№423 私鉄の車両シリーズ88 山形鉄道YR880形

「私鉄の車両シリーズ」、今回は山形県の第3セクター鉄道、山形鉄道のYR-880形です。

 まず山形鉄道ですが、1988年10月25日に特定地方交通線だったJR東日本の長井線(赤湯~荒砥)を転換して開業しました。
 長井線は赤湯~長井間が軽便線として大正時代に開業、その先は荒井線として昭和時代に開業して全通しましたが、1980年代に入って、旧国鉄の再建策の一環として、第三次特定地方交通線に指定、山形県が第3セクター鉄道への転換を決定したものです。
 転換後の営業車両として製作されたのがYR-880形です。
 形式名はデビュー年(1988年)を表しています。

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 YR-880形は、新潟鐵工所が開発した地方ローカル線向けのDC「NDC」をベースとしています。
 NDCはバス用部品を多用した富士重工の「Le-car」とは対照的に、在来の鉄道用DCスタイルを維持しつつ、直噴式横型エンジンを搭載して性能を向上させています。
 YR-880形は18m級となり、秋田内陸縦貫鉄道のAN-8800形などと同形と言えます。
 機関直結式の冷房を搭載していますが、一方で場所柄、引戸の側扉やスノープロウの装備などの寒冷地仕様をも保有しています。
 8曲交換可能なメロディホンを補助汽笛としているのもユニークな点です。
 外観は「フラワー長井線」の愛称にちなみ、白をベースにオレンジ・ピンク・緑のラインが入った鮮やかなデザインに仕上がっています。
 公募で「フラワーライナー」の愛称がつきました。
 性能の向上により、国鉄のDCと比較して全線で10分の所要時分短縮が実現しています。

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 開業当初は6両が製作されました。車内はクロスシートで、トイレも設けられています。
 当初は利用者が増加傾向にあったため、予備車両確保のため1990年に2両が増備されました。
 この2両はロングシートで製作され、トイレは省略されました。
 なおYR-880形では、地元デザイナーの手により、沿線の自治体や国・山形県の花が1両毎に描かれています(山形鉄道が走っていない市町も含む)。
881…こぶし(白鷹町) 882…さくら(日本国) 883…あやめ(長井市) 884…べにばな(山形県) 885…ダリヤ(川西町) 886…きく(南陽市) 887…あずましゃくなげ(米沢市) 888…ひめさゆり(飯豊町)

 山形鉄道は皮肉にも、この2両の増備が行われた1990年を境に一転して乗客が減少し、経営難に陥りました。
 運用本数の削減で車両の必要数も少なくて済むようになったため、881号車が2003年に廃車になっています。
 同社では公募で選出された社長の下で経営の建て直しを進めており、その一環として車両の更新も予定されています。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1997年4月臨時増刊号 【特集】東北地方のローカル私鉄」(鉄道図書刊行会)
「ローカル私鉄車両20年 第3セクター・貨物専業編」(寺田裕一/JTBキャンブックス)
「私鉄気動車30年」(寺田裕一/JTBキャンブックス)
「日本レールバス大全」(斎藤幹男・岡本憲之/芸文社) 等
を参考にさせて頂きました。

「私鉄の車両シリーズ」、次回からは西日本に移り、大手私鉄7社を取り上げます。
 まずは名鉄の瀬戸線用新型通勤車、4000系です。

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