№2073 日本の旅客機2019-2020(イカロス出版)

「日本の旅客機」2019-2020年版、8月末には発売になっていたのに、こんなに遅くなってしまった…。

 今シーズンは、久しぶりに大きな機材の動きがあり、盛りだくさんな内容になっています。表紙は日本の2大キャリアの2大新スター、JALのA350-900と、ANAのA380-800。ANAは2号機の「エメラルドグリーン」で、先日のハワイ遠征は、往復ともこれでした。

日本にも本格到来か? エアバス機の時代
 この両機種は、JALとANAそれぞれにとっても、ひいては日本の航空業界全体にとっても、かなり大きな意味を持つものになりました。

ANA A380.jpgJAL A350-900.jpg
 まず、この両機種の意義をまとめてみると、

A380-800…1.世界最大の旅客機で、日本初導入 2.(テキストには記されていないが、実は)ANA初のエアバスのワイドボディ機 3.最初からリゾート仕様に特化

A350-900…1.JAL発注としての初のエアバス機 2.JAL初のサイドスティック&ロールスロイスエンジンのジェット機(YS-11運航の実績があるから、ロールスロイス自体は初ではない)

 エアバスが「苦戦」したというが、そもそもエアバスは戦後相当経ってからの参入の後発組で、戦前からの経験を積み上げてきたボーイング(と、マクドネル・ダグラスにロッキード)の後塵を拝してきたのは、ある程度はやむを得ない部分もあっただろう。日本の経済全体がアメリカと密接な関係にある事も、原因の一つとして否定できないだろう。ダッソーとかBAe、アエロスパシアル等の欧州の中小メーカーは、アメリカ勢に勝てずに旅客機製造から撤退したわけだし、このあたりがもう少し粘っていたら、少しは機種選定の方向性も違ってきていたのかも知れない。
 今後は…。APJやJJPのA321LR導入もまもなくで、JJPは先日、キャビン仕様の方向性が発表になっている。これで一気に流れはエアバス勢に向かうのか?目安となるのは、B737-800の後継機の選定だろうと思います。特にJALグループとSKY。そろそろ選定作業に入らなければならない時期になるはずだが、JALはA350を導入したし、SKYは短期間ながらA330運航の実績があり、エアバス機導入のハードルは、もう高くないと思う。まして、B737MAXの不祥事が尾を引きそうで(少なくとも、今年中の運航再開はないと思う)、これを機に、A320neoシリーズに乗り換える可能性が、もうゼロではない(加えてJALは、B767の退役が進むと、B787と既存のB737の間に大きな空白域ができる事になり、A321が割って入る可能性が否定できない)。ワイドボディ機は、JAL、ANAともこれから数年の方向性は固まっているから、あとはADOやSNAまで加えた、B737NGの後継機のの選定作業の行方が、本当に「エアバス機の時代」となるかどうかの分かれ目になるでしょう。
 貨物専用機だったからだろうが、ギャラクシー・エアラインズのA300-600Fについては、触れられていませんでした。

革新する キャビン&シート
 ANAのB777-300ER新造機のプロダクトが話題となったが、Cクラスの半数が後ろ向きというのはBAに例があるが、乗客、特にCクラスだとある程度お金を持っている富裕層が多くなりそうだが、どう感じるものなのだろうか?ゆとりや独立感があって、付帯サービスが充実していれば、その程度は気にはならないよ、と思うものなのだろうか。
 国内線は、ANAのA321neoが改めて国内線に於ける個人用モニターの先鞭をつけ、JALも予想通りA350(ここにはないが、B787-8の国内線仕様機にも)に搭載。ANAもワイドボディ機にまで拡大して搭載するが、機内Wi-Fiの普及と、重量の面から、国内線だとむしろ省略する方向ではないか(アメリカはそうらしいし)と思われていたのに、正直ちょっと戸惑いもあります。しかも画面のサイズが、国際線のYクラスに展開され始めた頃より、圧倒的に大きくなっている。むろんサービスとしては面白いが、基本的に短時間なので、何を見ようか目移りしている内に、目的地に着いてしまいそう。
 個人的には、国内線・国際線とも、F・Cクラスに関しては正直どうでも良いが、Yクラス・普通席の前後のピッチが、もう少し広くなってくれるといいかなあ、なんて思っています。幅やファシリティは今のままで充分と思うが、特に窓際だと出入りが大変なので。LCC以外のキャリアは、この辺がLCCとの差別化に結びつくのではないか。
 なお、JALのA350-900は、6月の公式リリースでは「座席数の変更を短期間で実施可能な」仕様となっている、としているが、この辺の記述は一切なし(詳細は別途、という事)。例えばファーストクラスを撤去、普通席を増席、とかだろうか。となると、普通席は50席くらい増やせそうで、時期によってはB777-300の代わりも担う、という事になるのだろうか(それでも座席数はだいぶ減る事になるが)。

最新フリートガイド
 大型機に目が行きがちだが、コミューターも特にJALグループでは世代交代が進んで、私も何度か乗る機会を作れたJACのサーブは、いよいよお別れフライトが視野に入ってきているようです。
 また、ANAのB737-500(日本最後のB737第2世代)もいよいよ引退で、お別れのイベントも企画されているようだが、思った以上に飛んだ印象があります。本来はMRJ(→スペースジェット)への置き換えが予定されていたところ、開発が大幅に遅延したので、しばらくは頑張って飛んでいたが、もう持たなくなった、という事だろう。
 JA8000番台(つまり20世紀中の導入)が残りがわずかになってきました。今号の時点では、JALグループ17機(JAC2機はストア)、ANA13機(うち6機はフレイター)の合計30機となったが、発行後、ANAからリタイヤした機材の情報もあります。来年のオリ・パラが終わると共に、一気に全滅にむかうのか。

〔2019-2020年版で初登場の機種〕
 JAL A350-900/ATR72-600(JAC)
 ANA A380-800/B787-10/B777F

〔2019-2020年版で姿を消した機種〕
 JAL B737-400(JTA)
 NCA B747-400F

日本の旅客機 全航空会社全機種シートマップ
 ANAのB787-10は、Yクラスの座席数235はB787全シリーズの国際線仕様機では最も多く、全体の80.0%は、-8の240席仕様(82.5%)に次いで高い。A380(73.7%)より高く、-8の169席仕様(メキシコシティ路線等に運用)が60.4%に過ぎないから、-10には、輸送力重視で、高需要の中距離東南アジア路線を担わせようとする考え方が窺えます。
(冬スケジュールからマニラ線にも就航)
 A380は、帰りはPYに乗ったのだけれど、全体的な事は後日旅行記で書くが、PYのラバトリーって、後方の1ヶ所しかないの?Cクラスとの境界に4ヶ所あるが、共用なのか?カーテンで仕切られた向こうなので、PYは利用できないのではないか?1Fには降りられないし…。Yクラスが43人に1つなのに、ひとつ上のクラスにしては、明らかに少なすぎるのだが…。

 オリ・パライヤーとなる来年の旅客機の展望だが、やはり三菱スペースジェットが、今度こそ就航する事になるのか、というのが最大の関心事になるのではないか?ただ、どうもこの頃のANAの公式Webサイトとかを眺めていると、スペースジェットに関しては、ややテンションが低くなっているんじゃないの?と、感じられなくもない。去年2月に発表されたANAHDの「2018-2022 中期経営戦略」の中にも、スペースジェット(当時はMRJ)の文字は出てこなかった。現在のANAHDの数少ないハンデのひとつに、グループ内にリージョナルジェット機がない事があり、だからスペースジェットに期待がかかるのではないかと思われるのだが。
 ZIP AIRの就航もあるが(韓国線は大丈夫なのか)、あとはやはり、ANA・JAL両グループとLCC勢に挟まれた中小キャリアに、そろそろ大きな動きが欲しい。この先は個人的な希望になるが、SKYは経営が立ち直り、今度こそ国際定期路線(成田~サイパン)就航という所まで来た。となると、羽田~福岡・新千歳の幹線くらいは、ワイドボディ機の再就航も期待されるのではないか。でないと、輸送力やサービスの面で、特に大手2社には太刀打ちできないだろう。もしそうなったら、ここでもボーイングvsエアバスの構図が見られるのかも知れない。
 オリ・パラが終わった後の、各キャリアの展開が注目されます。

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 羽田空港の国内線両ターミナルは昨日から大規模な断水が起きていて、第1ターミナルは昨日のうちに収束したが、第2ターミナルは少なくとも、明日まではかかりそう。羽田空港は平成の間に、海上に埋め立て地を造成して拡張した空港なので、その辺も影響しているのだろうか。
 今日は山陽電鉄でパンタグラフが脱落し、長時間不通になる事態も起きています。詳しい原因はこれから解るはず、だが、報道の感触からすると、架線の側に何か問題があったのではないだろうか?
 クムホグループから売却されるアシアナ航空の競争入札が、今日韓国で行われています。更新時点では結果がわからないが、チェジュ航空を保有する財閥グループが有力とみられていたようです。この事は、韓国の航空業界にどのような影響を与えていくのだろうか。大きな再編成につながるのだろうか。

《今日のニュースから》
 6日 スノーボード元日本代表 大麻所持で逮捕
 7日 トヨタ・BYD 合弁会社設立を発表

 この合弁会社は、とりあえずはマイカーの分野で研究・開発を行うとしているが、あるいはバスにも影響を与えるのだろうか?トヨタは燃料電池、BYDはEVと方向性が異なるのだが、トヨタもEVに舵を切るのか?
  
 

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