある東京モノレールともなると、影響もさらに甚大になってしまいます。
 もちろん空港アクセスに限った事ではないですが、特に空港へ向かう路線となると、より安定した運行が望まれる所です。
 その先が大変な事になる訳ですから。
 
 さて、「私鉄の車両シリーズ」、今日は札幌市営の路面電車です。

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 まず札幌の市電は1909年に開業した馬車鉄道を祖とし、1918年に電車の運転を開始、1927年の市営化の後、郊外に路線網を広げていきました。
 ヨーロピアンスタイルの連接車やディーゼル車などユニークな車両も見られましたが、マイカーの普及による乗客の減少や、地下鉄の開業により1974年には現在の路線のみになりました。
 残存区間では軌道・停留所や車両面などの体質改善が図られてきました。
 その一環として、完全な新型車両としてデビューしたのが8500形です。
 1985年に製作され、1987年に改良型の8510形、1988年に8520形が増備されました。

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 8500形は連接車A830形(後に名鉄に移籍)以来20年ぶりの完全新造車で、初のカルダン駆動車でもあります。
 VVVF制御を採用していますが、路面電車では熊本市8200形に次いで2例目。
 車体もそれまでの札幌市電の特徴だった曲線的なヨーロピアンスタイルから一転、直線的な「軽快電車」スタイルとなりました。
 当初は明るいクリーム+腰部に濃淡グリーンの新塗装を採用しています。
 正面には大型窓を配置、前扉は折戸・中扉を片引戸としています。
 台車はシェブロンゴムを用いた弾性車輪を用いており、車内ではステップが3段式になっています。

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 8510形は、運転台からの見通しを改善するため、前扉部から絞りを入れ、正面と合わせた2段絞りとなっています。
 また台車も一般的な車輪を用いています。

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 8520形はドア部のステップや手すりに改良が加えられていますが、基本的には8510形と変わりません。

 なお、3形式とも屋根上にあるのは制御装置の一部であって、冷房装置ではありません。
 札幌市電は今日に至るまで全て非冷房車両です。

 1991年には正面の行先表示装置の通風器が大型化されました。
 1994年以降は交通局の新CI計画に基づいた新色に順次変更されていきましたが、最近は全面広告車として運行される事が多くなっています。
 以降の車両の更新は在来車の車体更新車である3300形に引き継がれ、札幌市電の高性能車は未だ8500形グループの3形式6両に留まっています。
 札幌市電の車両の大半は車齢が50年前後に達しており、路線延伸構想に左右される部分もありますが、そろそろ画期的な超低床車両のデビューも期待したい所です。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2000年7月臨時増刊号 【特集】路面電車~LRT」(鉄道図書刊行会)
「日本の路面電車Ⅰ 現役路線編」(原口隆行・JTBキャンブックス)
「ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編」(寺田裕一・JTBキャンブックス)
「日本 路面電車ガイド 2010-2011」(イカロス出版) 等
を参考にさせて頂きました。

 さて次回は惜しくも15年前に休止→そのまま廃車となりながら保存が行われ、昨年末の東北新幹線新青森開業で俄然脚光を浴びる、南部縦貫鉄道のレールバス、キハ10形です。
 駅等の写真もご覧頂こうと考えています。

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