№2237 バスラマインターナショナル182(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル182」、先月末刊行になりました。
 表紙は横浜市営バスの「あかいくつ」「BAYSIDE BLUE」、ブルーリボン・ハイブリッド。

各地の新車から
 福島交通のメロディバスは、実物は見ていないが、先日福島駅に降り立った時、跨線橋の古関裕而の展示と並んで写真がありました。
 後半の方に、秋葉バスサービスのエアロスターがあって、静岡鉄道旧塗装(銀+青帯)が施されているが、カラー以前に、新車が入るのか。何となくしずてつジャストラインからの移籍車がほとんど全てだろう、というイメージがあったので。

特集 新型コロナウィルスCOVID-19のバスへの影響Ⅱ
 180号の緊急特集に続く2回目。

 動向を、テキスト・グラフと合わせて私なりに業態別に整理、今後を展望してみると(以前書いた事に繰り返しの部分もあるが)、

一般路線 全体的に4~5月(「緊急事態宣言」が発出されていた頃)が底、以降は徐々に回復傾向にあったが、8月はまた減少。ただ北海道北見バスは、8月は前年比80%弱くらいには回復している。深夜バスに関しては、事業者によって対応が分かれているように思えるが、全体的に土曜日の運行が、ほぼなくなりつつある。JR東日本が終電の繰り上げを発表し、他鉄道会社も見直しを表明している所もあって、少なくとも24時台以降の便の運行は、ほぼなくなると思われる。深夜急行バスも、東武バスがいくつかの系統を運休のまま廃止にしていて、縮小傾向をたどるのだろうか(繰り上がる終電をフォローする形で、時刻を繰り上げて上で存続、の可能性もあるが)。

高速路線 不安定。再開・増便と再運休・減便の繰り返しになっている路線が少なくない。短・中距離路線のレンタカー移行傾向は、やはりと思った。マイカーへの転移も、非常に懸念される材料だと思われる。また、運行していても座席数の制限を行っている路線も少なくなく(窓側だけ使用で、定員の半分以下など)、採算上心配される。個人的には、先日乗ったJR久大本線代行バスの状況などを見ると、バス側の対策がしっかりしていれば、さほど神経質になる事もないのではないかと思われるが、どうだろう。

定期観光 はとバス、京阪バスのみ対象となっているが、この2社は大手級なのでまだ耐えられるかもしれないが、地方都市の路線は、維持が難しいかも知れない。元々旧来の定期観光バスは減少傾向で、観光スポットにバス停を設定する、循環形態の路線バススタイル(あとで出てくる横浜市営の「あかいくつ」など)に移行している場所が少なくなかったし、今後もこの傾向が続くのではないか。

貸切 実は今週、ちょっと伊香保温泉まで行ってきたのだが、当然最盛期なみとは行かないが、貸切バスを見かける機会が少なくなかった。修学旅行らしき学生も見られたので、その辺はある程度明るい材料ではないか。ただ、インバウンドをメインのターゲットにしてきた零細事業者は、今後も苦しいだろう。

空港連絡 グラフを見ると、東京は何とか右肩上がりだが、大阪は8月にまた減少してしまった。空港バスはやはりバス側だけ良くても、航空需要が持ち直さなければ回復は容易ではなく、特に大半を国際線に依存する成田空港関係の路線は、だいぶ厳しい状況が続くのではないか。このまま再開せず廃止、という路線も出てきそうだ。

「Go To トラベル」キャンペーンは、キャンペーンそのものより、当初は東京都発着が除外された事が問題、と考えられているようだ。問題、というよりガッカリ、という事だろうか?

 続いて、バス事業者の取り組み。
京阪バス 定期観光バスは4月17日に全面運休になり、ドライバーは車両の重点的な手入れ、ガイドは事務や資料作り。京都府の緊急事態宣言は5月21日に解除されたが、定期観光バスの再開は6月19日。従ってまるまる2か月間運休になった。京阪バス全体ではコロナ禍後の需要はコロナ禍前の10%減少を予想。大阪・関西万博やIRは期待。
名鉄バス 緊急事態宣言発出中の輸送力は通常の20%だが、利用者は10%、という事は、単純計算では1便当たり半分以下の利用しかなかったという事か。空港バス関連のドライバーは他営業所の応援に回り、ドライバー不足に関しては一息付けた。一般路線は6月以降、細かなダイヤ改正を繰り返している。車両の購入計画には影響が出るだろう。
濃飛バス インバウンドが突然いなくなり、ある程度安定した需要だった通学も、休校措置でなくなってしまった。一般路線は必要最小限の利用はあったが、ほぼ空気輸送。観光に出たいという願望は潜在的にあるようだ。なおコロナ禍だけでなく、7月の豪雨災害も影響が大きかった(JR高山本線も止まってしまったから影響はさらに大だったろう)。

 その後、リムジンバスの車両公開ツアーと、はとバスの「迷路」も紹介。空港内だけで使用される車両は、航空便が大幅減便になっている今だから、という事だろう。
 他にも、バス以外も含めて、あるもの、できる範囲でなんとかしようという試みが、数多く見られるようになりました。皆が盛況で終わってくれればと思います。いずれにしろ、日常の利用さえ大幅減少、となると、それ以外の部分に頼る所が大きい地方の事業者などは、しばらくは辛い状況が続きそう。

バス事業者訪問 218 横浜市交通局

横浜市営バス.jpg
 地元も地元、ある程度期待して読みました。
 先に「BAYSIDE BLUE」に乗車した感想は、日曜日の午後に往復で乗ったのだが、利用者がまずまず多かったのはホッとしました。一方で、やはり横浜の宿命、となってしまうのか、道路事情の影響で、運行にスムーズさを欠いている印象がありました。「BAYSIDE BLUE」に限らない事だが、特に右折が弱い。一度赤信号に引っかかると、通過まで2分はかかってしまう。あとはやはりもう少し本数が欲しいと思う。20分間隔くらいにもってこられれば。「連節バス」そのものがどうこうという事は、特に感じなかった。
 前回は2002(H4)年10月の74号以来で、18年ぶり。2007(H19)年の路線再編は、私にも重大な関心事となったので、市内をあちらこちら歩いて写真に撮り、本体に掲載させて頂いています。そういう事があって、路線網は、特に北部と南部でかなり減りました。ただ、本来はあと数系統民営に移管する予定だったのが、結局市営のまま維持されている系統も、いくつかあります。確か若葉台〔営〕も廃止という方向だったと聞いていたが、結局そのまま維持されています。
(市の西部はもともと民営バスの地盤だったので、市営バスは最初から走っていない)
 輸送人員は、路線を大幅に減らした後の2009(H21)年度が大きく減少、しかし2013(H25)年以降は1.2億人台を回復し、去年度までは増加傾向、という感じでした。貸切は一旦廃止の後復活(貸切は、一般路線バススタイルも少なくない)、定期観光と特定(養護学校スクールバス)は廃止。
 相鉄と東急の相互直通運転開始は、元々新横浜を境にして相鉄側、東急側共に直接競合する系統は少ない。せいぜい129系統が新横浜駅~西谷駅間で競合関係にあると言えるが、本数は元々あまり多くはないし、鉄道から離れたエリアを走るので、あまり影響はないと思う。むしろ東急が新横浜に入る事で、在来線で新横浜からダイレクトに東京に向かうルートが生まれる事になり、新横浜をベースにした路線の拡充が期待できるのではないか(陥没事故があったから開業は遅れると思う)。
 病院の送迎バスを受託しているが、三ツ沢の市民病院が5月に移転し、系統の再編成も行われました。この辺の記述はなかった。
 車両面では、「あかいくつ」は、「BAYSIDE BLUE」スタートと同時に1路線を廃止していて、初期の車両は15年に達しているから、そろそろ廃車になりそうな気がする。CNG車は、18年前にはは「55台になる予定」と記されていたが、現在は11台のみで、低公害車はハイブリッド車が主力になった。「赤レンガバス」は、まだラッピングはそのままなのか。黄色の水玉模様の車両は、元々は大さん橋に発着する客船の送迎車両だったはずで、一般路線でも走っていたのだが。それにしても(あくまで趣味的だが)、9割方がJ-BUS系になったので、正直面白みが薄くなりました。J-BUS以外の一般路線車は、2011(H23)年の三菱ふそうエアロスターが最後。
 燃料電池バスが走り出したが、EVは1台が改造で走るけれど、本格的な展開は考えているのだろうか。海外製、特に中国製の採用はありうるか。
 市営バス路線網は、再編成以降は基本的に現状を維持しているが、コロナ禍より前から、各系統とも便数が減少傾向にあるのが気になる所で、これは市営に限らないけれど、単純に系統毎の便数の増減だけでなく、この機に一度、全面的な運行形態の再編成も検討されるべきではないかと思っています。ここには記されていないが、民営バスとの協調関係(一部に民営との共同運行系統もあるが)も、さらに深度化すべきではないか。
(旧野庭〔営〕の敷地の一部ははとバスの営業所になっているが、ここには記されていなかった)。

 今回、横浜交通開発の車両のリストが掲載になったのは、大変ありがたかったです。

バスラマ創刊30周年記念インタビュー
 大阪バス㈱の西村 信義社長。
「大阪バス」「東京バス」のグループ各社は全て、新規に立ち上げたのではなく、在来の貸切バス会社を引き継いでいる。
 都市間高速バスは、大半はグループ内、あるいは同じく新規参入の事業者との共同運行だが、一部には、在来の事業者との共同運行の形で参入した路線もある(羽田空港~王子・赤羽線は、国際興業・京浜急行バスとの共同運行)。大半は在来の路線との競合関係にあるが、高速にしろ貸切にしろ、一般路線にしろ、在来の事業者との関係はどう構築していくのだろうか?バスだけでなく、京都はタクシーの競争も激しくて、そこで軋轢みたいなものが、生まれなければ良いのだが。
 安全対策については、運行そのものも、コロナ禍対策にしても、安心できるものと思えました。その立場からは、関越と軽井沢で発生した旧ツアーバスの事故は、どうとらえたのだろうか。一度、グループにおける具体的な安全の取り組みを、ルポなどで見たいと思う。
 記念インタビューは次号以降も続くかは解らないが、2回目の両備グループCEO小嶋 光信氏、前回のみちのりホールディングスCEOの松本 順氏、今回の西村氏と、事業者サイドでは独特のポジションで、業界の内外に発言力を持つ人が集まりました。個性的な指導者、という事になるのだろうか。個人的にはそれこそ、日本バス協会の会長だとか、国土交通省の大臣とか、業界全体を俯瞰する立場の人に、バス業界が置かれた現状と、今後の在り方について問うて欲しいと思っています。また、もっと規模の小さい事業者の声も聴きたい。

 京阪京都交通のラッピングバスの話題があったが、京都市中心部以外の、郊外や地方部の、京都府の観光をPRするラッピング車は、他社でも走っています。京都府って結構広くて、海だってあるのだから。
 大阪シティバスが新デザインを発表したが、結局、発足直後に提案された3種類の、どれにもなりませんでした。
 IAAへの出展を予定していたバスの記事もあったが、海外バスニュースを読むと、欧州のメーカーもまたコロナ禍の影響を受けて苦境にあるようです。第2波の影響で欧州各国はどこも、厳しい外出制限をまたやらなければならなくなり、イタリアやスペインでは反発から暴動も起きているそうです。この状況では、欧州と言えども、安定した公共交通の運行は難しくなっているかもしれません。今は無理でもいつかは、今コロナ禍における欧州の、バスを中心とした対応がどのようなものだったのか、検証する記事を読みたいと思っています。

 今回、コロナ禍への対応、横浜市交通局の特集、記念インタビューなどの記事を合わせて読んでみて、現状のバス業界において、一つの事業者が単独で難局に立ち向かうのは、たとえ大手クラスと言えども、年々困難になりつつあるのではないかと、改めて感じました。元々利用者の減少に加えて、特にドライバー不足で都市部でもダイヤの維持が難しくなってきた所へこのコロナ禍、なので。単独で路線の改廃とか、便数の増減とかをやるだけではなく、複数の事業者が強調、場合によっては行政なども間に入って路線やダイヤの再編成、インフォメーションの再整備(伊香保温泉に行った時、事業者によって同じ位置のバス停の名称がてんでバラバラだったのが、非常に気になった)などを行う事も必要だろうと思います。無論利用者が不便を被ってはいけないし、事業者側の経営も無視はできないが。誰が音頭を取るのかという問題もあるけれど。あるいは、事業者グループの垣根を超えた、それこそ「業界再編成」的な事も、今後は起こるのかも知れません。そういう方向があるのかどうか、バスラマ誌も考察し、示して頂けないでしょうか。そうならざるを得ない状況に、なりつつあるのではないか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
 2日 千葉県知事選 千葉市熊谷市長 出馬表明
(静岡鉄道 乗客分散狙いクーポン券発行)
 3日 「特撮アーカイブセンター」 福島県須賀川市にオープン 
(J1柏レイソル 監督・選手が感染 ベガルタ仙台戦中止)

 いよいよ米大統領選挙の投票が始まりました。大統領のやる事の影響は、アメリカ一国に留まらず、全世界にダイレクトに影響を与える事になる。しかし、選べるのはアメリカ国民しかいない、この点がシャクではありますけれど。トランプさんはもちろん、バイデンさんが勝ったとしても、世界が劇的に良い方向に変わるかと問われたら、とてもそうはならないだろうと思わざるを得ない。まずは投票・開票がまともに行われるのか、そこが第一関門でしょう。

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