№2105 バスラマインターナショナル177(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル177」、年末には発売になっていたが、少々遅くなりました。
 表紙は宮城交通バスと、バックは秋保温泉のこけし、か。宮城交通の前身の1社、仙南交通が長町から電車を走らせていたが、廃線になってもう60年近くだ。

各地の新車から
 新車、というか、旧山口市営バス車両、まだ残っていたんだ。市営バス復刻のレインボーⅡは、譲渡20周年記念で、もうそれだけ経ったのか。

バス事業者訪問212 宮城交通株式会社 株式会社ミヤコーバス

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 前回は31号のユーザー訪問27で取り上げられていました。ちなみにこの号は阪神大震災が発生した直後の1995(H7)年8月発行で、震災発生時・その後の神戸市営バスの対応・取り組みの記事がありました。
 この10年の輸送人員を見ると、宮城交通は、乗合は東日本大寝台が発生した2011(H23)年に大きな落ち込みがあり、その後一時は2千万人台を回復したものの、2014(H26)年以降は再び右肩下がりとなり、昨年度は2009(H21)年度より3割は減っています。貸切は、震災の年がこの10年で一番利用が多かった。復興のための需要があったのだろうか。ミヤコーバスは、震災の年に需要が一時回復しているが、郊外に避難した人々の足となったのか。貸切も同じ。乗合はしばらく4百万人台をキープしていたが、この3年はまた減少傾向にあります。貸切は、2013(H25)年度に大幅な増加があったが、何だろう?
 地下鉄の開通があると、バスへの影響が大きくなるのは、どの都市でも同じだろう。南北線開業時には、補償として市営バスから宮城交通に譲渡された路線があったようだったが、東西線ではどうだったのだろうか。仙台市には、24年前にはモノレールの構想もあったそうだ(これが東西線の原型か?)。
 ミヤコーバスは当然過疎路線が多いだろうが、コミュニティバスや自治体の白ナンバーの受託が多いそうだが、自社が運行する路線は、どのように維持しているのだろうか。当然どの路線も厳しいだろう。震災後は特に。
 高速バスは、山形線は24年前は26回だったそうだが、今は80回!ラッシュ時には4分間隔だそうで、下手な地べたの路線バスより多い。山形に営業所を置く位だし。こういう路線など、アストロメガのようなダブルデッカー車は有効なのではないだろうか?
 避けて通れないのは震災で、TVでも見たけれど、営業所はかなり悲惨だ。ただ、前年のチリ沖地震の時にバス避難の訓練を行っていて、それが役に立ったという。あの地震も覚えています。結局あの時は、津波は来ることは来たが、それ程大した事がなく済んでいました。岡田出張所の管理者は、まさに命の危機にさらされてしまったようだが、助かって良かったと思います。
 気仙沼線BRTは2013(H25)年に乗っており、№933で書いているけれど、その途中、本吉駅に近い津谷営業所を、外から見た事があります。BRT車両などに混じって、旧尼崎市営バスの車両が塗色もそのままに止まっているのも見えました。JR東日本は昨年、BRT区間の鉄道としての廃止届を出していて、BRTは現在の代行バスの位置づけから、本格運行に移行する事になります。この事は、ミヤコーバスの受託運行体制に、何か影響を与えるのだろうか。
 車両数は、現状の宮城交通+ミヤコーバスは、24年前の宮城交通の乗合車の台数とほぼ同じだが、貸切+分社(登米+栗原+交通観光)が145台あり、この台数分が、グループ全体では24年の間で減少してしまった、という事になろうか。都営バス色の車両は7年前の気仙沼で見ているが、神姫バスもあるのか。

バスワールド2019
 舞台をコルトライクからブリュッセルに移しての第1回。バスラマ誌も前後編の2回になって、前編はシティバス。
 APTISは…、やはり、きちんとカーブ曲がれるの?と思ってしまうのと(ステアリング40度だそうだが、交差点を曲がる時、特に内輪差は大丈夫だろうか)、車体の強度は大丈夫なのか。ストラスブールに入るそうだが、LRTとの使い分けはどうなるのか。日本で言うと、アルナ車両や新潟トランシスがバスを造るようなものなのか。
 もう、ここで展示されるEVは、1充電あたりの走行距離は200㎞はあたりまえ、500㎞に手が届くモデルもあるようだ。
 何回か書いていると思うが、欧州はLRTも普及しているが、LRTとバスの線引きはどこで行っているのだろう?いつか、この点について、もう少し突っ込んで書いて欲しいと思う。

バスラマのブラジル バス紀行
 PART3は長距離バス。まず、鉄道事情はどうなっているの?と思われる方々が、少なくないのではないだろうか?長距離バスは、日本や欧州など、鉄道との厳しい競合が避けられない国がほとんどなので、簡潔でもこの辺の事情が記されると良かった。都市間鉄道は、20世紀の内に壊滅してしまったらしい。サンパウロ~リオ間すら、旅客列車はもうない。
 サンルイス(深夜着→6時出発、とは、大変でしたね…)→バレイリーニャス間250㎞、というと、日本では東京~浜松間位に相当。JRバスの東名ライナーは3,950円だから、単純に比較はできないが、運賃は半額以下だ。
 サンパウロのトロリーバスは、下の赤い方は、長胴で後ろ2軸だから輸送力は大きそうだが、ドアが2ヶ所とも前後輪の間にあると、旅客の流動はどうか。本当は車内の写真があれば良いのだが。
 今回の訪問は7月だったそうだからアマゾンの火事の前で、この点は幸運だったかも知れない。治安(6年前のサッカーW杯・4年前のオリンピックの直後は、経済への不満から来る混乱もあったが、今はどうなのだろう)よりもむしろ、現政権の強権的な政治運営の方が問題かも知れない。地方の州・都市の自治にどの程度影響が及ぶのかは解らないが、アマゾンの火事への対応などを見ると、環境に優しくはなさそうで、あるいは公共交通の運営にも、何かしらの影響が及ぶのかも知れない。低公害化を阻む方向に、行ってもらいたくはない。
 ブラジルは、遠いなあ…。

その他
・ 日立自動車交通のSORAは、都営バス、京急バス、横浜市営バスに次いで4者め、民営では2社め、という事で良いのだろうか。車両そのものより、新型運賃箱が注目された。ICカードが普及すれば(導入路線ではもう9割になるそう)、運賃箱が小型化し、通路が広くなるので、乗車もスムーズに行くだろう。ただ、現金も扱うものの釣り銭は出ない、と言うから、現状では、他社での導入は簡単には進まないかも知れない。私の実家の近くの神奈中バスあたりも、既に7~8割程度はICカードでの乗車になっているように見えるが、もう少しICの割合が増えないと、導入は難しいだろうと思う(他区間の路線もあるし)。あとはスマホ決済への対応も、今後の課題となるのではないか。
・ 海外バスニュースに、BYDノースアメリカの新型EVバスモデルを発表、とあるが、米トランプ政権はは米中貿易紛争で中国企業を敵視、BYDも米市場から排除しよう、という動きがあるらしい。既にマイアミのモノレールを問題視しているとも聞く。BYDノースアメリカの工場があるカリフォルニア州は環境対策でトランプ政権と対立しているが、「温暖化全否定」+「中国企業排除」の政権に、どこまで抗えるのか。
・ 韓国バス研究会がレストアしたBF101は、系統番号と運行番号をじかに書き込んでいる。扉の位置を完全に変えたそうだが、きれいに仕上がっている。日本も同じだと思うが、特にアジアでは、まだバスの保存は有志の力に頼るしか、ないのだろうか。

 今号は全体的にあらゆる面で、現状の日本のバス業界の現状に対する苛立ち、みたいなものを感じたが、これも何度か書いているが、全ての面で、もっと国民世論の底上げが、必要なのではないだろうか。バスのショーにしても、東京モーターショーには大いに不満のようだが(確かにそう思うが)、「バス専門の大規模なショーがある事自体、バス業界の外にも内にも知られていない」というのはあると思う。世界的に温暖化対策をもっと徹底してやれ、との声は大きくなりつつあるが、その傍らで、休日や行楽シーズンに平気でマイカーの大渋滞が起きて、特にバスの運行に重大な支障が出るようでは、先が知れているような気がする。バスラマ誌は専門色が濃い雑誌なので大衆へのアピール度はやや薄いと思うが、バスファンや業界だけでなく、もう少し一般の世論を喚起する誌面の方向性があっても、良いのではないだろうか?この点、「バステク」は有効な手段の一つだと思うが、どうだろうか。

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 こんな時に、テヘランでウクライナ機の墜落事故が起こってしまいました。原因はいろいろ取りざたされていて、撃墜説もあるのだけれど、誰が、何のために旅客機を撃墜させるの?そうだとしても、誰にも、何の得にもならないだろう。事故原因の早急な究明が求められるのだが、イランは回収したブラックボックスを、アメリカやボーイングには渡さない意向らしい。全員死亡の悲惨な惨事が、政治的な思惑で弄ばれるとしたら、何とも腹立たしい。

《今日のニュースから》
 8日 養豚場のブタ CSF感染確認 沖縄県うるま市
 9日 横浜市で水道管破裂 磯子・港南・南区で断水

 オーストラリアの山火事は、新年になって規模が拡大し、既に北海道と同じ面積が焼けてしまったそうです。野生生物も多数犠牲になっていると聞きます。オーストラリアはもう少し、自然保護とか環境対策をキチンとやる国だと思っていたのだが、そうでもなかったのか。
 脚本家の上原正三氏がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。私と同世代か、もっと上の大先輩方は、上原氏脚本の映像作品の洗礼を受けた方が多いと思う。私の頃にはもうウルトラマンより、東映のスーパー戦隊とかメタルヒーローシリーズの方に軸足を移されていたと思うが(ロボコンのようなコメディ路線やアニメも多かったが)、何が一番印象的な作品だったか?と問われたら、私は、宇宙刑事シャリバン(1983(S58)年)、ですね!ガンダム出現以降、アニメのファンはそれまでの青年・少年向けの主流だった熱血路線からやや距離を置く傾向にあったが、その彼らの心をも再びつかんだ熱い作品だった、と思っています。特撮界の巨星が、墜ちてしまった…!

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