№2159 JTB時刻表2020年6月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2020年6月号」、月曜日に発売になったばかりです。
 表紙は、伯備線・黒坂~根雨間を走る「WEST EXPRESS 銀河」。

新たな長距離列車 「WEST EXPRESS 銀河」徹底特集
 本来は5月8日京都出発でデビュー、だったはずだが、今日現在は、新しい運行開始日の発表はない。
「乗りたくなる3つの理由」のトップに「117系の改造」があるが、1月号で少し書いたが、同時期デビューの関東の特急車185系と何かと比較されて(基本的な走行システムや、転換クロスシートは変わらないのに、片や快速、片や特急、なので)、「関西はいいよな」みたいなムードが、当時の大多数の鉄道ファンの中にあったのは事実でした。だから、むろん普通の特急転用ではなく、夜行列車向けに大改造されてはいるが、それにしても今になって117系を「特急」に使うというのは、どこか皮肉めいているようにも感じられます。

 デザイナーへのインタビューがあるのだが、一つだけ気になったのは「117系は国鉄時代の設計だから天井が低くて、クシェットの設計に苦労した」という部分。確かに最近の車両よりは天井が低いかも知れないが、それ以前に、根本的に117系は「昼間の快速電車」のために生み出された電車で、夜行の、それも寝台を設計するような寸法ではない。最新のJRの電車だって、転用改造しようと思ったら、設計は苦労すると思いますよ?ラウンジのマークは、かつての寝台特急のヘッドマークだ(「遊星」という列車はなかったが、フリースペースだからか英文は「YOU SAY」になっている)。最初のリリースの時点から想像できたが、「瑞風」や「ななつ星」「四季島」のような、至れり尽くせりのサービスを提供する列車、ではなくて、乗り合わせた人々が、肩がこらずに自由にくつろげる、という列車を意識したデザイン、と言えると思います。最近はローカル鉄道でもかなりこってりしたサービスを誇る列車が多くて、それもいいけれど、個人的には肩も凝りそうだし、食傷気味、という感もしてきているので、その点では新鮮かも。

近年ブーム?全国の夜行列車
 ブーム、なのかなあ?〔ムーンライトながら〕は近年運行日数が減っている上、今号の本文には時刻の掲載がない。新型コロナウィルス対策のために発表を見送っているだけなのか、運転されなかったとしても、今夏だけの特殊事情によるもの、だけだったら良いのだが…。
 前のページに先代の寝台急行〔銀河〕について記されたコラムもあるが、本当に夜行列車が復活してほしいのは、やはり東京~大阪間だと思う。もう寝台である必要はないと思うし、著名デザイナーを起用したゴージャスな列車でなくてもいい。極端な話、それこそ117系や185系の転用で構わない(夜行列車向けの改造は多少必要だろうが。「ノビノビ座席」は欲しいかな)。むろん、もはや全国津々浦々にネットワークを張り巡らせる時代でもなくなってしまったが、大都市間であれば、低廉な旅行を望むニーズは少なくないはず。特にジャパン・レールパスで旅するインバウンド(しばらくは期待できないけれど)は、結構利用してくれるのではないかと思う。区間も東京~大阪に固執せず、東京~新大阪~USJ、舞浜(TDR)~新宿~大阪とかだって考えられるはず。そしてなにより、「青春18きっぷ」で乗れる列車を強く希望します。追加料金はやむを得ないが(現行の指定席料金を多少は上回っても構わない)、「WEST…」のような特急、ではなくて、快速のカテゴリーで走って欲しいなと、ちょっとばかり期待もしています。JR西日本は「WEST…」に見られるように、中距離程度の夜行の復活を模索していた所があるようなので。

「のりもの情報局」は、「六甲有馬ロープウェー NEWゴンドラデビュー」「広島電鉄『PASPYで広響応援』」「三岐鉄道『鉄道むすめ 楚原れんげ』」「天夢人『旅鉄BOOKS「駅弁大百科」』」「JTBパブリッシング『観光列車で出かけよう 関西 中国 四国 北陸』発売中」。
 六甲有馬ロープウェーは、緊急事態宣言期間中もGW以外は運行が継続されていたが、最終便は現在、曜日に関わらず17時10分発。当面継続、との事。
「鉄道プレゼントコーナー」は、東武鉄道850型854編成3両セット。東武伊勢崎線は、6月6日改正で館林以北の一般列車が全てワンマン運転になる(現在若干走っている浅草~太田直通はなくなる)ので、普通の全列車が800・850型になるが、そろそろ置き換えという話が出てもおかしくないはず。いつまで走るだろうか。

特集のページ
「ひと目でわかる!JR線 電化区間と複線区間」は1月号でやったばかりでした。この半年近くで変わった点としては、札沼線非電化区間の廃止(「4月17日限り」となっているが、5月6日までは、路線は休止扱いで残っていた事になるのではないだろうか)と、その前の、気仙沼線・大船渡線BRT区間の、鉄道としての廃線。
 それと、常磐線が3月14日に全線再開したが、大野~双葉間が複線化して再開していたとは、知らなかった。
 JRで次の変化は何だろう?奈良線の一部複線化だろうか。この前関連の工事で運休(バス代行)があったし。

 掲載があるのだろうか?と思われていた夏の臨時列車は、一部掲載があります(JR各社からのリリースはなかった)。ここに記されている列車では、〔鎌倉あじさい号〕〔ホリデー快速鎌倉〕(6月運転分)は、取りやめが発表になっています。〔SLぐんまよこかわ〕〔ELぐんまよこかわ〕〔SLYOGISHAよこかわ〕は、ここに記されている運転日は、今の所は取りやめという情報はないようです。京葉線の臨時快速や、〔赤ヘル号〕も、運行はないはず。

 会社線は、6月6日運行開始の〔THライナー〕の時刻を掲載。朝方久喜→恵比寿、夕方霞ケ関→久喜の運行で、東武伊勢崎線・東武動物公園~久喜間で日比谷線直通の運行は初。運行が始まるか心配だったが、東武は東上線〔TJライナー〕も運休しなかったし、緊急事態宣言が解除されているから、このまま運行開始と期待して良いでしょう。
 水上バス「東京水辺ライン」(6月2日運行再開)は、6月21日より、浜離宮発着をWATERS竹芝(JR東日本四季劇場も造られるが、開場・こけら落としは10月24日に延期とリリースあり)発着に変更。高速バス・渋谷~木更津線は一部運休中。三井アウトレットパーク便は全便運休。

本文
 東海道・山陽新幹線のページには驚かされた。スカスカ!
 6月は臨時列車を全て取りやめ、定期列車のみ(結局定期列車はほぼ予定通り運行だが、〔さくら〕〔みずほ〕は一部運休)の掲載となっているからだが、臨時列車がないとこんなにガランとしてしまうとは、思わなかった。東北や上越に比べるとビジネス需要が多いはずだから、そんなに輸送量に時期的な変動はないものだろうと思っていたのだが、そうでもなかったようだ。今春ダイヤ改正では、東海道新幹線〔のぞみ〕(1時間に)最大12本運転開始、がウリの一つだったはずだが、現状では〔のぞみ〕〔ひかり〕〔こだま〕合計でも、最大で1時間10本にしかならない。改正後、まだ「〔のぞみ〕12本運転」は、行われていないはずだ。春休みに入る前に、新型コロナウィルス感染禍の影響を受けてしまったので。
 九州新幹線は、運休の列車は5月31日まで、となっているが、6月以降も引き続き運休となる模様。
 東北・上越・北陸等の新幹線は臨時列車も掲載になっているが、6月は全部取りやめとリリースされています。
 在来線特急は、6月以降も減便がリリースされている列車があり、JR北海道は6月14日以降減便の規模が拡大、〔大雪〕全便、〔サロベツ3・4号〕も取りやめとなるが、ここではまだ反映されていない。〔成田エクスプレス〕も、30・31日の渋谷駅工事関連の運休のみ掲載。6月はオフシーズンで梅雨に入る事もあるだろうし、7月以降に復便を期待したいが、特に空港アクセスは航空次第だから、相当回復が遅くなる懸念があります。

 湘南新宿ライン・埼京線・相鉄直通の渋谷駅は、6月1日の新ホーム使用開始以降の時刻を掲載。新宿→大崎方向は1分早く、逆は1分遅くなる列車が多い。相鉄直通は一部、恵比寿が1分程度変更になる列車があります。

 会社線は、北神急行電鉄が6月1日より、神戸市営地下鉄北神線になります。同時に運賃も変更になり、割安になります。谷上から新神戸まで370円→280円、三宮まで550円→280円、新長田まで620円→350円、西神中央まで750円→480円。「みどりのUライン」は在来の西神・山手線に北神線が加わって、事務上は3つの路線にまたがる事になるが、この路線こそ、谷上~新神戸間で統一した新しい路線名が欲しいと思う。
 札幌市電の札幌市交通事業振興公社への移管は、まだ反映されていない。

 裏表紙は、また繁忙期・閑散期のカレンダーになりました。

付録.jpg
 付録は、「WEST EXPRESS 銀河」のしおりセット。左は、京都→出雲市の時刻(当初予定の運転日が記されている)。

 次号7月号、本当はオリンピック関連の特集になったんだろうなあ(来年こそ)。「時刻表の楽しみ方」がグラビア特集になるらしい(個人的には、石野哲氏の名著「時刻表名探偵」的な記事を期待)。とにかく今夏は、少なくとも「さあ夏休みだ!どこ行こう?」みたいな事にはならないはず(祭りや花火大会がことごとく中止になっているし、海水浴場の閉鎖も相次いで発表されている)で、せめて減便されている鉄道各路線のダイヤが、少しでも元に戻って欲しいと願います。それと、水郡線・西金~袋田間が7月4日再開とリリースされているので、列車+代行バス(上小川~常陸大子間で運行)の時刻が掲載になるでしょう。袋田~常陸大子間は来年になってしまいそうだが。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


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 新型コロナウィルス対策優先で例年に比べて遅れている、各鉄道会社の設備投資計画の発表だが、まず昨日、相鉄がリリースしました。分社化して久しいバス部門が今年度も含まれていて、鉄道178億円、バス8億円を投資。
 鉄道は、20000系を今年度10連×6編成導入。2023(R5)年度までには全16編成を導入、としているが、現在の相鉄の最大勢力の8000系が12編成(120両)なので、東急直通開始に伴う増強を考えても、相鉄の規模からしたらかなり多い。7000系だけでなく、8000系の置き換えも、視野に入ってきているのか?他に10000系1編成をリニューアルし、9000系の空調システムを改良。ホームドアは二俣川・大和・湘南台に整備するとともに、ホームの補強や、TASCの準備工事を実施。天王町・星川両駅は引き続き改良を推進(№2133で星川駅に留置線2本新設、とウソを書いてしまったが、これから整備)。海老名駅の総合改善事業を引き続き推進し、新駅舎開業は2022(R4)年度を予定。西谷・希望ヶ丘はホームに待合室を新設。
 バスは、一般路線車17台中10台がハイブリッド車、という事だが、導入が予想される日野ブルーリボン・ハイブリッドは既に15台あり、合計で25台となると、ひょっとしたら民営バスとしては最大級の導入数となるのか?現状の規模からしたら、かなりの割合になるのは、間違いない。他に「ASV型」高速バス2台を導入。

 JR九州は、豊肥本線・肥後大津~阿蘇間は8月8日再開とリリースしました。詳細なダイヤは後日発表との事。観光の面で大いに期待はしたいが、パンデミックの状況下では、特にインバウンドの来日がしばらく期待できないはずなので、ちょっと不安があります。この路線が開通すると、熊本地震で被災した鉄道で不通区間が残るのは南阿蘇鉄道のみとなるが、こちらはいつ再開するのか、というか、いつ再開のメドを示せるのか。

《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
27日 日産・ルノー・三菱3社連合 新中期計画発表 役割分担明確化
(アメリカのウィルス感染死者10万人超 世界全体の約3割) 
28日 あおり運転「2類型」 危険運転に追加 処罰法改正案 衆議院通過
(札幌市デパート丸井今井・三越 全館で営業再開)

 今日は登戸の児童殺傷事件から1年でした。今月は大津市の自動車の事故からも1年で、京アニ放火事件では容疑者逮捕というニュースもありました。いずれも、「風化」をいかに防ぐかが課題であり続けるが、今年は特に「パンデミック」の真っ只中であり、しかもまだまだ現在進行形であるので(北九州市で感染が拡大しているという)、これらの重大事件でさえも、市中のコロナ禍の混乱にかき消され、風化を食い止めるのが、さらに難しくなってくるのではないだろうか。

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