№1226 私鉄名車列伝 118.阪神電気鉄道5500系

「私鉄名車列伝」、今回は阪神電鉄の普通車5500系です。

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 5500系は1995(H7)年デビューの、普通電車用としては5131・5331形以来14年ぶりの新系列。元々経年化した「ジェットカー」置き換え用として製作が計画されていたが、1月に発生した阪神・淡路大震災により多数の車両が被災したため、前倒しで製作された。

 車体は急行車8000系(8010番台)13次車を基本とした鋼製で、側窓も3連の連続窓風となったが、片側各4箇所を除いて固定化している。 前面窓は外板と同一面となり、LED方式の標識灯(兼尾灯)も埋め込み式になった。
 塗装は普通車=青のイメージをそのまま維持しつつ、震災からの復興の願いもこめて36年ぶりに一新、上半分「アレグロブルー」+下半分「シルキーグレイ」のツートンカラーとなった。
「ジェットカー」特有の高加減速性能は、加速度4.0㎞/h/s・減速度4.5㎞/h/sとやや下げられ、ジャークを調整する事で乗り心地の改善を図った。この系列では、阪神初の機軸がいくつか見られる。制御方式はGTO素子回生ブレーキ併用VVVF制御を採用。大手私鉄各社のVVVF新規採用は、阪神が最後発となった。定加速度域を広げた事で、在来車と同じダイヤの確保を可能としている。台車はボルスタレス式。
 クーラーは集約分散型を採用し、マイコン制御を行っている。
 運転台はデスクタイプとなり、マスコンは横軸式としている。


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 座席も8000系13次車と同様のバケットシートを採用、車体色に合わせたブルー系としている。袖仕切りのスタンションポールが荷物棚まで延長された。ドア上には、当時は路線図とLED式文字情報併用の停車駅案内表示装置が設けられていた。中間車の神戸寄りには車椅子スペースが設置されている。

 同年11月のデビュー以降、2000(H12)年までに4連×9編成が製作された。
 後に近鉄との相互直通運転開始に対応して連結器の交換が行われた他、2014(H26)年の駅ナンバリング導入に対応して、停車駅案内表示装置をLED文字情報のみとした。
 阪神なんば線開業により、西大阪線運用はなくなったが、普通車の最大勢力となって、引き続き本線・神戸高速線の梅田~新開地の普通列車で活躍している。


【編成】
←梅田     元町
 Mc1 5501 - *M2 5601 - *M1 5601 - Mc2 5501
* パンタグラフ

 5500系は阪神・淡路大震災からの復興を願うカラーとして、新塗装となりました。
 しかし、この系列は9000系とは異なり、元々震災とは関係なく計画されていました。
 震災の発生がなく、デビューが当初の計画の通りだったとしたら、カラーはどうなっていたのだろう。歴史のifであるが、在来の「青胴車」と同様の、上半分クリーム+下半分紺色、となっている5500系を想像してみるのも一興かと思います。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1997年7月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄車両年鑑2012」「同2013」「同2014」(イカロス出版)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄12 阪神電気鉄道 阪急電鉄2」(朝日新聞出版)
「阪神電気鉄道完全データ DVDBOOK」(メディアックス) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回の当シリーズは、南海電鉄高野線の通勤車8200系です。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 3月に北陸道で高速バスのドライバーが意識を失った事から死傷事故が発生してしまったが、NHKの報道によると、ドライバーの体調変調で事故や運行中止になったケースが、4年の間で210件発生しているそうです。
「自動車事故報告書」を情報公開請求に基づいて入手した結果だとしていて、バスのドライバーや乗客、バスに衝突された車両の乗員など22人が死亡、174人が負傷していたとの事。
 体調不良の原因は脳出血などの血管関係が最も多く、感染症とめまいがそれに続いています。
 専門家は「ドライバーの高齢化が進むと思われるので、健康管理をより徹底する必要がある」と指摘しています。
 背景としてバスドライバーのいびつな年齢構成があるとしていて、40代以上が75%を占めるのに、20代が3%と極端に少ない、去年のバスドライバーの平均年齢48.3歳は、全産業平均の42.8歳より5.5歳も高いそうです。若い人の車離れの影響で、大型二種免許の取得者も減少傾向にある事も指摘されています。労働条件の厳しさ(会社の就業規則等だけでなく、道路事情なども左右する)もあるでしょう。
 また、バスを含む旅客用自動車のドライバーの、定期健康診断で異常が発見された割合は71.8%、10年間で6.7%上昇し、全産業平均より18.8%も高くなっています。
 これ、かなり由々しき事態ではないですか?この数字が事実なら、若くて健康なドライバーの確保に、どのバス事業者も四苦八苦している事になります。都会はまだいいだろうが、ただでさえ人口の高齢化が進む地方だと、なおさらドライバー確保が難しくなって、たとえ利用者がいても、運行の確保がままならなくなる事態になる恐れがあります。
 昨今は旅客機のパイロットの不足による欠航にばかり目が行きがちだが、日常の足であるバスの方がもっと重大、という言い方もできるはず。バス事業者自身の努力も当然だが、バスの性能向上(AT化の促進など)とか、走行条件の改善(特に渋滞の解消あるいはバス優先走行の促進)など、メーカーや行政などの関係者の連携も必要だし、外部のジャーナリズムなども、公共交通の健全な発展という視点を持った啓発活動を行うべきです。
(明日「クローズアップ現代」で放送があるそうです)

《今日のニュースから》
路線バス 増水に流され旅客1人死亡 韓国昌原(チャンウォン)市

 韓国でも大雨の影響が半端でないようで、釜山では地下鉄の駅が浸水、一部の運行が見合わせになっているそう。心配です。