№2153 バスラマインターナショナル179(ぽると出版)

「緊急事態宣言」が、8都道府県を除いて解除されると発表になりました。我が神奈川県を含んだ残る8都道府県も、来週を目途に、可能なら解除、という方向になるようです。一つのヤマは越えるのかなとは思うが、「ステイホーム週間」の成果が表れたのかどうかが解るのがたぶん来週くらいで、その数字を見ないと、安易には答えが出せないでしょう。韓国ではせっかく抑え込みが成功しつつあったのに、また大規模なクラスターが発生したという事で、日本も意識せざるをえまい。ともかくこれを機に、全く以前とは同じ、とは甘いとしても、「新しい日常」ではなく(それが正しい方向なのかは少々疑問なので)、ある程度でも「元の日常」に少しでも近づくような回復がなるよう望みたいと思います。特にバスを初め、交通業界は陸も空も海も、大きいところも小さいところも、上も下も、皆傷ついてしまいましたので、少しでも癒しが欲しいです。「移動」がなかったら、乗り物は生きていけなくなるのだから。

「バスラマインターナショナル179」、先月末には予定通り刊行されていたが、取り上げるのが遅くなってしまいました。バスラマ誌は元々店頭で取り扱う書店があまり多くない上、店舗の営業自粛(商業施設にテナントとして入っていて、その施設全体が休業、というケースも多い。我が町戸塚なんてそうだ)で、発行=即購入がやや難しくなっているのが現状のようです。

2020 春のオムニバス
 本当だったらどれもこれも、ファンにとってはウキウキ、なトピックスのはずなのだが、京王のアストロメガ(行先が少し見づらいが、河口湖と書かれているようだ)は適材適所と思うのに中央道高速バス全体が大幅減便中、東海バスの湯~遊~バスの新車も、路線そのものが全便運休になってしまって、とりあえず現状では見る事ができない。東京BRTもプレ運行開始は延期と、先日発表がありました。
 都営バスのSORAは、3月末に東京ビッグサイトに立ち寄ったら、ここだけで4台見る事が出来ました。6年経ったら、晴れて東京都交通局の所有になる、という事だろうか。東急バスにも入ったが、今の所、都営バス以外で導入している事業者(京浜急行バス・日立自動車交通・新常磐交通・東急バス・横浜市交通局)はいずれも1台ずつで、都営バス以外で複数台導入する事業者は、現れるだろうか。そういう事業者が出てくると、一気に導入に弾みがつくと思う。
 横浜市営のBAYSIDE BLUEも、地元も地元なので大いに期待したいが、今日現在では、交通局から具体的な運行開始日や、運行内容の発表はありません。バスラマ誌では、4台並んだ姿が見られました。走行システムだけでなく、外観のカラーリングも、塗装+フィルムラッピングの「ハイブリッド」らしい。
 富士急のBYDは、河口湖~御殿場(プレミアムアウトレット)路線に導入出来たら面白いと思う。特に御殿場→篭坂峠の上り坂をEVがどう克服するか、というのも見もの。今はこんな状況だけれど、特に中国人のインバウンドが見たら、どんな感想を抱くかも関心があります。ただ、見た限りでは長距離路線として使うには、車内の仕様はやや簡素かも知れない。長距離仕様に転換する事は、考えられないだろうか。

各地の新車から
 ここも、一般路線車はまだしも、高速バスや空港バスは不運だなあ。
 神奈中のセレガ空港車は、実は3月に羽田空港に向かう空港バスに乗った時に湾岸線上ですれ違っていて、アレ?と思ったものだった。日野は初というが、神奈中の空港車で三菱ふそう以外となると、空港バス参入当初にベルマーレの送迎バスから転用された、いすゞスーパークルーザーSHD以来だろう。神奈中は他に、リフト装備のエアロエースが成田空港路線に入っているが、ここでは触れられていない。
 九州産交のエアロスター・ワンステップ、1月に見ました。熊本駅近くで撮ったものを、№2114でご覧いただいています。
 立川バスにブルーリボンハイブリッドが入って、立川バスの日野一般路線車は半世紀ぶりだ、と記されているが、なぜエルガハイブリッドにならなかったのか?この辺の選択の基準は、何であろうか。

バスラマ創刊30周年記念インタビュー
 今後数回続くようだが、第一回は、日野自動車の下 義生社長。
 低公害車両は、バスはEV、トラックは燃料電池が向いているように見えるという事のようだが、現状では、いきなり日野からEVのバスを発表する、という感じには見えなかった。トレイトンとの提携の進展次第だろうか。前にも書いたが、もはやディーゼルバスの延長線上では満足できる性能のEVは作れず、一から新設計にしなければならない。それは車体の構造にもかかわってきて、日野自動車だけでは解決できないだろう。
 日本の保安基準をメーカー側から変えるよう提案ができないか?という質問が出たが、車両の規格に関しては、元々の日本の道路事情にも起因している所はあるだろう。何度も書くが、法令より、実際のインフラの面の制約が大きくなるのではないか。連接バスや15m級車両は道路の占有スペースが大きくなるし、公道よりもバスターミナルの方が問題だろう。変えるなら、全幅かなと思う。通路を広くとれるようになるだろうから。日本は欧州より10㎝狭いが、この点は現状でも、なんとかなるのではないか?
 EV等のグローバル化への対応、という点からは、先に書いたBYDとか、オノエンジニアリング(7m車はポンチョの強力なライバルに成りうる存在だ)、あるいはアルファバスなど、中国製のEVバスはどう評価し(まだしようがないかも知れないが)、どう向き合うのか、この辺こそ聞きたかったと思う。既にBYDはある程度普及しつつあり、ANAの自動運転バスのベースにもなっているので、見て見ぬ振りもできないだろう(BYDはトヨタと提携したが、これは日野自動車には、なにか影響を与えるのだろうか)。当然、意識はしていると思うが。

バス事業者訪問214 中日臨海バス

中日臨海バス.jpg
 バスラマ誌はこれまで、貸切専業事業者はいくつか出てきたが、特定輸送をメインとする事業者は、初めて。他にも空港などでも業務用(主に外国の航空会社のクルーを輸送)をメインとする事業者をいくつか見かけるが、日本ではやはり、中日臨海バスが最大級かもしれない。
 この「中日臨海バス」の社名の由来は、何であろうか?どこにも記されていなかった。むろん言うまでもなく、中日新聞社や中日ドラゴンズとは、何の関係もないが。ファミリー経営、というのは、昨今の交通事業者、特に広範囲に事業を手掛けるような会社だと、珍しくなってきているのではないか。現在の代表取締役社長は、会長の息子、なのか?だいぶ若く見える。
 大阪堺と三重の支店の状況は正直解らないが、京浜支店は川崎なので、よく見かけます。川崎市の東部の東扇島とかは、特に流通関係の企業が非常に多くて、他にも川崎市営バスの路線バスも終日便数が多く運行されて乗客も多いし、ラッシュ時には横浜からの通勤高速バスもあるので、それらも含めると、相当な需要が存在しているようです。それは先日、私も東扇島に行く市営バスに乗って感じた所でした。高速バスも、他の路線が乗客大幅減で苦しんでいる最中でも常に満席に見えるし、あの辺に立地する企業はたぶんどこも、「テレワーク」なんてマネはほとんどできないだろうから、企業が稼働する限りは、安定した需要が見込めるでしょう。むろん、油断しているとヨソに契約を取られる可能性もあるが。
 ここでも繰り返し書いてしまうのだけれど、中日臨海も、ダブルデッカー車が向いているのではないか?駅と企業のポイント・トゥ・ポイント輸送、途中の乗降もなく、ドライバーの運賃収受もなく、一度に多数の乗客を座らせて運べる、(場合によってはバリアフリー構造も活かせる)ダブルデッカー車は、ここでもドライバー不足が悩み、という場面では、うってつけではないかと思われるが、どうでしょうか(契約元の企業の考え方にも拠るが)。
 東京モーターショー輸送の写真で、真ん中の赤いセレガ?は何だろうか。特に説明書きがないが、トヨタ自動車のスポーツチーム(ラグビー・女子ソフトボール・女子バスケットボール)の共通輸送車のようだ。普段は一般の貸切でも利用できるのだろう。
 高速バス部門として、米ラインエクスプレスの安全対策も記されているが、「大幅な減便」どころか、ウィラーは一時全便運休という事態になってしまいました。今後の復活には期待したいが、苦境は他のバス事業者とて同じで、あるいはこれを契機に、大幅な業界の再編成(場合によっては一般路線まで巻き込んで)が起きるのかも知れない。

「スーパーハイデッカー・ノンステップバス採用実績」で、下段モータースのポンチョ(2DG-HX9JLCE)が注目される。JR北海道札沼線の代替バス用と思われます(既に当別町のコミュニティバスでも導入されているが)。同社のWebには、札沼線代替バスについては何も触れられていないが。この表を見ると、エルガ・ハイブリッドは関東鉄道と東京ベイシティ交通に導入があるが、両社とも2台ずつ、一方で日野の大型車がほとんどない相鉄バスが一挙10台導入だから、だいぶ少ないなあの印象は否めない。

“一番近いヨーロッパ” ウラジオストックでバスに乗る
 というタイトルであり、ANA・JALの新規就航のCMでも「一番近いヨーロッパ」のフレーズをそろって使っているけれど、個人的には…、ウラル山脈より東は、純粋な欧州とは、思っていない。中国や北朝鮮との国境にも近いし(中国吉林省に新型コロナウィルスを持ち込んだ旅行者も、ウラジオストックから陸路で国境を越えたらしい、というニュースもあった)、国家の体制はモスクワと同じでも、アジア的な雰囲気が強いのではないだろうかと思うが、どうだろうか。車両も韓国製がほとんど、というのではなおさらだろう(系統・運行区間表記の方法も韓国と同じだ)。
 写真だけで全体像を判断する事は出来ないが、全体的には、トロリーバスや市電も含めてかなり古そうだ。60万都市だと地下鉄では大げさすぎるが、西欧ならLRT導入、という話も出そうだが、シベリアではどうなのだろう。バスの乗り方について記されていたが、バス停そのものの写真があれば良かった。

 次号は…、30周年記念インタビューと事業者訪問(北海道北見バスと網走バスになるらしいが)のみ予告されているが、どうなるのだろうか。東京BRTは運行開始延期を発表しているし、バステクフォーラムも7月に延期だし、ともかく日本全国で運休だ減便だでは、何を書く事になるのだろう。事は当然日本だけではなく、韓国の連載記事も、彼の地の悲惨な状況を記しているが(ソウル高速バスターミナルは懐かしいが、全部で何台いるの?これだけで日本の中堅クラスの事業者全体に相当するくらいはいるだろう)、心配されるのは欧州で、日本より遥かに厳しい、罰則まで付された外出制限が出された環境下では、バスも日本以上に青息吐息だろう。今後外出制限が緩和、もしくは撤廃されても、バスを含めた公共交通が敬遠される傾向が出てくるのではないかと、非常に懸念されます。欧州の一部の国の政府には、公共交通機関を利用させたくはないように考えている節があるので(自転車レーンの整備をするとか言っている国がある)。日本も含めてだが、今後当分の間(できるだけ短期に済む事を願いたいが、そうはならないんだろうね…)、ウィルスの影響が避けられない環境と、その環境に対応する政治の世界に、世界のバス業界(事業者も、メーカーも)はどう向き合うのか、どう向き合っていくべきか、今後記事として記される事を願いたいと思います。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
13日 米ポンペイオ国務長官 イスラエル訪問
(BCGワクチン 新型コロナウィルスに予防効果なし イスラエル研究グループ発) 
14日 シベリア戦没者遺骨取り違え問題 専門家会議が最終提言
(高島屋 東京・千葉3店舗 全面営業再開)

 今日は信楽高原鉄道の正面衝突事故から29年でした。ここでも新型コロナウィルス感染禍の影響が出ていて、追悼式はささやかなものになったようです。どんな事故・災害でもいかに「風化」をさせないようにするかは大きな課題だが、現状のような世界的な災難の下では、より困難なものになるのでしょう。

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