№865 年鑑バスラマ 2012→2013(ぽると出版)

 毎年恒例の「年鑑バスラマ」ですが、「2012→2013」版は例年より少々遅く、昨年12月の20日に発売になりました。
 京成「シャトル7」のエルガ・ハイブリッドが表紙を飾っているが、速報のようで、この年鑑では他に取り上げている所はありませんでした。
(直後刊行の135号で再度取り上げられている)

◆2012年 国内バスハイライト
 呉駅前はわずか半年で広電カラー一色…。
 ウィラーの「スターファイター」と、銀河鉄道のRCが対照的。
 同じ日野の貸切車ながら、両者で30年違う。
 客層も180°異なっているみたい。

今年の「巻頭言」は、この数年力説されていた「ノンステップバスの改善」はなく、
1.東日本大震災からの復興と、関連してバスの特性が発揮できる環境の構築を。
2.関越ツアーバス事故の教訓と、「貸切バス安全性評価認定制度」の問題点。
3.ドライバーの環境の改善を。
4.バスファンを増やす努力が求められる。
の4点について提言されています。

「バスの特性が発揮できる環境」については、富山市を好例として、「コンパクトシティ」が必要だという声自体は少しずつ高まりつつあるのは事実。
 問題は、主役となるべき公共交通機関を「LRT(Light Rail Transit)」にするか、「BRT(Bus Rapid Traisit)」にするかで、双方が知らない部分での意見の隔たりが大きいように感じられる事。
「バスラマ」はバスの趣味誌だから当然後者寄り(同じ視点で、三陸鉄道の復旧に多額の費用をかける事を疑問視しているようだ)になるが、同じ公共交通の土俵で意見の対立があるのは良い方向ではない。
 一度どこかで、BRT論者とLRT論者が直接意見を交換する場が必要になってきていると感じました。
 ドライバーの問題は、本来ならまず、現場の労働者の代表である労働組合が声を上げて、世論に訴えるべきだろう。
 だが不幸な事に、バスに限らず交通業界においては、40年近く前の国鉄の主要労組による「スト権スト」をきっかけに、労働運動の社会的な影響力が著しく低下、最近でもコトデンバスや那覇バス、中国バスのように、労働側にも相応の責任ありとされた経営破綻もあり、現状の労働運動による労働条件の改善は、正直あまり期待できない部分が多い。
 遠回りでも世論の信頼を獲得できるような、運動の再構築が求められていると思います。
(そのためには、あまり政治的な活動に傾倒すべきではない)

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 例年同様に国内で発売されているバスのカタログが並び、新たにエルガハイブリッドや新エアロミディがラインナップされています。
 一部車種では、ベースとなった旧モデルの写真もありました。
 エコカー減税がらみで規制記号が細かく変わるけれど、大半は見た目がほとんど変わらず識別は困難。
 今はまだ良くても、数~十数年後に地方の事業者への移籍・売却が始まると、趣味的には大変になりそうだ。

◆海外編
 今シーズンはノンステップバス6種(VDLシティアは想像図)に続いて、観光系も6種ラインナップされました。
 ベンツ・シターロやバンホールA330の前部タイヤハウス上のシートはやや幅広の1人掛けになっているが(設計図上)、どういう思想でそうしたのだろうか。
 繰り返しになるが、タイヤハウス上のシートレイアウトは、日本においては考慮が必要な部分だと思います。
(日本では向かい合わせ・後ろ向きシートは好まれないので)

◆2012年 動き出した「新高速乗合バス」制度

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 7月スタート予定の「新高速乗合バス」制度について、経緯からツアーバス・乗合バス双方の問題点、制度の概要が解りやすく記されていました。
 停留所の配分が大変そうだが、航空業界における空港の発着枠配分を連想させます。
 横浜駅西口限定で言うと、現在のツアーバスは天理ビル前発着がほとんどだが、「新高速乗合バス」に移行した場合、第2バスターミナルが有力な候補地になるのではないだろうか。
 6年前の市営バス再編以降、一般路線バスの発着が少なくなりつつあるので、「新高速乗合バス」を入れても、あまり影響は出ないでしょう。
 クロスタワー前が中心の渋谷駅付近は、東横線の駅の地下移転による東口再開発の加速で、乗場を確保できるかも知れない。
 新宿駅付近は、新南口の新バスターミナルに統一できるのか。
 約10年に渡る問題に一定の解決のメドが立ちそうだが、時には挑発的な態度も取った「ツアーバス」、戦々恐々の一方で一部は露骨に反発を見せた「路線バス」、この新制度で両者の融和はなるのでしょうか。

◆歴史編
 バス事業を廃止した井笠鉄道は、基本的には過去から現在までの車両の写真が中心。
 レインボーⅡの新車導入もあった一方で、他事業者からの中古導入は、これを見る限りはなかったよう。
(なお、年末の中国バスの夜行高速バス「エトワールセト」続行便に、井笠鉄道の貸切車が運用されていたそうです)
 東京の街の激変は、先進資本主義の首都であれば当然の流れだろうとは思います。
 大江戸線開通前の〔都03〕系統が杉並〔営〕担当だったのは、荻窪~晴海埠頭直通運転の名残りだったのでしょう。

 最後に、UDトラックスがバス事業の撤退を9月に発表していたそうだが、公式HPに記されていなかったのは遺憾。 

 来シーズン(2013→2014)は「新高速乗合バス制度」のスタートの一方、井笠鉄道に見られるように、ローカル路線バスの危機が深度化しそうで心配です。
 新高速乗合バスも、ローカル路線バスも、何とか良い方向に向かう事が望まれます。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 今日は箱根駅伝の往路が行われました。
 仕事のため2区の途中までだけ見ましたが、日体大が逆転優勝でしたか。
 京急蒲田の踏切がなくなって最初の駅伝でしたが、TV中継の中で、大東文化大学の選手の、踏切に関わる思い出話がありました。
 2位で鶴見を出て、先頭を追い上げられそうになったのに電車に足止めされ、ペースを乱されて悔しかった、という内容だったと思います。
 電車は、引退して久しい北総鉄道の7000形でした。
 箱根駅伝が通過する踏切は過去には戸塚もあったが、横浜新道開通によるルート変更でかなり昔に通らなくなっていて(踏切そのものは現存)、これで残るのは箱根登山鉄道の小涌谷踏切のみ。
 ここはよほどの事情の変化がない限り、半永久的に残る事になるのでしょう。 
 
《今日のニュースから》
ツイッター 新年の「つぶやき」新記録達成と発表

 日本が新年を迎えた瞬間、1秒で33,000件を越えたとか。
 ニューヨークでさえ13,000件強だったそうで、よほど日本人はこの手のITサービスが好きなのか。