№2040 2019年度お盆休み 航空利用データ分析

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 お盆休みが終わり、社会は日常の世界に戻りつつあるようです。学校はまだ休みだけれど。
 そんな中、2019年お盆休みの航空利用のデータが、航空各社から発表されました。例年通り、データから利用状況を読み解いていきたいと思います。
 今年は9日(金)~18日(日)の10日間が対象となったが、国内線・国際線とも波乱要素がいくつかありました。国内線は15日の台風10号の四国・中国地方直撃、国際線は関係が極度に悪化している韓国と、抗議行動のエスカレートが空港機能のマヒまで招いた香港。これらは各社のデータに、どの程度反映しているでしょうか。
 また、ANAのA380就航や、ピーチ・バニラ統合の進捗も、データに影響を与えていたようです。

 会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。国際線は「日本発」「日本着」で統一。
 注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。各社毎の最高利用率の日を記し、適宜、別に利用率が高かった期間を記します。

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全日空
国内線 座席数 1,865,101席(97.1%) 旅客数 1,585,016人(99.6%) 利用率 85.0%(+2.1%)
国際線 座席数 369,099席(100.5%) 旅客数 324,077人(100.0%) 利用率 87.8%(△0.5%)
 国内線は、台風もあるが、A321の導入などでダウンサイジングも進んでいる事もあるのか、東北・北陸方面を除くと全体的に座席数は減少。ただ、旅客数はそこまでは減らなかったので、利用率は向上しました。中・四国が台風10号の影響を最も受けたエリアなので、座席数は10%以上の大幅な減少になっています。利用率では九州が80.2%と最も少なくなった。
 最高利用率は、下りは10日の98.0%。上りが金曜日の16日で95.9%となったのは、やはり前日の台風の影響でしょう。15日が下り61.9%・上り78.0%・トータル69.9%の低率となったのは、致し方なし。上りは14日が90.7%と高めになっていた。台風直撃とみて、帰宅を早めた旅客が多かったのでしょう。
 臨時便は、羽田~那覇・八丈島の18便に加え、台風対策の29便を加えて合計47便。
 国際線は、全体の座席数がほぼ横ばいだったのは少々意外。方面別では、A380導入のハワイ路線は、座席数・旅客数とも対前年度で5割増しになっていて、やはり導入の効果は絶大だったとみえます。方面別でも、利用率が最も高かった。また、ウィーン線が開設した欧州路線は、座席数が前年度比17%の増。一方中国路線はA320の導入が進んだからなのか、座席数・旅客数ともかなり減りました。
 アジア・オセアニアは、座席数は増えたのに、旅客数は減少しました。ANAでは香港とソウルが共にこのエリアに入っているので、やはり影響があったのか。
 最高利用率は、日本発は10日の96.5%、日本着は18日の92.4%。
 
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日本航空
国内線 座席数 1,369,051席(97.0%) 旅客数 1,183,813人(97.5%) 利用率 86.5%(+0.4%)
国際線 座席数 305,313席(100.8%) 旅客数 285,205人(100.4%) 利用率 93.4%(△0.4%)
 国内線は、全方面で座席数が減少。こちらも台風以外に、E190の導入が進んだ事があるかも。旅客数も、「好調だった」としている東北・北陸以外は減少しました。ただ、利用率は向上している。こちらも台風直撃の中・四国方面は前年比8.1%の減少で、利用率では九州の82.6%が最も少なくなりました。
 最高利用率は、下りが10日の98.3%、上りは16日と18日の96.2%で、やはり15日は下り62.8%・上り77.6%の低率、14日の上りが92.7%と比較的高率になりました。
 臨時便は、羽田~沖縄17便の他、現在JAL運航の定期便がない沖縄~成田の1便を運航。
 国際線は、GW同様韓国路線の座席数が大幅増だが、KEの座席数が増えたためと思われる。旅客数はそこまで追い付いておらず、利用率は86.3%で、方面別では唯一90%を割っています。日韓関係の悪化も影響しているかも。シアトル線がスタートしている北米路線も座席数の増加にほぼ比例して、利用者も増えている。一方ハワイ路線は、座席数の減少以上に旅客数が減少していて、やはりANAのA380就航の影響は大、だったのではないか。なお、香港路線は東南アジアに含まれているが、現れている数字だけでは、影響は解らない。
 最高利用率は、日本発は10日の98.1%、日本着は18日の97.8%。臨時便は台北~成田(便数記載なし)、チャーター便はアテネ-成田、成田-ブダペスト、成田-ヴェネチア、プラハ-成田、ミラノ-鹿児島、ミラノ-新潟、関西-ミラノ、ローマ-関西各1便。ミラノ発鹿児島・新潟行、か…。
  
日本トランスオーシャン航空
 座席数 121,386席(103.3%) 旅客数 104,697人(104.1%) 利用率 86.3%(+0.7%)
 機材のB737-800への統一が完了し、座席数は微増、それ以上に旅客数も増えて、好調だったと思います。臨時便は沖縄~関空・セントレア・福岡・宮古・石垣路線で合計23便運航。
   
琉球エアコミューター
 座席数 19,350席(104.3%) 旅客数 14,986人(103.7%) 利用率 77.4%(△0.5%)
 DHC-8-Q400の導入が進んで、座席数は増えました。旅客数は追い付かなかったか。臨時便は沖縄~久米島・北大東・南大東、北大東~南大東で合計14便と、前年度より大幅に増えている。
 
日本エアコミューター
 座席数 29,788席(85.9%) 旅客数 22,312人(83.4%) 利用率 74.9%(△2.3%)
 JAL(J-AIR)移管が深度化して、座席数、旅客数とも減少。臨時便は奄美~徳之島の1便のみで、こちらは前年度より大幅な減少。

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スカイマーク
 座席数 258,951席(98.8%) 旅客数 239,859人(101.3%) 利用率 92.6%(+2.2%)
 最高利用率は、下りが10日の99.3%、上りが16日の98.5%。15日の利用が低調で、14日の上りが94.3%と比較的高め。この点は上記のANA、JALと同じ傾向だが、15日も下りが75.6%、上りが86.6%と、上記2社と比べれば格段に良い。今のSKYは中国・四国の路線がないので、台風の影響は、まだ大きくはなかったのかも知れない。15日の下り以外は全日、両方向とも利用率80%以上の高率でした。
   
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エア・ドゥ
 座席数 86,246席(104.9%) 旅客数 74,068人(100.6%) 利用率 85.9%(△3.7%)
 全体の利用率は減少したが、ADOは北海道路線のみなので、台風10号の影響はそれほど出ていない(’欠航はセントレア・神戸路線4往復があったそうだが)。最高利用率は、下りが10日の99.3%、上りが18日の98.0%で、15日も下り83.3%・上り95.3%と比較的高率。羽田~新千歳路線で20往復の臨時便を運航。

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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
 座席数 73,300席(102.5%) 旅客数 61,415人(95.9%) 利用率 83.8%(△5.7%)
 座席数は増えたが、旅客数は減少してしまいました。最高利用率は、下りが10日の99.0%で、9~13日の他、台風の翌日の16日が90%台というのは注目される。上りは18日の95.8%。やはり15日は低調で、上下とも60%台。今期は臨時便の運航はなかったよう。

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スターフライヤー
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数 56,372席(93.2%) 旅客数 49,581人(95.1%) 利用率 88.0%(+1.7%)
国際線 座席数 5,700席 旅客数 4,246人 利用率 74.5%
 国内線は、台風の影響か提供座席数は減少しているが、旅客数はそこまでは落ち込まずに踏みとどまっています。最高利用率は、下りは10日の99.0%、上りは18日の98.3%。今回の台風の影響を受けやすいディスティネーションが中心だからか、15日は他社以上に影響が大きく、下りは35.2%、上りは46.8%、トータルで41.1%にしかなりませんでした。前後の14日・16日と比較すれば、一目瞭然です。なお、北九州~沖縄線は、今期は1往復の運航。
 国際線の最高利用率は、日本発は10日の99.7%、日本着は16日の97.3%になりました。開設以降見られる片輸送の傾向は、今期は若干改善されているようです。最低でも30%台は確保されていました。もう一息か。
   
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フジドリームエアラインズ
(JAL販売分を含む)
 座席数 59,768席(96.8%) 旅客数 50,168人(95.2%) 利用率 83.9%(△1.5%)
 やや座席数が減少、それ以上に旅客数も減少して、利用率が落ち込みました。
 FDAは路線別の搭乗実績を公表しているが、利用率が一番高かったのは、山形~新千歳路線の94.2%。新潟~福岡93.8%、仙台~出雲92.9%、松本~福岡90.4%、この4路線が利用率が90%を上回っています。前年度の名古屋~北九州路線が今年度は静岡~北九州路線にシフト為ているが、今年度の利用率は68.7%で、残念ながら最低でした。台風の影響もあったかも知れないが、静岡シフト後もやはりビジネスユース中心なのか。
 最高利用率は空港別に出していて、名古屋は下りが9日の95.9%、上りが18日の96.9%、静岡は下り・上りとも16日になり、下りは95.6%、上りは98.3%、松本は下りが11日の99.1%、上りが17日の94.5%。10月27日就航の神戸空港(今日ダイヤ発表・JALコードシェア実施)はどうなる。
   
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ピーチ
国内線 座席数 110,340席(91%) 旅客数 102,744人(92%) 利用率 93.1%(+1.0%)
国際線 座席数 84,600席(119%) 旅客数 75,329人(114%) 利用率 89.0%(△3.6%)
 国内線は、バニラから成田~沖縄線の移管があったが、台風の影響なのか座席数が減少しています。旅客数はそこまで落ち込まなかったから利用率は向上しています。最高利用率は、下りは10日の95.9%、上りは18日の、やはり95.9%。台風直撃の15日(下り88.1%・上り85.9%)を除き、全日90%を上回りました。
 国際線もバニラからの路線の移管があって、座席数は20%近く増えました。ただ旅客数は追い付かず、利用率は90%を割りました。最高利用率は、日本発は10日の95.2%、日本着は16日になって92.1%。9日の日本着(78.6%)を除き、全日80%を上回りました。香港路線の影響については、ここでは解りませんでした。

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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数 206,640席(119.1%) 旅客数 186,334人(117.2%) 利用率 90.2%(△1.4%)
国際線 座席数 9,180席(60.7%) 旅客数 8,433人(66.9%) 利用率 91.9%(+8.6%)
 ピーチとは逆の傾向になっているようです。国内線は、1日の成田~庄内路線の就航もあり、座席数は大幅に増えました。最高利用率は、下りは10日の94.5%、上りは16日の95.3%。台風直撃の15日は上下とも70%台でした。
 国際線は逆に関空~香港の取り止めなどもあってか、座席数が大幅に減少しました。全体の利用率は大きく改善しています。最高利用率は、下りは10日の98.9%で他キャリアと同じだが、上りは前日の9日の96.7%となりました。15日の日本発と、16日の日本着は数値がありませんでした。今のJJP国際線は全て夜に日本を出発、往復して翌朝日本着のダイヤなので、全便欠航になったと思われます。JJPは、日本国内線中心になっていくのか。

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バニラエア
国内線 座席数 39,420席(61.9%) 旅客数 35,231人(62.6%) 利用率 89.4%(+1.1%)
国際線 座席数 16,740席(46.7%) 旅客数 15,605人(47.1%) 利用率 93.2%(+0.8%)
 国内線、国際線とも廃止・ピーチ移管が進んだので、座席数は大きく減っています。
 最高利用率は、国内線の下りは10日の96.8%、上りは16日の96.9%。台風10号の影響はなかったようで、全日両方向とも80%を上回りました。国際線は、9日を除くと下りは11日となって98.1%、上りは16日の97.8%。こちらも全日両方向とも80%を上回っています。9日(日本発98.3%・日本着100%)は台風9号により、台北発着7便に欠航が発生した影響としています。バニラの実績報告は、今回が最後になります。

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春秋航空日本
国内線 座席数 24,948席(129.4%) 旅客数 22,329人(135.0%) 利用率 89.5%(+3.7%)
国際線 座席数 15,120席(200.0%) 旅客数 14,534人(206.4%) 利用率 96.1%(+2.9%)
 国際線が先に来るのがSJOらしい?国内線・国際線とも復調傾向にあり、国内線は新千歳路線と佐賀路線の臨時増便、国際線は寧波路線のデイリー運航があって、座席数は大幅に増えています。国内線は新千歳と広島、国際線は武漢と天津の各路線が非常に好調だったとしています。 最高利用率は、国内線の下りは12日の95.6%、上りは9日になって93.1%。16~18日の上りは80%台。台風の影響で、上下とも前半がピークだった、としています。ただ全日両方向とも、80%以上をキープしていました。国際線の日本発は12日の99.2%、日本着は15日の99.1%となりました。12・14日の日本着以外は全て90%台です。

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 エアアジア・ジャパンは、リリースを確認できませんでした。
 今シーズンで言うと、国内線は、全体的にはやはり、台風10号の影響は避けられなかった。ただ、基本的には中国・四国が最も影響を受けたので、路線がないSKYやADOはあまり影響がなかったと見られるから、路線網による明暗が、ある程度は別れたようです。去年も台風がお盆休みの最中に九州を直撃しており、この数年の世界的な気象の変動を考えると、多客期の台風対策は、航空関係者にとって悩みのタネ、となりつつあるのではないでしょうか。
 国際線は、ハワイ路線で、A380を導入したANAが優位に立ちました。しばらくはこの傾向が続くと思われるが、さて、JALはどうする。ビジュアルだけでなく、何か質的な対抗策が欲しい。
 次回は年末年始にやります。ピーチ・バニラの統合の完了や、FDAの神戸就航、JALのA350就航、その他新路線のアナウンスもいくつか聞こえるが、国際線は、やはり韓国・香港の動向が非常に懸念されます。韓国はLCC勢だけでなく、KEも日本路線の運休・減便が発表になったし(コードシェアするJALにも影響を与えるだろう)、少なくとも今年いっぱいは悪影響は免れないだろう。香港もシロートには、先行きが読めないなあ。ともかく国内線も国際線も、何の心配もしないで乗りたいです。飛行機の内でも、外でも。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 航空各社は今日、10月27日からのウィンタースケジュールを発表したが、JALは同時に、国内線仕様のB787-8の就航とプロダクトを発表しました。基本的にはA350と同じ。普通席は、国内線はさすがに9アブレストになりました。羽田~伊丹線の他、暮れには羽田~福岡線にも就航。
 ANAは、B787-10をマニラ路線に、B777-300ER新造機をニューヨーク、フランクフルト路線に導入。

 今日は東武がシステム不具合で5時間半も止まったとか、東北新幹線で走行中にドアが全開したとか(仙台駅で清掃中の清掃員が誤って、ドアを手動で開けられる状態のままにしてしまっていたらしい。ドアコックの閉め忘れか。やや不審な点もあるが)、落ち着かない一日でした。

《今日のニュースから》
18日 マリナーズ菊池雄星 メジャー初完封勝利 
19日 「派遣切り」団体交渉 日産自動車・労組 和解成立
20日 航空機シート検査不正 ジャムコに業務改善命令
21日 エフエム東京 不正決算処理公表


 三陸旅行の続きとなる最終回、前回は明日木曜日書くと書いたが、いろいろ予定が立て込んでしまいました。なので明日はお休みし、土曜日に書きます。

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