№1524 2016年度GW 航空利用データ分析

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 本日、GW中の航空各社の利用実績が一斉に発表されました。いつも通り、数字から利用状況を読み解いてみます。
 今年度は4月28日(木)~5月8日(日)を対象。前年度より2日多くなっているので、単純な比較はできません。
 今年度は日並びが良く、年休を2日取って10連休という方々も少なくなかったと思います。一方、国内線では熊本地震、国際線ではブリュッセルの爆弾テロの影響が懸念された所だが、どうだったのでしょうか。
 会社によって呼び方が若干違うが、「座席数」「旅客数」「利用率」で統一します。
※注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていない カッコ内は前年比


ANA
 国内線 座席数2,036,217席(101.1%) 旅客数1,381,455人(101.7%) 利用率67.8%(+0.4%)
 国際線 座席数363,958席(116.4%) 旅客数277,662人(115.3%) 利用率76.3%(△0.7%)
 国内線は、九州路線は利用率67.0%だが、もっと低い路線もあるので、熊本地震の影響が出たとは言い切れません。関西路線が71.9%、沖縄路線が69.5%。むしろ北海道路線の旅客数が前年比97.9%、東北・北陸路線が98.9%と低くなりました。北海道は、北海道新幹線の影響はないと思うが…。全体的には旅割運賃が好調だったとしています。
 臨時便は羽田~沖縄の1便、別に熊本地震関係の臨時便として、福岡~鹿児島で88便を運航。
 ピークは下りが4月29日(91.8%)と、前年度より早まりました。上りが5月5日で、89.7%と90%を割っているが、分散された結果だと思われます。5月6・7日の下りは40%を割りました。
 国際線では欧州線が座席提供数以上に旅客数が減ったため、方面別では唯一、前年比割れでした(94.7%)。ただ、利用率71.1%は中国線より高い。旅客数が130.2%と大幅に増えました。アジア・オセアニア線がシドニー線開設(再開)もあって座席提供数以上に旅客数が増え、利用率が82.2%、ホノルル線は利用率85.5%とさらに高くなりました。これを見れば、A380導入も解る話か。
 ピークは日本発4月28~30日(29日97.4%)、日本着5月7・8日(8日92.8%)。確かにめい一杯レジャーを楽しんだ旅行者が、今年は多かったようです。
 臨時便は運航がなかったようです。


JAL
 国内線 座席数1,211,009席(99.5%) 旅客数866,614人(100.7%) 利用率71.6%(+0.9%)
 国際線 座席数329,404席(99.8%) 旅客数270,803人(98.8%) 利用率82.2%(△0.8%)
 国内線は、九州路線の利用率が67.8%、中国・四国路線68.0%と低くなりました。ただ、両路線とも前年度を上回っています。中国・四国路線は座席提供数は△0.9%ながら、利用者数は109.2%と大幅に上回っています。九州路線は、熊本地震の影響があったかも知れない。こちらも北海道路線99.7%、東北・北陸路線99.8%と微減です。
 臨時便は羽田~新千歳4便。別に熊本地震関連の臨時便で、福岡~鹿児島で86便を運航。
 ピークはやはり下りが4月29日(94.6%)、上りが5月5日(91.2%)。下りの5月6・7日は40%台前半とかなり低い。
 国際線は、こちらは欧州線も旅客数が前年比106.6%と増えました。前年度より好調だったと。冬場は成田~パリ線休止もあったのだが、持ち直しているのか?米国線はダラス線開設もあって座席数が増え、旅客数はやや追いつかなかったものの、利用率82.1%でした。グアム線が89.2%、東南アジア線が89.5%と高率。一方オセアニア線の利用率が74.4%とかなり低くなったのは、やはりANAの羽田路線開設の影響大か?
 ピークは日本発4月28日~5月1日(29日98.1%)、日本着5月5日~8日(8日95.7%)。
 臨時便はホノルル便2便、チャーター便はパラオ便4便。 

JTA
 座席数113.425席(101.3%) 旅客数84,666人(96.3%) 利用率74.6%(△0.9%)
 ちょっと振るわなかったと思います。座席提供数造波B737-800就航もあろうかと思うが、旅客数が減ってしまいました。
 臨時便は運航なし。

RAC
 座席数19,909席(108.8%) 旅客数14,781人(106.4%) 利用率74.2%((△0.9%)
 横ばいというところでしょうか。臨時便は運航なし。

JAC
 座席数70,443席(78.7%) 旅客数48,100人(89.5%) 利用率68.3%(+8.2%)
 座席数が大きく減ったが、利用率は大幅に向上しました。熊本地震の関連で、福岡~鹿児島線の臨時便44便運航、とあるが、いかに小型ターボプロップとはいえ、多数の臨時便を運航すれば、座席数がこんなに減るはずがない。(ANA・JALもだが)地震関連の臨時便は、座席提供数にはカウントしないのか?

HAC
 座席数7,939席(106.1%) 旅客数3,917人(97.4%) 利用率49.3%(△4.7%)
 なんかこちらも、利用率の大幅な減少が気になりました。


SKY
 座席数235,056席(102.5%) 旅客数207,230人(111.4%) 利用率88.2%(+7.8%)
 復調傾向にあると判断して良いのではないでしょうか?熊本線は経営破綻より前に撤退しているので、地震の影響はそれほどないと思われます。
 ピークは下りが4月29日(97.8%)、上りが5月5日(97.0%)。70%を割ったのは、5月6日の下り(67.9%)のみでした。


ADO
 座席数73,188席(110.1%) 旅客数52,527人(121.5%) 利用率71.8%(+6.8%)
 利用が急増した印象。要因は思い浮かばないが、良い傾向ではあろうと思います。
 ピークは下り(北海道行)が4月28日~5月2日(5月1日98.2%)、上り(北海道発)が5月5日(98.1%)。5月5・6日の下り(北海道行)が40%強と低率。
 臨時便は羽田~新千歳5往復10便を運航。


SNA(ANA販売分は含まず)
 座席数79,573席(96.2%) 旅客数59,698人(99.5%) 利用率75.0%(前年との比較は不可)
 九州路線専門のキャリアなので、熊本地震の影響は免れなかったようです。ただ、旅客の減少は、座席数よりは小さくて済みました。
 ピークは下りが4月29日(96.0%)、上りが5月5日(95.1%)。5月7日の下りが36.7%と低率。
 4月29日及び5月4・5日に羽田~長崎線で6便、30日に羽田~熊本線で2便の臨時便を運航。


SFJ
 座席数61,621席(101.1%) 旅客数48,041人(107.7%) 利用率78.0%(+4.8%)
 旅客数の増加が座席数を上回り、利用率も向上しました。地震の影響はあまりなかったよう。
 全体のピークは下りが4月29日(96.9%)、上りは5月5日(92.6%)。


FDA(JAL販売分を含む)
 座席数58,484席 旅客数41,646人 利用率71.2%(+0.3%)
 FDAは路線別のデータを公表しているが、名古屋~熊本線は74.9%とまずまずだったのではないでしょうか。一番良かったのは名古屋~出雲線と新潟~福岡線で84.0%。名古屋~青森線も77.8%と良かったのは、弘前の桜まつりの期間だったからか。
 

APJ
 国内線 座席数129,600席(110%) 旅客数119,896人(112%) 利用率92.5%(+2.3%)
 国際線 座席数65,160席(155%) 旅客数57,447人(153%) 利用率88.2%(△0.9%)
※ APJは、前年比のパーセントは小数点以下を省略して公表
 いつも通り、内際とも絶好調、という所でしょうか。国内線は関空~仙台・松山、国際線は関空~香港と、2月6日に就航した羽田~ソウルが特に良かったとの事。
 ピークは、国内線の下りは5月3日(95.3%)と他社より遅くなりました。上りは5月5日(94.7%)。80%を割った日がありません。
 国際線の日本発は5月1日(96.2%)、上りは5月5日(97.4%)。


VNL
 国内線 座席数34,920席(84.7%) 旅客数30,520人(85.8%) 利用率87.4%(+1.1%) 
 国際線 座席数31,680席(133.3%) 旅客数26,413人(129.8%) 利用率86.9%(△2.2%)
 国内線はこの1年で新規就航路線がなかった一方、GW前日の4月27日に関空~台北線の開設があり、成田発着の台湾路線の増便もあって、国際線の座席提供数が、国内線に近づきつつあります。
 ピークは、国内線の下りは4月29・30日(96.2%)、上りは5月5日(95.9%)。
 国内線の日本発は4月29日(98.3%)、日本着は5月7日(94.8%)でした。


JJP
 国内線 座席数181,260席(95.4%) 旅客数152,951人(97.1%) 利用率84.4%(+1.6%) 
 国際線 座席数28,080席(1,560%) 旅客数21,342人(1,385%) 利用率76.0%(△9.6%)
 今シーズンは、JJPも足並みをそろえて今日発表になっています。 
 この1年の間に国際線の新規路線開設が相次ぎ(特にマニラ路線)、座席数は15倍以上の増になりました。 
 ピークは、国内線の下りは4月28日(91.7%)で、今回発表のキャリアでは最も早くなりました。平日で、特に出発が遅い深夜便とかはないのだが。上りは5月5日の89.5%で90%を割っています。
 国際線の日本発は5月2日(95.7%)、日本着は5月7日(93.4%)でした。


SJO
 国内線 座席数14,175席(104.1%) 旅客数11,958人(112.5%) 利用率84.4%(+6.3%) 
 国際線 座席数4,158席 旅客数3,277人 利用率78.8%
 SJOも今日発表になりました。国内線は2路線しかないが、旅客数が座席提供数を上回り、利用率が向上しました。
 国際線はこの春のスタートなので、前年との比較はなし。
 ピークは、国内線の下りは4月29日(99.2%).5月1・3日、上りは5月3・5(96.3%)・8日。
 国際線の日本発は4月30日(98.9%)。日本着が注目で、一番高かったのは4月28日(96.2%)でした。インバウンドではないでしょうか。5月5日が95.2%。スタートしたばかりなのでまだ知名度が足りないのか、5月7日日本発が50.4%など、日によって利用率にかなりのばらつきがありました。


 今シーズンは、国内線は熊本地震の影響はなくはなかったが(熊本空港で夜間駐機ができず、各社とも熊本行最終便、熊本発始発便が欠航)、大打撃と呼ぶほどの事は無かったように思われます。ニュース報道によれば、熊本路線はボランティアの利用もあって、10~20%の減にとどまっているとの事。
 北海道新幹線の開業は、多分航空にはさほど影響を与えていないでしょう。
 国際線は、特にブリュッセル線を運航しているANAは、やはり影響を免れなかったかも知れません。
 今シーズンはLCC4社が足並みをそろえて今日利用状況を公表したが、この1年間は国際線の新規就航が相次ぐ一方で、国内線の新規路線はほとんどなく、どうやら各社とも、国際線に資源を集中させつつあるように感じます。6社トータルでは、国際線の利用が14%の増だった、という事でした。
 次回は夏のお盆休みにデータ分析を行います。

 鉄道は、北海道新幹線は前年度の特急〔白鳥〕等との比較で倍増に近かった一方、九州新幹線は地震の影響で20%近い減少だったそうです。JR全体では去年並みだったという事。


 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 次回は2004(H16)年アイルランド旅行の「クロニクル」に戻る予定。

《今日のニュースから》
 8日 アフガニスタン 長距離バスとタンクローリー衝突 73人死亡
 9日 横綱白鵬 幕内880勝 単独史上1位

 軽井沢の事故も悲惨だったが、バスに限らない話だけれど、発展途上国では一度大きな事故が起きると、犠牲者の数もケタが違ってきてしまいます。何とかならないかとは思うのだが…。