№1374 平成筑豊鉄道 時刻の変遷<後>

画像

 開業以降、右肩上がり…とは言えないまでも、駅の増設・列車の増発で順調に延びていた…ように思えた平成筑豊鉄道だったが、再度の乗客の減少傾向は止められないようで、21世紀に入り、ダイヤ改正の度に運転形態の変更が行われます。増発と削減が交互に繰り返される感があります。

画像
画像

2001(H13)年3月3日改正
 1990(H2)年4月改正以降、列車キロ3000㎞/日を維持してきたが、この改正では500㎞以上の削減となる減量ダイヤとなりました。また、朝夕に土休日運休の列車(赤い字の列車)が初めて設定されています。
 伊田線は快速が平日のみ1往復設定されました。国鉄時代の1986(S61)年11月改正で〔はんだ〕が廃止されて以来です。〔はんだ〕と異なり、朝夕の通勤・通学の需要を狙ったものと考えられます。
 伊田線は日中60分間隔に削減されました。田川線も日中の行橋~犀川・崎山間区間運転が全て取りやめ。糸田線も含めて、60分の等時隔ダイヤになっています。
 昼間の田川線上り3本は金田止まりとなり、田川伊田で始発の直方行に接続、長時間停車の後金田に向かうダイヤになっています。
 伊田線の南直方御殿口、田川線の上伊田駅が開業。あかじ→あかぢと改称になりました。

画像
画像

2001(H13)年10月6日改正
 筑豊本線・篠栗線(折尾~直方~桂川~吉塚)電化開業に関連する改正です。前回改正から半年しか経っていないが、再度列車の増発が行われた他、快速も含めて再び全列車が毎日運転になりました。

画像
画像

2002(H14)年3月23日改正
 また半年足らずで改正になりました。
 この年の10月10日~20日、直方~金田間で日中に臨時列車2往復が運行されています。
(理由不明)

画像
画像

2003(H15)年3月15日改正
 伊田線で朝方の一部列車が再度土休日運休になりました。上り快速は6時台発と大幅に繰り上がっています。
 日中の直方~金田間が30分間隔に増発されています。
 田川線は初発列車が遅くなりました。
 田川線の赤駅が開業。今の所、最後の新規開業駅です。転換時の15駅が35駅となりました。転換当時3.28㎞に1駅だったものが、1.40㎞に1駅まで駅が増えています。

画像
画像

2004(H16)年3月13日改正
 この前日を持って、直方~金田間のセメント輸送列車が廃止になりました。安定した収入源が無くなった事は、平成筑豊鉄道の営業、ひいてはダイヤ編成に影響を与える事になります。
 再び1日300㎞を削減する減量ダイヤになってしまいました。伊田線全区間で、日中は60分間隔。
 午前中上りの乗換駅は金田になりました。以降のダイヤでもこの形態が続きます。
 夕方にも土休日運休列車が設定されました。夕方の下り快速は2本に増発(1本は毎日運転)。上下とも、藤棚に新規停車。
 最終列車も繰り上げになりました。糸田線・田川線では1時間近い繰り上げになっています。

画像
画像

2005(H17)年3月1日改正
 前回の改正はさすがに行き過ぎた、という事なのか、直方~金田間・行橋~犀川間は最終列車が以前の時刻に戻っています。
 直方~金田間はまた30分間隔に復便しているが、4月のイオンモール直方オープンを見据えての事だったかも知れません。
 土休日運休の列車が無くなり、全列車が毎日運転。

画像
画像

2005(H17)年10月1日改正
 半年でまた改正になりました。田川線で日中に増発が行われています。また、田川後藤寺発金田行・行橋発犀川行最終列車が繰り下げになりました。
 夕方の快速は全て普通列車に変更。

画像
画像

2006(H18)年3月18日改正
 金田~田川伊田間で増発。回送の客扱い実施と思われます。田川伊田発は最終が繰り下げになりました。
 列車キロが再び3000㎞/日に乗りました。以降2011(H23)年改正まで、3000㎞/日前後を行き来する事になります。

画像
画像

2007(H19)年3月18日改正
 午前中の金田発直方行を伊田始発に延伸。他は修正程度。
 この翌月、新型車両400形がデビュー。この後イベント対応車500形と共に、開業当初からの100形・200形・300形を置き換えて行く事になります。

画像
画像

2008(H20)年3月15日改正
 日中の直方~金田間列車1往復を田川伊田に延伸。他は修正程度。

画像
画像

2009(H21)年3月14日
 伊田線は快速が廃止になりました。折返しの普通列車も削減されています。
 田川線・犀川~田川伊田間で、増発により最終列車が繰り下げになりました。また、行橋発犀川行最終の時刻の繰り下げで、初めて午前0時を過ぎて運行される列車が設定になりました。

 この翌月、平成筑豊鉄道は門司港レトロ観光線の営業を開始しました。

画像
画像

2010(H22)年3月13日改正
 田川線は行橋口の区間運転を再度増設定、崎山折返しも久しぶりに設定になりました。一方で全線通しは削減されています。

画像
画像

2011(H23)年3月12日改正
 直方~田川後藤寺間の直通列車を直方~田川伊田間に建て替え、この結果、糸田線の直方直通列車が、初めて終日無くなる(線内折り返しのみ)事になりました。
 列車キロが3123.7㎞/日になり、21世紀に入っての最高記録です。

画像
画像

2012年3月17日改正
 平日と土休日でダイヤが分離されました。土休日は列車番号を全て+300としています。
 大幅な削減が断行された「大減量ダイヤ」となってしまいました。特に土休日は一気に4割近い削減になり、転換後では初めて列車キロが2000㎞/日を割り込みました。平日も17.5%の削減です。
 日中は直方~行橋と直方~田川後藤寺の系統を交互に運転する、等時隔パターンダイヤになりました。金田で田川伊田方面⇔糸田線相互の接続が考慮されています。日中に糸田線直通が設定されるのは、転換後では初めてです。田川線は、行橋口の区間運転がほとんどなくなりました。
 土休日は全区間で、最終列車が1時間以上の繰り上げになりました。21時台で列車が終わる駅・区間がほとんどです。

画像
画像

2013(H25)年3月16日改正
 平日は、朝方の直方~田川伊田間の列車を後藤寺線直通に振り替えました。
 土休日は行橋~犀川間で夜間に1往復増発しています。

画像
画像

2014(H26)年3月15日改正
 土休日ダイヤは列車番号が平日と共通になり、変ダイヤになる列車のみ+300となりました。
(土休日運休の列車は欠番)
 田川線は2往復増発となり、最終列車が再度繰り下げ、行橋発犀川行は平日と同時刻に戻っています。伊田線・糸田線も増発になっています。この結果、列車キロは再び2000㎞/日を越えました。
 平日も朝方の油須原折り返しを行橋へ延長しています。

画像
画像

2015(H27)年3月14日改正
 現行のダイヤです。土休日ダイヤの平日との共通化がさらに進みました。夜間の直方発金田行1本を田川伊田に延伸しています。

画像

 最後に、今回取り上げたダイヤの列車㎞/日をグラフにしてみました。転換時に大幅に列車を増発し、20世紀の間は駅を増やしつつ、列車キロを維持して集客に努めてきた。しかし21世紀にはいると、2回減量ダイヤを実施、運転パターンの変更も行った末、2012(H24)年には大幅な削減に踏み切って、以降は見直しを行いつつ現状に至る、そんな流れが見えてきます。
 私は恒常的な利用者でも経営者でもないから迂闊な事は言えないが、確かに転換時の大幅な増発や駅の増設は、沿線の住民の利便性に大いに貢献した。ただ、この鉄道は沿線に全国区の観光地はないから外部からの入り込みはあまり期待できない、地域の人々の利用に多くを依存するので、その人たちが乗ってくれない、というより沿線の人口そのものが減ってしまったら、やはり存続は厳しくなるな、という事でしょう。田川市の人口が1989(H元)年の58,752人→今年49,649人、福智町は1990(H2)年27,041人(旧金田・赤池・方城町の合計)→2010(H22)年24,714人、みやこ町は1990(H2)年25,423人(旧犀川・勝山・豊津町の合計)→2010(H22)年21,572人と、いずれも右肩下がりで減少が続く傾向があります。
 従って、今後も再度の大幅な利用の伸びは、正直あまり期待はできないでしょう。転換3線に関しては、現状の利用者をいかにして繋ぎとめるか、特に日中の買い物客(イオンモール直方やゆめタウン行橋など)の利用をどう増やしていくか、というあたりが今後の課題なのかと思われます。そのためには、最低でも現在の60分間隔ダイヤは何とか維持しなければならない。平成筑豊に限らず全ての鉄道に言えると思うが、基本的に最低60分間隔のダイヤが確保できる輸送量を維持できないと、鉄道としてやっていくのは苦しくなる、と思っています。
 他の鉄道に比べてやや地味な感もある平成筑豊鉄道だが、今後の健闘に期待します。

参考文献・Webサイト
 データブック 日本の私鉄 (寺田裕一/ネコ・パブリッシング)
 週刊 歴史でめぐる 鉄道全路線 公営鉄道・私鉄№23 (朝日新聞出版)
 平成筑豊鉄道沿線情報サイト「へいちくネット」


 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

********************

《今日見た・聞いた・思った事》
 フランスでは昨日、「配車アプリ『ウーバーポップ』に抗議するタクシードライバーが全国で抗議行動を繰り広げて、パリあたりでは治安部隊との衝突に発展したとか。
「ウーバーポップ」とは、利用者が専用のアプリで呼び出すと、近くにいる登録された車が迎えに来て、目的地まで送り届けてくれるシステムらしい。割安、ではあるが、営業車としては登録されていないので、日本風に言えば「白タク」という事になります。これに売り上げをかっさらわれているので、正規のタクシードライバーたちが激怒している訳です。フランスでも一部の地域では禁止になっているそうではあるが。
 TVニュースで見たら、登録された車をボコボコにしたり、ドライバーに罵声を浴びせたり、空港への道を封鎖したりして、お客さんは相当迷惑していたようです。タクシー側は、このまま公的な規制がされなかったら、来週には高速道路を封鎖してやると息巻いていました。
 いかにもフランスらしい過激なやり方だと思いました。私は「ウーバーポップ」を利用する事はなかろうが(スマホがないから利用のしようもない)、平然とこんな荒っぽい手段に出るするドライバーが運転するタクシーも、乗りたくはないなあ。

《今日のニュースから》
25日 ネパール大地震復興会議 日本 320億円の支援を表明 
26日 プロ野球オールスター 西武・森友哉選手 最年少最多得票で選出

 史上初の快挙だそうだが、意外だと思った。清原和博は達成していなかったのか?