№1567 2016年度お盆休み 航空利用データ分析

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 昨日、航空各社から、今年のお盆休みの航空利用についてのデータの発表があったので、これを基に私なりに分析してみます。
 今年度の対象は10日(水)~21日(日)を対象としています。昨年(8月7日~16日)より対象日が2日多く、全体的に後倒しになっています。
 今年からお盆直前の11日が「山の日」の祝日となりました。この事は、特にお盆のピークの国内線には影響を与えたのでしょうか。
 またGW同様、国内線は熊本地震、国際線は欧州で頻発するテロの影響が残っているのか、また北海道はお盆のピークを過ぎた後台風が連続して直撃したのでその影響はなかったのか、その辺も注目してみてみます。
 数値は会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。
※注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていない カッコ内は前年比

ANA
 国内線 座席数2,393,428席(101.7%) 旅客数1,944,600人(105.4%) 利用率81.2%(+4.5%)
 国際線 座席数397,794席(109.2%) 旅客数348,430人(111.6%) 利用率87.8%(△0.2%)
 国内線はその他(87.5%。国際線接続だろう)を除くと沖縄線が一番好調で、利用率が87.4%で、前年度より9%近くも上昇しました。関西も82.8%と好調。一方、東北・北陸は座席提供数が10%近く減少(羽田~富山・小松線の減便に違いない)、旅客数は微減で収まったが、利用率は75.4%と、方面別では最も低くなりました。北海道は座席提供数が若干減ったのは台風の影響かもしれないが、旅客数は前年度より増えていていて、そんなに影響はなかったか。九州も79.1%で、GWは70%を切っていたので、復調と言って良いと思います。
 ピーク(利用率が90%を越えた日)は、下りが10~12日(11日96.6%)、上りは15・16日と18~21日(16日92.7%)。利用率が60%を割った日はありませんでした。
 臨時便は羽田~千歳・沖縄・八丈島、関西~千歳・沖縄、名古屋~千歳、仙台~千歳で68便運航。
 国際線では、シドニー・クアラルンプール線開設のアジア・オセアニア、武漢線開設の中国線で座席提供数が10%以上増えました。旅客数も同様に延びています。リゾート路線(ホノルル線)が利用率97.8%と最もよくなりました。北米路線も座席提供数は減少したが、旅客数は増えたので利用率90.4%と好調でした。一方欧州線は、座席提供数は増えたが、旅客数は減少し、利用率は90%を割りました。決して低くはないが、「欧州路線はインバウンドが多かった」としているようなので、日本人の欧州行が相当減っているのかも知れません。。
 ピークは、日本発が10日~13日(11日96.0%)、日本着が15・20・21日で、最終21日が92.9%だから、海外旅行は長期で、という旅行者が多かったのでしょう。全体的に80%を切った日はありませんでした。

JAL
 国内線 座席数1,394,124(98.9%) 旅客数1,197,356人(105.3%) 利用率85.9%(+4.8%)
 国際線 座席数359,149席(100.1%) 旅客数331,078人(102.0%) 利用率87.8%(+1.7%)
(国際線は他社運航コードシェア便含む)
 国内線はE190の導入があったからか座席数は前年より減ったが、旅客数が延びて、こちらも全体の利用率は大きく伸びました。沖縄路線が93.3%と高率。またこれまで「弱い弱い」と言ってきた中四国路線が、今年度は利用率81.8%。方面別では一番低いものの、前年度が70%に届いていなかったから、大きく躍進しました。旅客数が18%近く増えています。東北・北陸路線は座席提供数が前年度と同じ(羽田~小松路線の減便は行っていない)。全ての方面で、旅客数が前年度を上回りました。
 ピーク(こちらも利用率90%以上)は下りが10~12日(11日98.7%)、上りは14~16日と18~21日(20日96.1%)。12日の上りが65.5%と低調でした。
 臨時便は羽田~新千歳・沖縄の12便。
 国際線は、ダラス線が再開した北米路線が座席提供数110.5%、旅客数112.0%、利用率が93.1%でした。方面別で最も良かったのはグアム線97.6%、ホノルル線95.1%。
 オセアニア線や韓国線は座席数はかなり減っているが、利用者の減少はそこまでは行かないので、利用率は良くなっています。東南アジア線(89.1%)以外は全方面利用率90%台をキープしています。
 ピーク(搭乗率93%以上)は日本発10~12日と20・21日(11日97.9%)、日本着14~16日と18~21日(20日96.1%)。日本発で16日以降も90%を上回る日が数日あるのが目を惹くが、インバウンドか。
 臨時便は成田~ホノルル4便、チャーター便は成田~ホノルル1便を運航。 
 
JTA
 座席数145,129席(108.6%) 旅客数128,264人(111.5%) 利用率88.4%(+2.3%)
 座席数を上回る旅客数の増加が見られました。臨時便は那覇~46便・那覇~久米島22便と、前年度と大分様相が異なっているのだが、理由は?

RAC
 座席数22,794席(104.4%) 旅客数17,896人(105.4%) 利用率78.5%(△6.8%)
 座席数は増えたが、旅客数が追いつかず、利用率が80%を切ってしまいました。臨時便は、今年度はなし。

JAC
 座席数73,719席(79.6%) 旅客数57,572人(92.9%) 利用率78.1%(+8.2%)
 座席数が大幅に減っているが(福岡~宮崎線がJ-AIR(JAL)運航になったからか)、旅客数はそこまでは落ち込まず、利用率は改善しました。臨時便は、今年度もなし。

HAC
 座席数9,149席(97.5%) 旅客数5,408人(96.2%) 利用率59.1%(△0.8%)
 前年度ほぼ1日1往復は飛んだ丘珠~三沢の臨時便は、今年度は運航がありませんでした。
 HACは10月30日より、JAL便名で飛ぶ事になっています。なのでHAC独自の実績報告は、これが最後になるはずです。

SKY
 座席数271,518席(104.8%) 旅客数251,394人(108.9%) 利用率92.6%(+3.5%)
 座席数、旅客数、利用率がいずれも上向いていて、はっきり復調傾向と言えるかと思います。
 ピークは下りが11日の99.1%でほぼ満席、上りが20・21日の97.7%。
 SKYは一応全国展開なので、FDAのように方面別に実績のデータを出してくれるとありがたいが。

ADO
 座席数107.898席(111.1%) 旅客数93,792人(119.1%) 利用率86.9%(+5.8%)
 急に利用状況が良くなったように見えます。
 ピーク(搭乗率95%以上)は下りが10日~12日で、99.4~99.6(11日)なので連日ほぼ満席、、上りが15・16日と20日で、16日が97.8%と最高でした。北海道専門なので台風の影響が心配されたが、これらのデータを見る限りはそれ程でもなかったか。
 今年度は臨時便はなかったようです。 

SNA
(ANA販売分は含まず)
 座席数94,001席(105.7%) 旅客数81,070人(104.7%) 利用率88.4%(前年度との比較は不可)
 今シーズンは定期便の運航がない羽田~沖縄線で臨時便を就航していて、これもあって利用が延びているのでしょうか。定期就航を見据えた運航だったのか?
 ピークは下りが11日の99.4%、上りが19・20日の99.3%。
 臨時便はその沖縄線を11~21日、羽田~長崎線を11日と14~17日に運航。

SFJ
 座席数66,379席(101.6%) 旅客数60,410人(111.3%) 利用率91.0%(+7.9%)
 SFJは、前年度も8月10日~21日との比較です。旅客数が10%強増えて好調だったと思います。 
 全体的なピークは下りが10日の99.2%、上は13日の99.9%と、他社とは大分違う。無論全体的な傾向は同じなのだが、羽田~北九州線のピークも同じ日になっていました。

FDA
(JAL販売分を含む)
 座席数66,880席(141.2%) 旅客数34,998人(114.8%) 利用率73.9%(+10.4%)
 FDAは全路線トータルの、前年度の座席数・旅客数は記していません。なので前年度に出されたリリース(8月7~16日対照)から数値を算出しているため、単純比較はできない事をお断りしておくが、それにしても前年度と比較して利用が大きく伸びました。
 FDAは路線別のデータを公表しているが、搭乗率で一番良かったのは静岡~鹿児島線(96.0%)と少々意外。静岡~新千歳(93.3%)、松本~新千歳(94.2%)も好調でした。一方で名古屋~山形線は唯一80%を割り込み、精彩を欠いたか。新路線の静岡~丘珠は88.3%。まあ週2便なので。
 ピークは、名古屋は発が11日、着が20日。静岡は発が13日、着が19日、松本は発が11日、着が17・21日。新潟は発が15日、着が11日。松本と新潟は地方なので、大都市と傾向が違ってくるのは当然でしょう。松本着が、他社では谷間で低調になる17日がピークというのは目を惹きます。

APJ
 国内線 座席数133,920席(105%) 旅客数124,401人(104%) 利用率92.9%(△0.6%)
 国際線 座席数70,920席(134%) 旅客数66,268人(139%) 利用率93.4%(+3.3%)
※ APJは、前年比のパーセントは小数点以下を省略して公表
 国内線は成田~沖縄線の新設などはあったが、そろそろ頭打ち、でしょうか?ピークは下りが11日の95.6%、上りは14日になって94.5%。20・21日の下りのみ、搭乗率が90%を割り込みました。
 国際線は沖縄・羽田~ソウル線の開設などもあり、引き続き座席数・旅客数とも30%以上の伸びになっています。ピークは日本発が11日の96.7%、日本着が19日の95.5%。こちらは10・11日の日本着のみ、搭乗率が90%を割り込んでいます。
 国内線・国際線とも往復で搭乗率の差がほとんどなく、今期は往復で10%以上の差が付いた日がありませんでした。こういう事も輸送効率上、非常によろしい事でしょう。

VNL
 国内線 座席数47,520席(84.7%) 旅客数44,704人(85.8%) 利用率94.1%(+1.7%) 
 国際線 座席数38,880席(150.0%) 旅客数36,015人(149.4%) 利用率92.6%(△0.4%)
 国内線は現在は3路線しかなく、奄美大島線の夏季増便はあるが、座席提供数、旅客数が共に大きく落ち込みました。一方国際線は台湾路線の増便もあり、前年度比50%増です。VNLは、国際線に重点を置きつつあるのでしょうか。
 ピークは、国内線の下りは11・12日の98.0%、上りは16日と20日の97.8%。
 国際線の日本発は13日の98.7%、日本着は19日の97.3%でした。

JJP
 国内線 座席数199,880席(87.5%) 旅客数183,294人(88.3%) 利用率91.7%(+0.8%) 
 国際線 座席数18,360席(318.8%) 旅客数15,154人(271.7%) 利用率82.5%(△14.3%)
 JJPも国内線はこの1年間新路線がなく(関空~熊本線が休止)、座席提供数、旅客数が共に10%以上の減少です。一方国際線は新路線(特にマニラ路線)の就航が相次いで、規模としては約3倍になりました。 
 ピークは、国内線の下りは10日(96.4%)、上りは21日(96.8%)。
 国際線の日本発は5月2日(95.7%)、日本着は21日の89.7%で、90%を割り込みました。10日の日本着が69.7%で、70%を切っています。

SJO
 国内線 座席数15,876席(77.8%) 旅客数15,303人(86.4%) 利用率96.4%(+9.7%) 
 国際線 座席数4,536席 旅客数4,434人 利用率97.7%
 国内線は、高松線の休止で座席数は大幅に減少したが、旅客数はそこまでは落ち込まず、利用率は大きく向上しました。
(20日に成田~新千歳線がスタートしているが、今回は実績に反映していない)
 国際線はこの春のスタートなので、前年との比較はなし。
 ピークは、国内線の下りは12日(99.7%).、上りは15日(99.8%)。全体的にハイアベレージで、上りは期間中全日95%以上、90%を割ったのは8月20・21日の下りのみでした(21日は77.4%と低かった)。
 国際線の日本発は、下りの13~16日が全日100%。日本着は10・13・19日が99.5%。10日は上りが、20日は下りの方が利用率が高くなるなど、他の日本のキャリアとはかなり違った傾向にあります。インバウンドが影響していると思われ、中国資本の傘下にある事が大きいでしょう。


 お盆の直前に「山の日」が制定された事で、大半のキャリアの出発のピークがこの日になりました。今シーズンはお盆からのピークからやや経った日曜日までを対象としたことで、帰宅のピークは2回に分かれたようです。
 先に注目する、としていた要因は、国内線は熊本地震や、北海道の台風直撃はあまり影響がなかったように思います。熊本に関しては各種キャンペーン運賃が功を奏しているのかも知れません。
 欧州路線に関しては、ANAは座席提供数でJALを上回ったが、旅客数は逆にわずかながら下回りました。一つ一つの路線までは実績が記されていないし、JALはコードシェアも含めているので単純な比較はできないが、、ANAは、特にブリュッセル路線はまだテロの影響が残っているのかも知れません。
 LCCはSJOが新千歳路線をスタートさせたが、やはり4社とも国内線は伸びが止まってきているのだろうか。特にVNLは、ANAHDの中期経営戦略の中で、レジャー路線や中国メインランドへの進出を積極的に進めるとしているので(9月14日からのホーチミンシティ乗り入れもその一環だろう)、今後ははっきり国際線をメインに据える事になるかと思われます。ANAHD自身、国内線需要は頭打ちになると見ているようなので。
 次回は年末年始に行います。

 トータルでは、国内線は4.7%、国際線は11%の増だったとの事。「山の日」に加え、国際線はこの所の円高基調もあるようです。JRは4%増、北海道新幹線は、前年度の在来線と比較して55%増、だったそう。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 昨日は台風9号が関東地方を直撃。私はたまたま休みの日だったけれど、どこかへ行きたいと思っていたのに、ほとんど自宅から出られなかった…。西武多摩湖線は復旧まで相当時間がかかりそう、西武の公式Webでは1ヶ月程度かかる可能性もあるとの事。大雨の土砂崩れによる鉄道の罹災は田舎だけかと思いきや、4年前の京急線の事故は記憶に新しいし、京成線成田駅の法面崩壊もあったし、首都圏でも問題になりつつあるのではないか。さて、リオのオリンピックが終わり、次はいよいよ東京だが、もしオリンピック開催中、今回のような台風が直撃したらどうなるのか。対策は当然考えているはずだが、再度点検が必要でしょう。
 オリンピックまでの間に、東京は、日本はどう変わっていくのか。いろいろあるだろうが、私としてはやはり交通の変化に、大いに注目して行きたいと思っています。 

《今日のニュースから》
21日 ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト バンコクで開催 東大は準決勝敗退
22日 DeNA三浦大輔投手 「プロ野球投手の連続安打年数」でギネス世界記録認定
23日 「開かずの踏切」解消要求 中野区で住民集会

 踏切の撤去は安全で安定した運行の確保の点で、鉄道事業者の側だって必要と感じている所だが、最大の難関は立体化工事そのものより、その際に生じる用地買収の問題。はっきり言って、たとえ莫大でもカネだけで済むなら、どうにでもなる事だと思います。それだけでは解決できない部分が多いから、この問題は難しい。