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zoom RSS 1844 私鉄名車列伝 143.阪神電気鉄道8000系

<<   作成日時 : 2018/05/05 22:09   >>

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「私鉄名車列伝」、今回は阪神電気鉄道の急行車、8000系です。

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 8000系は、1984(S59)年から製作された急行系専用系列、いわゆる「赤胴車」である。「赤胴車」では7001・7101形(後に改造されて2000系)以来14年振りの新形式となった。阪神初の新機軸が数多く盛り込まれたが、第1編成と第2編成以降では大きくスタイルが異なり、以降も仕様の変更を繰り返しつつ、同社の最大勢力となった。

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 「赤胴車」では初めて他系列との連結を想定しない6両固定編成となった。Tc―M−Mの固定ユニット2本の片側を反転させて組成している。制御装置は回生ブレーキ併用の界磁チョッパ、ブレーキは電気指令式、補助電源装置はSIVとなった。運転台には故障情報を表示できるモニターも装備されている。
 第1編成は武庫川線延伸に伴う車両増備の目的で製造された。3901−3801形に始まる当時の阪神標準スタイルで、側窓は2段サッシだが、正面扉の連結用の貫通幌と渡り板は設けられず、のっぺりした印象を与える。このスタイルは1編成のみに終わった。


 1985(S60)年製造の第2編成は、特に外観が大幅にモデルチェンジされ、番号が8010番台に飛んでいる。正面の窓は上方に拡大、行先と種別の表示は分離して、正面窓の内部に納めた。前照灯は貫通扉の上部に配置、窓下に急行灯と標識灯を一体のケースに収めて配置した。また、初めてスカートを装着している。側面は天井方向に拡大して断面が変わり、側窓は独立した一段下降式となった。車内では化粧板がそれまでの緑系から灰色系に変わり、座席端の仕切りの形状も変わっている。3編成が製造された。

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 翌1986(S61)年製造の第5編成からは冷房が集約分散型に変更され、天井は冷房ダクトを納めた平天井となっている。8編成が製造されている。

 1991(H3)年製造の第13編成は、8000系の完成形と位置づける事ができる。側窓は連続窓風の黒色サッシとなり上下に拡大、側窓と側面表示に使われていたHゴムを廃したため、スッキリした印象を受ける。

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 車内は1人ずつの着席位置を区分したバケットシートを採用、荷棚の形状も変更された。ドア上にはマップタイプとLEDを併用した車内案内表示装置も設置された。8241F以降は当初から車イススペースも設けられ、表記類がピクトグラム化している。9編成が製造されたが、8249Fのユニットの片側(下2けたが「50」の3両)は、阪神・淡路大震災直後の竣工である。

 1995(H17)年1月17日の阪神・淡路大震災では大多数の車両が被災、8000系では当時竣工していた123両中15両が被災して廃車となった。このため代替新造車両3両が製造された他、8201号車は8502に改番・方向転換を行っている。代替新造・方向転換車両は車号に300を加えている。また編成替えにより仕様が異なる編成が生まれ、第1編成の残存3両は、車体形状が異なる3両と編成を組んでいる。
 この結果、8000系は126両(21編成)+代替3両、合計129両全車両が武庫川車両で製造され、現在は19編成114両が在籍し、阪神の最大勢力となっている。
 その後1998(H10)年より、阪神梅田〜山陽姫路間の直通特急が運行を開始する事になり、8000系も充当される事となった(8502Fは対象外)。


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 2002(H14)年からは大規模リニューアル工事がスタートした。中間車は9300系に合わせて、転換クロスシートを備えたセミクロス構造となり、ロングシートもバケット化、どちらも一般席は赤系・優先席は青系の柄模様になっている。セミクロスは2両のみ改造された編成があり、13編成以降は全車がロングシートのままになっている。この他車イススペース未設置編成への設置や、非常通報装置の新設も行われている。車外では外幌が設けられた。リニューアル更新車はカラーリングが9300系と同じ「プレストオレンジ+シルキーホワイト」のツートンカラーに改められた。更新工事は2015(H27)年に終了、本線からは「赤胴車」が姿を消す事となった。この他、行先・種別表示のフルカラーLED化、正面の急行灯・標識灯が兼用のLED表示一灯への交換も、順次進められている。
(本線の)急行系では最古参となったが、現在も本線の直通特急や急行の主力として活躍している。


【編成】
←梅田e方     元町方→
 Tc1 8201 -* M' 8001 - *M 8001 - M2 8101* - M' 8001* - Tc2 8201
* パンタグラフ

 2000系が2011(H23)年7月までに全車廃車となって以降、本線の急行用車両の最古参は8000系となりました。いつの間に?という感もあります。それだけ阪神の車両が(特に関西では)若い、という事でしょう。8201改め8502号車は、色は変わったけれど本線用急行車では最後の「阪神顔」(または最後の2段サッシ窓車)でもあります。この第1編成の生き残り3両はデビューから34年となり、いつまで?の感もあるが、最近山陽電鉄姫路まで乗り入れの試運転を行ったとの情報もあり、当分は活躍が続くのではないでしょうか。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1997年7月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」「同2017年12月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄の車両21 阪神電気鉄道」(保育社 ※後にネコ・パブリッシングによって復刻
「私鉄車両年鑑2017」(イカロス出版)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄12 阪神電気鉄道 阪急電鉄2」(朝日新聞出版) など
「阪神電気鉄道完全データ DVDBOOK」(メディアックス) 等
を参考にさせて頂きました。
 次回は南海の関西空港アクセス特急「ラピート」50000系です。関西空港は来年9月に開港25周年を迎えるが、それは同時に、「ラピート」のデビューも25周年の節目を迎える、という事でもあります。早いものだと思います。

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《今日のニュースから》
 4日 スウェーデン・アカデミー 今年のノーベル文学賞発表見送りを発表
 5日 こどもの本総選挙 「ざんねんないきもの辞典」1位

 なんだか、文学を巡って対照的。一昨年はボブ・デュラン、去年はカズオ・イシグロが受賞したノーベル文学賞だが、セクハラ問題がここまで影響するとは。「残念」というのは、決して特定の動物そのものを劣ったものとして見るのではなくて、様々な動物を巡る「弱点」について取り上げられた本、のようです。

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