№2330 平成の30年 都道府県別鉄道回顧 14.神奈川県(3)

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 日曜・火曜と2回に渡って、平成の世の神奈川の鉄道を回顧しました。
 通常はデータ編で、令和の世に入ってからの、各都道府県の鉄道の動きを簡単に記しているのだけれど、神奈川はやはり地元なので、もう少し突っ込んで記したいと思います。7年前の2014(H14)年、当ブログの更新1000回記念として、当時の神奈川県の駅を全部撮影して公開する企画をやっていまして(だから南武線の小田栄はまだなかった)、最終回となる№1122(2014(H26)年2月17日更新)で、当時の時点で未来の神奈川の鉄道はどうなる?みたいな事を、私なりに展望してみました。7年経ち、時代も平成から令和に移って(ああいう形で変わるとは思ってもみなかったが)、神奈川の鉄道は何が変わったのか、何がまだ変わっていないのか、さらにその先はどうなる、みたいな感じで書いてみます。
(若干、平成時代に起きた事も加えてあります)

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 2019(R元)年11月30日、「相鉄・JR直通線」が開業した。相鉄が西谷と、JRの羽沢貨物駅に隣接する旅客駅・羽沢横浜国大の間に新線を建設、JR線と接続して、海老名~新宿間で相互直通運転を行うものである。相鉄は、JR直通用に新造した12000系を、JRは埼京線用のE233系7000番台を使用する。平日・土休日とも朝方のみ、新宿以遠の埼京線区間への直通運転が設定されている。本数的には少数だが、結果的に、東急目黒線~東京メトロ南北線~埼玉高速鉄道・東急田園都市線~東京メトロ半蔵門線~東武伊勢崎線・JR湘南新宿ライン・東急東横線~東京メトロ副都心線~西武池袋線及び東武東上線・JR上野東京ラインに次ぐ、6番目の神奈川~東京~埼玉直通ルートが完成する事になった。
 相鉄線の新線は、正確には「相鉄新横浜線」と称し、将来的には新横浜まで延伸、「東急新横浜線」と接続して、東急とも相互直通運転を行う計画である。東急側も現在、日吉~新綱島~新横浜間で建設工事を行っているが、2020(R2)年6月、ルート上の環状2号線で陥没事故が発生したため、2022(R4)度下期とされていた開業は、遅れが予想される。東急側は目黒線の直通が予想されるが、現在の6連を8連に増結するための準備が、直通先の各鉄道と合わせて進められている。ただし、相鉄で直通への使用が予定される20000系は10連で増備が進められており、東横線との直通も予想される。最終的な運行形態がどうなるか注目される。

 平成末期に事業化に向けて合意がなされた、横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ヶ丘延伸事業は、昨年1月、川崎市内のルートが確定した。3案あった王禅寺地域の新駅は、ヨネッティー王禅寺付近に建設される。今後手続きが進められ、2030(R12)年度の開業を目指す事になる。
 リニア中央新幹線は、神奈川県内は相模原市内・現在のJR及び京王の橋本駅に隣接した、高校の跡地に駅が設けられる。また、同市の鳥屋地域に車両基地が新設される。しかし、南アルプストンネル静岡工区の工事を巡るJR東海と静岡県の対立が表面化しており、JR東海では、当初予定の2027(R9)年の開業は難しくなった、としている。
 2015(H27)年に米軍より返還された上瀬谷通信施設跡地の開発計画策定の途上で、相鉄線瀬谷駅との間の新交通システム(仮称「上瀬谷ライン」)建設の構想が浮上した。同跡地で2027(R9)年度の開催が予定される、国際園芸博覧会へのアクセスとしても期待されているが、現状では申請も出されておらず、博覧会開催までの開業は困難とされる。

 かねてから構想があった東海道本線の村岡新駅は、今年の2月8日、神奈川県・鎌倉市・藤沢市・JR東日本の間で、建設に向けた覚書が締結された。駅の建設に合わせ、駅周辺の藤沢市村岡地域、及び柏尾川の対岸の鎌倉市深沢地域(旧JR大船工場跡地)付近を再開発し、駅と一体となった街づくりを進める事になる。2032(R14)年の開業を目標としている。

 JR東海道本線の特急は、2020(R2)年3月ダイヤ改正で、新タイプの観光特急〔サフィール踊り子〕がデビューした。全席グリーン車で、ワンランク上の「プレミアムグリーン車」、4・6人用の個室も設けられている。カフェテリアでは、ヌードルを中心とした軽食が提供される。〔サフィール踊り子〕と入れ替わりに、伊豆特急の顔だった〔スーパービュー踊り子〕、及び小田原~伊豆急下田間で快速として運行されていた「伊豆クレイユ」は、運行を終了した。また、〔踊り子〕の一部に、中央本線から転用されたE257系2000番台が導入された。
 さらに、今年の3月13日改正で、〔踊り子〕は全列車がE257系に置き換えられた。修善寺編成は、房総から転用の2500番台を使用する。40年に渡って活躍してきた185系が、定期特急運用から退いた。JR東日本全体でも、最後の国鉄型特急車両だった。また、朝方の各ライナー列車は全て、新タイプの特急〔湘南〕となった。〔踊り子〕〔湘南〕は全て、全車指定席となっている。185系と共に、ライナー列車用に開発された215系も引退、JR東日本からは、整理券で乗車するタイプのライナー列車は、全て消滅した。
 東海道新幹線は、2020(R2)年3月改正で、1時間当たり最大12本の〔のぞみ〕を運行できるダイヤが確立した。しかしこの直後より、新型コロナウィルス感染禍が神奈川の鉄道も直撃する事になる。当初初の「のぞみ12本ダイヤ」が施行されるはずだった昨年のGWは、緊急事態宣言もあり、臨時列車の大半が運休に追い込まれた。初の同ダイヤ施行は8月9日となり、年末年始にも施行されているが、「三密」回避の性格が濃く、利用は極めて低調であった。JR東日本の在来線でも、〔成田エクスプレス〕などの運休や、〔踊り子〕の臨時列車の取りやめなど、影響が大きかった。

 私鉄でも、コロナ禍の影響は甚大だった。小田急は、GW中の特急ロマンスカーの運行を全て取りやめ、湘南モノレールやシーサイドライン、伊豆箱根鉄道大雄山線では減便を行った。江ノ電でも、日中の列車の減車(4→2連)が行われている。京急でも、基本的にはダイヤは維持されたものの、2019(R元)年10月より土休日の一部快特の一部車両で始まった有料座席指定サービス「ウィングシート」が、一時取りやめとなった。東急大井町線の「QーSEAT」サービスも、一時取りやめとなっている。その後は「三密」回避の意味もあり、有料座席指定サービスのPRを強化する動きも見られる。
 その後、秋口は「Go To」キャンペーンの効果もあって一息ついた格好だったが、年末になって再び感染者が増加し、川崎大師や鎌倉などの初詣客輸送の終夜運転が、全て取りやめとなってしまった。
 夜間の工事時間の確保の必要性が増した事に加え、コロナ禍で夜間の需要が大幅に減少した事に対応し、今年の3月、JR東日本及び大手私鉄では、大半の路線で最終電車の繰り上げを実施した。一部では初電の繰り下げも合わせて行われている。東急田園都市線では、全体的な減便も行われた。

 相鉄の星川駅付近の連続立体交差事業は、2018(H30)年11月に上り線が高架に切り替えられ、高架化が完成していた。令和の世の現在は引き続き、駅付近の整備、及び天王町駅の改良工事が進められている(蛇足だけれど、天王町駅は島式ホームになると7年前に書いてしまったが、相対式のままでしたね。形状は変わっているけれど、大ウソを書いてしまいました)。また、京急大師線産業道路駅の地下化も、平成の世の終わりが近づいた2019(H31)年3月、地下線に切り替えられている。なお、産業道路駅は翌2020(R2)年3月のダイヤ改正と同時に、大師橋と改称した。京急では同時に、花月総持寺(←花月園前)・京急東神奈川(←仲木戸)・逗子・葉山(←新逗子)(及び東京都内の羽田空港ターミナル関連)各駅の改称を一斉に行っている。

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 全国各地に甚大な被害をもたらした、2019(R元)年10月の台風19号は、神奈川県の鉄道では、箱根登山鉄道の被害が最もが大きかった。メインの箱根湯本~強羅間の登山電車区間は長期の不通を強いられ、復旧は1年後の2020(R2)年秋口と予想されていたが、関係者の努力もあり、予定より3か月早く、7月23日に全線の運行を再開した。最も被害が大きかった蛇骨川橋梁は、コンクリートの支柱による橋梁に造り替えられている。登山電車自体が小田急グループの観光資源の一つであり、全線再開時には、グループ全体でキャンペーンを実施した。小田原~箱根湯本間の区間運転で使用される、レーティッシュ色の1000形の小田急線全線の走行も、その一環だった。
 その小田急では、今週19日、海老名に待望の「ロマンスカーミュージアム」がオープンした。日本の鉄道史上の名車でもあるSE車を筆頭に、小田急を彩った5形式のロマンスカーが保存されるほか、クラブハウスやグッズショップもあり、近年発展著しい海老名の新たな名所となる事が期待される(当分の間は、入場は予約制)。

 京急の本社は、2019(R21)年9月、東京都港区の泉岳寺から、横浜駅に近いみなとみらい地区に移転、「京急グループ本社ビル」となった。同ビル1Fは「京急ミュージアム」となり、川口市に保存され、その後京急が買い戻してレストアした230形を展示している他、鉄道シミュレーションや「マイ車両工場」、ジオラマも設けられている。同ミュージアムは2020年度の「日本鉄道賞」を受賞した。しかし、コロナ禍の影響でオープンが予定より遅れた上、現在も入場制限が行われている。今GWより土休日の入場は予約制となる。
 東急グループは2019(R元)年9月より持ち株制に移行、東京急行電鉄は持ち株会社「東急」となり、10月からは、東急の傘下の「東急電鉄」が、鉄道事業を行う形態になっている。田園都市線では、2019(R元)のグランベリーパークのグランドオープンに伴い、南町田駅は10月1日より「南町田グランベリーパーク」と改称した。大幅なリニューアルが行われ、同日のダイヤ改正より、平日の急行も全列車停車となっている。
 JR桜木町駅では、2020(R2)年6月、「シァル桜木町アネックス」が開業した。旧東急東横線桜木町駅の跡地に建設されたもので、1Fには、鉄道創業時のSL・110号が、当時の客車を復元した2軸客車と共に展示されている。

 こんな感じで、令和の世の神奈川県の鉄道を、7年前の記事をベースに回顧してみました。新横浜線にブルーライン延伸、上瀬谷ライン、そしてリニアと期待したい話題も多々あるが、とにかく今のコロナ禍がどうにか良い方向に変わってくれないと、いつまでも青息吐息、という状況が続く事になります。それでは、コロナ禍がある程度収束しても、神奈川県(に限らないが)の鉄道に、悪影響を与え続ける事になるでしょう。人の事はどうでもいい、まず我々自身の自覚に、全てがかかっています。
 平成の鉄道回顧、次回は来月となる予定で、中部地方に移り、まず新潟県です。

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《今日のニュースから》
21日 エンジェルス大谷 翔平 5号ホームラン 日米通算100号達成
(JR福知山線脱線事故追悼慰霊式 2年連続中止決定)
22日 水道管から水噴出 周辺水浸し 大阪市西区
(秋の東京モーターショー 中止の方針 日本自動車工業会表明)

 大阪府を中心とした関西圏のコロナ禍の状況は、報道で見聞きする限り、これまでの首都圏より酷そうだなあ、というのが正直な印象。東京都もまた、3度目の緊急事態宣言となりそうで(今日の時点では、神奈川など周辺の県の名前は上がっていないが)、宣言が出された場合、交通機関に対しては、平日の終電の繰り上げや、週末・休日の減便などの要請を出すという事で、このままでは去年のGWの二の舞だ。結局、人の移動・行動自体が感染の拡大を招くのだから、根本的に移動のニーズがないと成り立たない交通は、はっきり言って、無力だと思う。

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