№2131 都営バス 平成年間総まとめ(ネコ・パブリッシング)

都営バス.jpg
 都営バスファンが追いかけた、都営バスの、平成の30年の姿。
 各年度を、都営バスそのもの(主に路線・系統)と、車両の両面で、比較的コンパクトにまとめてあると思います。東京都交通局非公認だが、さすがに長年都営バス一筋(?)のファンの方々が手掛けているだけあって、全体的には正確に、要領よく30年の流れが記されている。一般の人の目には触れない、特定の乗客以外には利用されないだろう特殊な系統にまで筆が回っているのは、さすがです。

 都営バスは公営バス、というか、日本の路線バスのリーダー格であるゆえ、そして首都を走る性格もあって、他事業者の先を行く施策が多く、その一方で世間の動向に敏感に左右される傾向が多い事がうかがえます。路線の面でいうと、やはり地下鉄大江戸線の全通が、もっと大きかった。他にも平成の世に開通した営団(東京メトロ)の路線が多く、地下鉄の開通でバスが大きく影響を受ける、この点は他の大都市と同じだろうと思います。
 また平成の初期は比較的路線の性格もバラエティに富んでいて、2階建てバスや「銀ブラバス」、貸し切り転用の快速バスなどの運行もあったが、それらは平成の終わりになって、ことごとく廃止になって、ごく普通の一般路線の運行に、ほぼ特化していくようです。それは、路線の再編成が、日立自動車交通やフジエクスプレス、KMなど、民営事業者の相次ぐ参入を促した事も、あったのではないでしょうか。
 車両面では、平成の初期には超低床化を促す意味で、試作車両の導入が行われたが(それはスカニアのフルフラットバスでもそうだが)、近年はトヨタの燃料電池バスに代表される、低公害化・脱ピュアディーゼルバスという方向に、向かいつつあるようです。
 つまり、路線の面では、東京23区内であっても、もう何が何でも都営バスがやらなければならないという事ではない、ある程度物見胡散的な路線は民営に任せ、都営バスは本来の役目である、一般の通勤・通学路線の防衛に努め、かつバリアフリー・低公害化を目指す、そういう流れになっていったのだろう、と考えられます。

 写真そのものは、特に平成初期は、結構懐かしいですねえ。裏表紙の渋谷駅東口は、土地自体の姿が全く変わっている上、都営バスの姿が非常に多いし、しかもノンステップ車もラッピング車もなくて、全部「ナックルカーブ」。車両以外では、特に銀行の再編成が急速に進んだのも平成の30年で、富士銀行・三和銀行(共に現みずほ)、住友銀行(現三井住友 三井と住友が同じ銀行になるとは、当時は考えられなかった)とかが確認できました。
「マスコットバス」の存在は知らなかった。ラッピングの技術がまだないし、モノコック車だから塗装のはずで、2年程度だったがずいぶん本格的にやったものだ。

 あくまで趣味的な事でしかないが、競争入札の本格化以降、車両のバラエティが極めて少なくなってきているのが、時代の流れではあるが残念。2014(H26)年以降の、一般的なディーゼルバスの採用はいすゞのみ(UDトラックスの撤退もあるが)。〔S-1〕は専用車が全廃となり、今後はどうなるのでしょうねえ?しばらくは観光客(特にインバウンド)が大幅に減るはずだから、せいぜい現状維持か。
 地下鉄の開通が都営バスに影響を与えた、と書いたが、23区内に限ると、副都心線(これは都営バスの路線網に影響を与えなかった。完全並行の〔池86〕も、路線はそのまま残っている)と日暮里・舎人ライナーの開業を持って、鉄道系の新規開業は一段落している。与えるとすれば、道路網の整備か。なので、各系統の便数は、どうか現状を維持してほしいし、質的な改善を追求し続けて、いつまでも日本の路線バスのリーダーであり続けてもらいたい。それが、令和の世の、都営バスに対する期待、でしょうか。

 ところで、都営バスでモノコック車が全廃になったのは、いつだろう。それと、特定バス事業は2006(H14)年度で廃止になっているが、この辺の記述が抜け落ちているようです。
 また、ラッピング車そのもの。「みんくる」や「天気の子」は取り上げられているが、「ゆるっ都バス旅」やオリ・パラはほとんど触れられていない。商業目的のラッピング広告は、正直今でも好きではないが、都営バスが先鞭をつけたトピックスでもあるので、集中して取り上げられると良かった。
 それと、路線の変遷の歴史をたどる上で、時々バスグラフィック誌でやるような、路線図の付録が欲しかったです。むろん毎年、とはいかないが、平成が始まった1989(H元)、大江戸線開業に伴い大再編成を行った2000(H12)年、そして現在のもの、この位はあったら。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 臨港バスは19日、26日から各路線を当面の間、臨時ダイヤで運行するとリリースしました(土曜日は鶴見〔営〕のみ、休日は変わらない)。全部の路線が変わるのではないが、深夜バスは全て取りやめ、一般の路線バスも程度の差はあれ減便する路線が多く、〔鶴08〕系統(鶴見駅東口~ふれーゆ)は、平日の日中は半分以下になります。先行して、YCAT~浮島地区間の通勤高速バスの減便ダイヤ改正も発表されています。「昨今の社会情勢に鑑み」という理由になっているが、元々ドライバー不足になっていたところに、新型コロナウィルスの影響で通勤客などが減って、この措置に至ったのだと思われます。早く元のダイヤに戻る事を期待したいが、そろそろ空港・観光に直接関係しない一般路線バスでも、新型コロナウィルスの影響が出始めているようです。

《今日のニュースから》
17日 日本郵便 ドローン配送実験
18日 「ゲーム1日60分制限」 香川県議会 条例可決
19日 鯨調査船 塩釜港に帰還 IWC脱退後初
20日 韓国 チョ・グク前法相 収賄等の罪で初公判 
21日 原宿駅新駅舎 供用開始

 という最中の昨日、五輪の聖火が日本に到着したが、諸外国から日本に向けられる視線は、日を追う毎に厳しくなりつつあります。現実問題として、今後日本のみ感染が収束し、安全だと言える状況になったとしても、他の国から日本に、選手や観客が来れないという事態は、どうやら、しばらくは変わらないでしょう。もはや月単位、年単位の話になっていて、それでは開催を強行しても意味がない。個人的には釈然としない部分が相当あるのも事実だが、このままズルズル先延ばし、では、日本そのもののイメージが決定的に悪くなるのは、間違いない。次回オリ・パラの東京開催が担保される事(いつになるとしても)を条件として、勇気を持って開催の延期を決断する事も、止むをえなくなってきているのではないか。それがどのような形であれ、日本全国を覆う喪失感は、大きくなるだろうけれどね…。あとは直接の関係者の誰が、いつ、それを口にできるか。

この記事へのコメント