№1185 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 10.京阪本線 枚方市駅(後)

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 2003(H15)年9月6日の改正は、京阪本線のダイヤ大転機となるものでした。
 長年続いた日中15分サイクル→10分サイクルになったのです。
 平成に入って以降、JR西日本の競争力向上とか、阪神・淡路大震災の発生などがあり、関西の大手はどこも輸送需要に大きな変動が生じて(ほとんどは減少)、ダイヤのパターンそのものを大きく変えるケースが増えていました。
 京阪でもこの「10分サイクル」が以降のダイヤの基本となるが、この後は中之島線開業もあり、改正のたびに大掛かりな運行形態の変更が繰り返される事になります。

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2003(H15)年9月6日改正
 この改正より、土曜日のダイヤは休日と統合。

特急 出町柳~淀屋橋 10分間隔
準急 出町柳~淀屋橋 枚方市~淀屋橋 各10分間隔
普通 萱島~淀屋橋 中書島~宇治 枚方市~私市 各10分間隔

 日中は特急準急普通の3本立てになり、急行の設定がなくなりました。
 日中の特急が全列車枚方市・樟葉に停車し、急行を代替しているといえます。
 準急は京都側が各駅停車となり、京都~大阪通しの列車が設定されて普通を代替しています。 
 特急は三条・丹波橋・枚方市で準急に接続。
 出町柳~淀屋橋は下り54分、上り53分で走りました。
 本数が増えたので8000系3000系ではまかないきれず、2~3本に1本が3ドア車でした。9000系が中心だったと思われます。

 平日朝夕のラッシュ時の特急は「K特急」と称し、停車駅を変えずに運行されました。ただ、朝方の上りは枚方市に停車するので、特急との決定的な違いは樟葉に停車するかしないかだけになったといえます。
 さらに交野・宇治両支線とも日中10分間隔に増発された他、平日のみ、初めて交野線から大阪へ直通する列車が設定されました。
 朝方の上りがK特急<おりひめ>として3本(淀屋橋行)、夕方の下りが準急<ひこぼし>として7本(天満橋始発)運行されています。

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2006(H18)年4月16日改正

特急 出町柳~淀屋橋 10分間隔
急行 枚方市~淀屋橋 10分間隔
区間急行 萱島~淀屋橋 10分間隔
普通 出町柳~淀屋橋 中書島~宇治 枚方市~私市 各10分間隔

 準急が、急行区間急行に分けられる形になりました。区間急行が萱島発着、変わって普通が京都~大阪通しの運行になっています。
 日中に区間急行が設定されたのは、ひょっとしたら初めて?萱島~守口市の準急通過駅、特にモノレールが接続する門真市に配慮したのではないでしょうか。
 土休日の淀屋橋発11時00分まで・16時30分以降は以前の「特急急行準急普通」の15分サイクルに戻りました(特急の停車駅は変更なし)。行楽対策と思われます。

 2007(H19)年1月27には小改正があり、下り列車の行き先の一部変更(淀屋橋⇔天満橋の入れ替え)の他、一部急行の準急への変更がありました。
 この年の9月22日、交野線でワンマン運転が始まりました。

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 2008(H20)年10月19日、中之島線開業。
 中之島を東西に貫く地下新線で、天満橋止まりの複々線を延伸(実際は天満橋止まりは淀屋橋方面に変更し、淀屋橋方面への路線を接続)する形となり、淀屋橋まで複々線を延長するような形になっています。
 当然かなりの力が入り、新CIを導入して本線系統の車両のカラーの変更に着手した上、中之島線の主役として、3ドア転換クロスシートの新3000系も導入されました。

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2008(H20)年10月19日改正
 優等列車については、種別によって淀屋橋発着・中之島発着を振り分けて判りやすくする設定になりました。

特急 出町柳~淀屋橋 10~20分間隔
    枚方市~淀屋橋 30分間隔
快速急行 出町柳~中之島 30分間隔
準急 出町柳~淀屋橋 10~20分間隔
区間急行 樟葉~中之島 30分間隔
       萱島~中之島 10~20分間隔
普通 出町柳~淀屋橋 30分間隔
    萱島~淀屋橋 10~20分間隔
    中書島~宇治 枚方市~私市 10分間隔

 日中は引き続き特急10分間隔運転をベースとしているが、新設定の快速急行を入れた事で、実質30分サイクルの形になりました。
 特急は枚方市折返しの系統(3ドア車)を設定、上りは枚方市で先行する快速急行に接続(下りはその逆)する形態です。出町柳~樟葉特急快速急行と、準急普通で10分サイクルになります。
 中之島線の主役は区間急行になりました。3本に1本は樟葉まで運行されています。中之島線ベースでは約10分間隔になり、区間急行が終日に渡ってこれほどの本数が設定された事は、たぶんなかったと思います。
 特急は出町柳~淀屋橋で下り54分、上り55分。

 朝ラッシュ時は大半の列車が守口市停車となり、ピーク時の下りのみ、守口市を通過する通勤快急通勤準急が設定されています。
 K特急は朝方は樟葉にも停車するようになって特急に変更、夕ラッシュ時の上りのみ快速特急となるが、特急(三条・樟葉行)と交互に出発する形になりました。
 夕ラッシュ時には樟葉行快速急行も設定されています。一方、急行は早朝・深夜のみでほとんど運行がなくなりました。大半が枚方公園・守口市停車になったが、淀屋橋発最終樟葉行は通過のままで、深夜急行の種別名が与えられています。
<おりひめ>は通勤快急として中之島行2本、<ひこぼし>は深夜帯に変更し、快速急行として中之島発3本の設定に変更されました。

 1年も経たない次の2009(H21)年9月12日改正では早くも若干の見直しがあり、夕ラッシュ時の樟葉行快速急行は淀屋橋始発の急行になり(停車駅は変わらない)、夜間の樟葉行特急を三条まで、三条までの快速急行を樟葉行に変更する修正がありました。

 期待された中之島線だったが、沿線の開発の遅れもあってか需要は思いの外伸び悩み、改正から3年でやや大掛かりな見直しを迫られる事になります。

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2011(H23)年5月28日改正

特急 出町柳~淀屋橋 10分間隔
急行 樟葉~淀屋橋 10~20分間隔
準急 出町柳~中之島 30分間隔
普通 出町柳~淀屋橋 出町柳~中之島 萱島~中之島 各30分間隔
    中書島~宇治 枚方市~私市 10分間隔

 日中の快速急行区間急行が取り止めになり、中之島線は準急普通で10分間隔となって、京橋で特急と接続を取り合う形態になりました。
 快速特急特急に統一。
 快速急行は朝夕のみの設定となった上、全線通しの列車が少なくなり、しかも夜間の下りは淀屋橋行に変更になるなど、中之島線開業当初想定していたものとは、性格がやや変わってしまった感があります。
 一方で区間運転ながら、久しぶりに急行が日中にも設定されました。土休日には京都競馬対策で、一部列車が淀まで運行されています。
(この改正で、淀駅の上りが高架ホームに移転)
<おりひめ><ひこぼし>は1本ずつに削減。
 この改正時より冊子状の時刻表の発売がなくなり、公式WebサイトでPDFファイルによる全線時刻表の配布というスタイルに改められました。無料でダウンロードできます。

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2013(H25)年3月16日改正

特急 出町柳~淀屋橋 10分間隔
急行 樟葉~淀屋橋 20分間隔
準急 出町柳~淀屋橋 20分間隔
普通 出町柳~中之島 萱島~中之島 各20分間隔
    中書島~宇治 枚方市~私市 各10分間隔

 現行のダイヤです。
 結局中之島線は、日中は全列車普通電車になりました。淀屋橋は特急急行準急の発着に統一、20分サイクルの形になりました。
 中之島線の普通は京橋で特急と相互に接続を取り合う形態です。
<おりひめ><ひこぼし>が廃止。10年弱の運行でした。

 以上、本当に簡単ながら、京阪のダイヤの四半世紀を振り返ってみました。
 今回記したように、特に21世紀に入って以降ダイヤのサイクルを抜本的に変更、中之島線の開業やその後の需要の伸び悩みもあって、改正の度にパターンがめまぐるしく変化するようになりました。全体の本数そのものの増減(最近は減少傾向)もあるし、ある改正でほとんどなくなったと思ったら次の改正で復活する(あるいはその逆)など、一つ一つの種別の変化も大きくなっています。

 京都~大阪ノンストップが売り物だった特急の停車駅が改正毎に増えていって、特に京都側が急行とあまり変わらなくなってしまったのもは、特に地元ファンにはさびしいかも知れません。しかし、京阪間の需要がかなりJRの新快速に移動した現状では、中間の利用者を拾う施策もまた、需要喚起には必要なのでしょう。今回取り上げた枚方市は、関東地方で言えば京王の調布あたりにポジションが近く、関東大手だったら最初から特急停車駅にしただろうし。他の追加停車駅も京阪から見れば重要なところばかりなので、マイナスばかりではないとも言えます。

<おりひめ><ひこぼし>については意欲作ではあったものの、交野線のロケーションでは利用の定着は難しかったかも知れない。似たような例に<日生エクスプレス>が走る能勢電鉄があるが、日生ニュータウンという大規模なニュータウンがあるし、鉄道は能勢電鉄の独占。大規模住宅地がない上、JR片町(学研都市)線と競合する交野線とはかなり違うと思います。また、ラッシュ時に5両編成のままで都心直通も苦しい所で、枚方市で2~3両増結して大阪へ、という事が可能だったら、また違った流れになったかも知れません。

 いずれにしろ、今後如何にして中之島線の需要を増やすかが、京阪のダイヤ編成を左右する材料になる状況がしばらく続くと思います。№590で実際に各駅に乗り降りした印象を簡単に記したけれど、朝日新聞大阪本社付近の再開発が進めば(2017(H29)年にリーガロイヤルホテルが進出するとの事)利用が望めるかもしれないが、各駅とも他交通機関、特に市営地下鉄との接続があまり良いとは言えず、南隣の近鉄⇔阪神相互直通と比べても、交通ネットワークの観点ではやはり弱いと感じました。構想としてある西九条方面への延伸などで、他路線との接続が改善される事が望まれると思います。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日(6日付)、その本体で、鹿児島市交通局の公開を再開します。同時に「サクラジマ・アイランドビュー」のポンチョやBRCハイブリッドの新車、定期観光のエアロエースなどの画像を追加します。少しコンテンツ再公開のペースを早めたいと考えています。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 最近の世界の航空では、旅客による乗務員などへの暴力、などの迷惑行為が、この1年で1.5倍に増えたのだそうです。
 米ABCが伝えたもので、「行儀の悪い」旅客に航空各社が苦慮していると。
 2012年の全世界で5,220件が、翌2013年には8,217件(IATA調べ)だそうだから、わずか1年でものすごい増加ぶりです。
 対策としては乗務員の訓練に加えて、騒ぎを起こした旅客への賠償で、目的地変更なら20万ドル(約2,000万円強)だが、現状では国際法のため、請求は難しいそう。
 原因はやはりアルコールが大半みたい。以前、ロシアの航空で酒が原因で大暴れする旅客が増えているそうだと書いた事があるが、この点については洋の東西を問わないみたい。
 幸い私は日本でも海外でも、今の所このようなケースに出くわした経験はないが、直接の原因がアルコールとしても、その背景は何なのでしょうね?普段から何かの欲求不満がたまっていて、それに酒が入って爆発するのか?
 空は地上に比べて空気が薄いから、アルコールが入ると酔いが早くなります。皆様もご用心。

《今日のニュースから》
カバの歯磨き 子供たちが体験 姫路市立動物園
 
 今日から「歯と口の健康週間」。