№696 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 3.西武飯能駅(前)

 私鉄のダイヤを、特定の駅の時刻表から振り返ってみるシリーズの3回目です。
 前回の「私鉄の車両シリーズ」では西武鉄道の101系(1~8次車)について書きました。
 101系は西武秩父線開通をにらんで製作された西武初の本格的な高性能車輛で、開通後は通勤輸送の他、休日には秩父直通の行楽用の快速急行や急行でも運用されました。
 そこで今回は、西武にとって都心から秩父への中継地点となる、飯能を選んでみました。

画像

 飯能市は埼玉県の南西部に位置し、その西側は武蔵の山々が控え、通勤通学の他にも、休日にはハイキング客でも賑わいます。
 西武池袋線は飯能駅でスイッチバックし、西武秩父に向けて本格的な山越えにかかります。
 飯能市は他にJR八高線が南北を貫いていますが、西武は次の東飯能駅で八高線と接続しています。
 今回も過去のダイヤ改正の中から、ある程度重要かと思われる所をピックアップし、2回に分けて振り返ります。
 西武池袋線の場合も、都心側の複々線化工事、そして営団地下鉄→東京メトロとの相互直通運転の開始が、ダイヤの編成に大きな影響を与えてきました。
 時刻表は平日のみ掲載し、土曜・休日ダイヤについてはそのつど触れていきます。
(西武鉄道では、過去には「普通」と「各駅停車」を併用?していた時期があったが、ここでは「各駅停車」で統一します)

画像

 まず、手持ちの西武の時刻表で一番古いのは、1987(S62)年3月9日改正ダイヤを掲載した第6号です。
(この時刻表については次々回で書く予定です)
 今の目で見ると、特に池袋側の本数が非常に少ない。
 20分間隔の急行が主力になっていました。
 休日(当時は土曜日は平日ダイヤ)は朝方の下りと夕方の上りに直通の快速急行を設定、こちらは今よりも本数が多くなっていました。
(トップシーズンには、下り9本、上り6本を運行)
 また特急「レッドアロー」には西武新宿~西武秩父の直通<おくちちぶ>の設定もありました。
 なお特急快速急行とも、当時は入間市は通過。
快速急行は小手指も通過していた)
 レッドアローに関しては、夕方に30分間隔の運転があったものの、どちらかといえばまだ秩父方面への観光輸送が第一の役目になっている感があります。
 当時は快速急行でも以外でも池袋~西武秩父直通の設定が多くあり、各駅停車でも下り3本(休日2本)、上りが1本ありました。

画像

 1989(H元)年12月11日改正の時刻(第8号)です。
(第7号はありません。申し訳ありません)
 この年の4月、西武秩父駅構内の秩父鉄道への連絡線が開通し、主に4000系を使用した直通電車の運行が始まっていました。
 12月改正の時点では、直通列車は平日・土休日とも1往復のみで、長瀞側は野上までの運行。
(他に春~秋シーズンのみ、三峰口のみ、野上のみへ直通の列車も1本ずつあった)
 またここでは記しませんでしたが、平日にも不定期で、秩父鉄道直通の快速急行の設定がありました。
 1987年との比較では、
● 朝ラッシュ時に所沢始発で設定されていた通勤急行が、各駅停車と入れ替えの形で飯能始発に延伸。
● 日中は準急が毎時1本飯能発着に延伸。
 小手指~飯能は15分間隔運転。
● 池袋行最終の後に、所沢行の最終電車を設定。
 なお快速急行以外の定期の通勤電車は、飯能で完全に系統が分断されました。

 1991(H3)年3月11日改正(第9号)では、土曜日と休日のダイヤが統一されました。
 土休日ダイヤでは秩父鉄道直通が増発され、夕方にも飯能始発の各駅停車で1本設定されています。
 また小手指~飯能では準急の延長により、日中は1時間6本の運転に増発されています。
 平日では、23時00分発の特急<むさし>が設定されました。
 また、12月9日には再度ダイヤ改正があり(時刻表第10号)、池袋・西武新宿発下り最終電車の繰り下げが行われています。
 池袋発飯能行の最終準急は23時52分→0時07分。
 
画像

 1993(H5)年12月6日改正(第11号)です。
 新宿線に特急<小江戸>が設定され、新レッドアロー10000系がデビューしました。
 池袋線では、入間市駅の改良工事が完成し、2面4線化されています。
● 平日の日中に池袋~飯能快速急行が新設されました。
 60分間隔の運転で、上下とも入間市で準急と接続。
(もちろん急行や準急と共通運用のロングシート車)
 準急も増発され、小手指~飯能の各駅は1時間5本以上の停車になりました。
● 特急快速急行が入間市に、快速急行が小手指に、さらに準急が全列車練馬に停車。
 準急はこれまでは、平日朝ラッシュ時の所沢始発の上りのみ、練馬に停車していました。
 なお休日に運転されていた新宿線直通の<おくちちぶ>は取り止めとなり、2往復設定された入間市通過の特急が新たに<おくちちぶ>を名乗る事になります。
● 平日ラッシュ時に片道1本だけ運転されていた、小手指始発の通勤快速を飯能始発に延伸。
● 秩父鉄道直通では、土休日は快速急行が1本増発された一方で夕方の各駅停車は取り止め、平日は急行の直通を設定。
 また、長瀞側の直通が寄居まで延長されています。
● 初発の各駅停車を準急に格上げ。
 また平日のみ、所沢行の最終を準急として池袋まで延長。
 
 1994(H6)年12月7日改正(第12号)には西武有楽町線がようやく練馬まで延伸し、池袋線とつながりました。
 ただ単線での開業で直通運転は行われず、練馬での折返し運転です。
 また富士見台~石神井公園に練馬高野台駅が開業。
 複々線化を先取りし、石神井公園の代替で追い抜きを行っています。
 飯能駅は大きなパターンの変化はありませんでしたが、池袋側はこの関連で若干時刻が移動しています。
 また土休日の午前中に池袋行の快速急行が新設になりました。
 平日の夕方に秩父鉄道直通の各駅停車が1本増発されました。

 1996(H8)年3月28日改正(第13号)では、8時台に通勤急行2本が増発されています。
(1本は小手指始発の延長)
 1997(H9)年3月12日改正(第14号)では、<ちちぶ>が増発されています。

画像

 1998(H10)年3月26日改正(第15号)が、20世紀では最後の大型改正となりました。
 池袋線と有楽町線の相互直通運転が始まり、飯能まで直通列車が行われる事になりました。
 ただし複々線化がまだだからか直通列車のほとんどが各駅停車で、日中のみ飯能発着の準急が運転されます。
 この他には、
● 平日は日中の急行の一部を準急に変更。
● 朝ラッシュ時、通勤快速に変わり快速急行を新設、小手指始発の通勤準急の一部を飯能始発に延伸。
● 特急の芦ヶ久保停車を横瀬に変更。
● 池袋行初発を準急急行に格上げ。

 2000(H12)年3月29日改正(第16号)では、平日6時台に特急<むさし>と通勤準急を増発。
 一方土休日の快速急行が一部減便され、秩父方面は各駅停車に立替。

 この後21世紀に入ってようやく一部の複々線化が完成し、以降副都心線開業などが池袋線のダイヤに大きく影響を与えていきますが、次回書きたいと思います。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 この地域では8年前にも大地震が大津波を引き起こしていました。
 東日本大震災の1万数千人の犠牲も酷いのですが、この時は22万人の犠牲者を出したというから桁が全然違いました。
 こんな事が起こらない事を祈るのみです。
 なお日本への津波の心配はないとの事。
《今日のニュースから》
インドネシア スマトラ島沖でM8.7の大地震 1m強の津波を観測